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JW228 怪しい旅人
【開化天皇編】エピソード13 怪しい旅人
第九代天皇、開化天皇(かいかてんのう)の御世。
開化天皇こと、稚日本根子彦大日日尊(わかやまとねこひこおおひひ・のみこと)(以下、ピッピ)の子供たち(四兄弟)は、オリジナル設定の旅に出ることとなった。
四兄弟は、下記の通り。
長男、彦湯産隅(ひこゆむすみ)(以下、ムッシュ)。
次男、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)。
三男、彦坐王(ひこいます・のきみ)(以下、イマス)。
四男、建豊波豆羅和気王(たけとよはづらわけ・のきみ)(以下、ヅラ)。
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一行は、旅の仲間に、従兄弟の武渟川別(たけぬなかわわけ)(以下、カーケ)を迎え入れるべく、大彦(おおひこ)の屋敷に向かったのであった。
大彦一家が一行を出迎えたのは、言うまでもない。
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大彦「突然の来訪に、少し驚いているんだな。」
カーケ「何しに来たのかね?」
ミマキ「此度(こたび)、大王(おおきみ)より、淡道(あわじ)に赴けとの命が下ったのじゃが、カーケも連れて参れとの思(おぼ)し召(め)しにて、迎えに上がった次第。」
大彦「淡道とは、二千年後の淡路島(あわじしま)のことなんだな。」
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カーケ「そ・・・それで、それがしも行かねばならぬのかね?」
ムッシュ「直々の御指名なのだ。すまんが、同行してくれ。」
カーケ「承知仕(つかまつ)ったんだぜ。」
するとそこに、大彦の娘で、カーケの妹、御間城姫(みまきひめ)(以下、みぃ)と、大彦の息子で、カーケの弟、大稲腰(おおいなこし)(以下、イナコ)がやって来た。
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みぃ「父上! 兄上! 皇子様(みこさま)が来ているというのは、まことですか!?」
イナコ「旅に出るのですか?」
ヅラ「その通りずら! オリジナル設定の旅に出るずらよ!」
イナコ「いいなぁ。我(われ)も行きとうございます。」
大彦「それは無理なんだな。大王の御指名は『カーケ』なんだな。」
イナコ「ええぇぇぇ・・・(´;ω;`)。」
カーケ「泣くな! 弟よ! それがしも断腸(だんちょう)の思いなんだぜ。」
イナコ「まことですか?」
みぃ「で・・・では、皇子様。お・・・お気を付けて・・・。」
ムッシュ「皇子様というより、ミマキ様ではないか?」
みぃ「えっ! ・・・・・・。」
ミマキ「兄上? 私が何か?」
イマス「相変わらず、鈍感にござりまするな。」
ミマキ「ん? イマス? 何を言うておるのじゃ?」
ヅラ「そんなことより、早く出立するずら!」
ムッシュ「そうだったな。では、行って参ります。」
大彦「気を付けて行った方がいいと思うんだな。」
こうして一行は、淡道へと旅立ったのであった。
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ミマキ「兄上? 淡道は、思ったより広うござりまするな。狩人(かりゅうど)など、見つかるのでしょうか?」
ムッシュ「見つけねば、話にならん。是が非でも、見つけるんだ。」
ヅラ「どこをどう探せば、いいずらか?」
イマス「何か、特徴などはないのですか?」
カーケ「どこの狩人とか、情報はないのかね?」
ムッシュ「何も聞いてないからな・・・。どうすればと言われても困る。」
ミマキ・イマス・ヅラ・カーケ「ええぇぇぇ・・・(´;ω;`)。」×4
ムッシュ「ん? あそこに旅人が・・・。あの者に聞けば、何か分かるかもしれんぞ!」
ミマキ「おお! 何か手がかりを得られるやもしれませぬな!」
イマス「されど、なにか、厳(いか)つい感じの御仁(ごじん)にござりまするぞ。」
ミマキ「たしかに・・・。笠を深々と被り、身元がバレてはならぬ、お尋ね者かもしれぬのう・・・。」
カーケ「腰に、剣を差しているんだぜ。腕に覚えが有りそうなんだぜ。」
ヅラ「あ・・・危ない感じがするずら・・・。」
ムッシュ「よし! ヅラ! 旅人に尋ねて来いっ!」
ヅラ「えっ! なにゆえ、我(われ)が!?」
ムッシュ「こういうことは、末っ子が尋ねるモノなのじゃ。」
ミマキ「は・・・初耳にござりまするが?」
ヅラ「も・・・もう、いいずら! 分かったずら! 聞くずら!」
ヅラは、恐る恐る、旅人へと近付いていった。
その旅人は、恰幅(かっぷく)も良く、襟元(えりもと)からは、はっきりと盛り上がった筋肉が見えている。
ヅラ「あ・・・あのう? 旅の御方・・・。つかぬことを御尋ねしますが・・・。」
旅人「ん? ヅラではないか? あちらの四人は・・・。み・・・皇子!?」
ヅラ「えっ?」
旅人「私じゃ。汝(いまし)らの大伯父、稚武彦(わかたけひこ)じゃ。」
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ヅラ「ええぇぇ!! タケ伯父上!? どうして、こんなところにいるずらか?!」
タケ「武者修行の旅をしておるのじゃ。そんなことより、なにゆえ、汝(いまし)らが、淡道におるのじゃ?」
ミマキ「大王より命を受けもうして・・・。」
ムッシュ「淡道の狩人が、面妖(めんよう)なモノを見たとか、見なかったとかで・・・。」
イマス「真偽を確かめよと言われまして、この地を訪れた次第にござりまする。」
カーケ「ただ、どこの誰かも分からず、困っていたんだぜ。」
タケ「狩人? 社(やしろ)を建てている狩人のことか?」
ムッシュ「御存知なのですか?!」
タケ「二日ほど前に、会うたからな・・・。」
ミマキ「おお! では、その御仁のところまで、案内(あない)してくださりませっ!」
タケ「わ・・・分かった。では、私が先導(せんどう)しようではないか。」
タケも加わり、一行は、狩人の元に向かったのであった。
つづく
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