JW348 父子の勲
【桃太郎編】エピソード18 父子の勲
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)では、温羅(うら)が暴れまわっていた。
鎮圧の使命を受けたのは、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)と稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)。
夜襲作戦は成功し、ついに温羅を討ち取った。
しかし、温羅は、他にも伝承が有ると言って、逃亡したのであった。
トメ「結局、僕が討ち取ったのは、誰だったんですかね?」
タケ「よく見てみよ。温羅の弟、王丹(おに)こと『丹(たん)』じゃ。」
丹「うっ・・・。」
芹彦「おお! まだ、息が有るぞ!」
丹「ウ・・・ウリ(私)は、どこで討ち取られたか、何も書かれてないハセヨ。なので、作者オリジナル設定で、兄者の身代わりに・・・ガクッ。」
芹彦「なんと、美しい兄弟愛じゃ! タケ! それがしの時も、頼むぞ!」
タケ「何を言うておるのじゃ!? 断る!」
ジョン「それより、夜目主(やめのぬし)(以下、ヤメ父)と夜目丸(やめまる)(以下、ヤメ子)の父子が、討死(うちじに)したんだってな?」
たっちゃん「まさか、このようなことになるとは・・・(´;ω;`)ウッ…。」
芹彦「何を泣く! それよりも、丈夫(ますらお)の勲(いさおし)を讃(たた)えねば!」
犬「皇子(みこ)? 讃えるとは?」
芹彦「ヤメ父とヤメ子を祀(まつ)るのじゃ!」
ジュリアン「どこに祀るんじゃ?」
芹彦「父子は、日差(ひさし)の住人であったな?」
オーイナ「左様にござりまする。」
芹彦「では、日差山(ひさしやま)の頂(いただき)にて、父子を祀ろうぞ!」
サモリ「日差山は『日指山』とも書かれるみたいですねぇ。倉敷市(くらしきし)の山です。」
ショーン「そういうわけで、祀られた地は、日指神社(ひさしじんじゃ)になったんじゃ。」
たっちゃん「当然、二千年後も、日指山に鎮座(ちんざ)しておるのであろう?」
ショーン「そ・・・それが・・・。」
ジョン「ん? ショーン? どうした? 腹の具合でも悪いのか?」
芹彦「ショーンも言いづらかろう・・・。代わりに、それがしが、申そうぞ!」
一同「・・・・・・。」×多数
芹彦「二千年後! 日指山の頂に、社(やしろ)は無い!」
一同「ええぇぇ!!??」×多数
たっちゃん「な・・・なにゆえにござりまする?」
芹彦「分からんっ。それがしが、聞きたいくらいじゃ!」
サモリ「遷座(せんざ)したんじゃないですかねぇ?」
芹彦「分からんっ。誰か、教えてくれ!」
こうして、勝ち戦の余韻に浸ることもなく、一行に、衝撃が走るのであった。
つづく
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