見出し画像

JW169 集会に行こう

【孝霊天皇編】エピソード24 集会に行こう


第七代天皇、孝霊天皇(こうれいてんのう)の御世。

すなわち、紀元前255年、皇紀406年(孝霊天皇36)1月1日、大日本根子彦国牽尊(おおやまとねこひこくにくる・のみこと)(以下、ニクル)が日嗣皇子(ひつぎのみこ)に定められた。

そして、それから数日後か、数か月の時が流れた。

ここは、大臣(おおおみ)の一人、物部出石心(もののべ・の・いずしごころ)(以下、いずっち)の屋敷。

その日、饒速日命(にぎはやひ・のみこと)(以下、ニーギ)の子孫たちによる「ニーギ集会」が開かれていたのであった。

いずっち「エピソード117以来の『ニーギ集会』やな。」

そこに「いずっち」の息子たちがやって来た。

大水口(おみなくち)こと「みなお」と大矢口(おおやぐち)こと「ぐっさん」である。

みなお「おとん。何を言うてはるんです。『ニーギ集会』は、これまでにも実施されてたんでっせ。」

ぐっさん「せや。そういう裏設定になってるんと、ちゃうんですか?」

いずっち「せ・・・せやったなぁ。久々すぎて、忘れてたわ。」

みなお「ほな、集会に参列した方々を紹介致しますぅ。尾張建斗米(おわり・の・たけとめ)こと『ケット』殿ですぅ。」

ケット「やっとかめだなも(おひさしぶりです)! ケットだがや!」

みなお「以上ですぅ。」

系図(物部氏と尾張氏)

いずっち「た・・・たったの四人か?」

ケット「そう言うと思うとったでよ。息子を連れて来たが。その名も、建宇那比(たけうなひ)だがや! 『うな吉』と呼んでちょう(ください)!」

うな吉「お初にお目にかかります。『うな吉』だがや。」

ぐっさん「そう来たか・・・。ほんなら、わても息子を紹介しましょか。その名も、鬱色雄(うつしこお)やで! 『コー』と呼んでおくんなはれ!」

コー「わしが『コー』やで。以後、よろしゅう。」

系図(二人追加)

ケット「そう来たか・・・。ほんなら、こっちは、どえりゃぁ来賓(らいひん)を呼ぶでよ! 日嗣皇子のニクル様だがや!」

ニクル「ニ・・・ニクルじゃ。よろしく頼むぞ。」

いずっち・みなお・ぐっさん・コー「ええぇぇ!!」×4

みなお「い・・・いや、なんで? ニクル様は、ニーギ様の子孫じゃないやろ?」

ケット「たぁけぇ(馬鹿者)! ほんなこと有らすか(そんなことはない)! ニクル様は、正真正銘、ニーギ様の子孫だに!」

コー「ど・・・どこを、どうやれば、ニーギ様の子孫になるんでっか?」

ケット「仕方ないのう。第五代天皇、孝昭天皇(こうしょうてんのう)の皇后、世襲足媛(よそたらしひめ)こと『ヨッシー』を通じて、ニーギ様の子孫になっとるんだわ。」

系図(饒速日との関係)

いずっち「せ・・・せやった。わ・・・わてとしたことが・・・。」

ニクル「して、此度(こたび)の集会にて、何を語るのじゃ?」

うな吉「今回は、神社を紹介するんだがや。」

ニクル「神社か・・・。」

いずっち「ほな、始めましょか。紹介する神社は、天津日神社(あまつひじんじゃ)やで。」

天津日神社(鳥居と拝殿)

ぐっさん「天津日神社? 誰が祀(まつ)られてんねん?」

うな吉「天照大神(あまてらすおおみかみ)だがや。」

ぐっさん「ほんで(それで)、どこに祀られてんねん?」

みなお「岐阜県や。瑞浪市(みずなみし)の日吉町(ひよしちょう)やで。」

地図(天津日神社)

ニクル「何か伝承などは残っておらぬのか?」

コー「さすがは日嗣皇子! この地の古老の話によると、大王の御世に、雲霧(うんむ)が広がり、数日の間、晴天を仰ぐことができない事態が起きたみたいなんや。」

ニクル「それでは作物(さくもつ)が育たぬではないか・・・。」

ケット「その通り! 住民は困ったんだわさ。」

うな吉「そんなある日、日吉町の辺りから、徐々に雲が晴れ渡っていき、日輪を拝むことができたんだがや。これに感謝して、祠(ほこら)を建てたんが、神社の始まりだに。」

ニクル「神意が働いたというわけか・・・。」

いずっち「まあ、そういうわけで、天照大神を祀ってるわけや。」

ニクル「されど、なにゆえ雲霧が広がる事態となったのであろうか?」

ケット「よう分からんが、何か、天照大神を怒らすようなことをしたんでないかしゃん(したんじゃないか)?」

ニクル「これが、父上の仰る、ロマンというものか・・・。」

いずっち「さて、他にも大王の御世に創建された神社が有るで!」

ニクル「次は、何と言う神社なのじゃ?」

いずっち「その名も、三嶋田神社(みしまだじんじゃ)やで!」

三嶋田神社(鳥居)
三嶋田神社(拝殿)

ぐっさん「誰が祀られてんねん?」

いずっち「大山祇神(おおやまづみのかみ)、大綿津見神(おおわたつみのかみ)、上筒之男神(うわつつのおのかみ)やで。」

ケット「大山祇神は山の神様。大綿津見神は海の神様。上筒之男神は水面の神様だがや。」

みなお「いろんな神様を祀ってはるんですな。」

ぐっさん「ほんで、どこに祀ってんねん?」

うな吉「京都府だがや。京丹後市(きょうたんごし)の久美浜町金谷(くみはまちょう・かなや)に創建されたがや。」

地図(三嶋田神社)

ニクル「こちらの神社にも、何か伝承が残っておるのか?」

うな吉「さすがは日嗣皇子! ちゃんと残っとるがや。」

ケット「金谷の地は、我(われ)らが生きていた頃は、生嶋(いくしま)と呼ばれとったんでよ。そこに、ある人物が、三柱(さんはしら)の神様を祀ったんが始まりだがや。」

ニクル「その・・・ある人物とは誰じゃ?」

ケット「建諸隅(たけもろすみ)だがや!」

いずっち・みなお・ぐっさん・コー「なんやてぇぇぇ!!」×4

四人は、なぜ驚いたのであろうか・・・。

次回につづく

この記事が参加している募集

#日本史がすき

7,185件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?