JW345 桃太郎、見参
【桃太郎編】エピソード15 桃太郎、見参
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
吉備(きび:現在の岡山県と広島県東部)では、温羅(うら)が暴れまわっていた。
鎮圧の使命を受けたのは、彦五十狭芹彦(ひこいさせりひこ)(以下、芹彦)と稚武彦(わかたけひこ)(以下、タケ)。
そして、一行は夜襲をしかけるのであった。
たっちゃん「先陣を承(うけたまわ)ったぞ!」
ヤメ父「しぃぃぃ。 声が大きい。」
たっちゃん「す・・・すまぬ。して、ここは、どこじゃ?」
ヤメ子「岡山県総社市(そうじゃし)の久米(くめ)じゃ。」
ヤメ父「そして、わしらが立っておる場所は、行在(あんざい)と呼ばれるようになるんじゃ。」
たっちゃん「されど、二千年後の地図を見ても、行在という地名など、書かれておらぬぞ?」
ヤメ子「神社になったんで、残って無いんじゃろうなぁ。」
たっちゃん「社(やしろ)が建ったと申すか?」
ヤメ父「その通り! 戦(いくさ)のあと、社が創建されたんじゃ。」
ヤメ子「その名も、御崎神社(おんざきじんじゃ)と言うて、二千年後も、久米に鎮座(ちんざ)しとる。」
たっちゃん「して、祭神は?」
ヤメ父「先陣を指揮(しき)した将軍が祀(まつ)られとる。何を隠そう、汝(いまし)じゃ!」
たっちゃん「なにぃぃぃ! 我(われ)だけが祀(まつ)られておるのか!?」
温羅「何を話しているニダ! って言うか、そんなところで、何をしているニカ!?」
ヤメ子「あっ! 『たっちゃん』の所為(せい)で、見つかってしもうた!」
たっちゃん「されば、致(いた)し方無し! 皆の衆、攻めかかれぇぇ!!」
ヤマト・吉備連合軍のみなさん「おお!!!」×多数
温羅「ウリは負けないニダ! 弟の王丹(おに)こと『丹(たん)』よ! 『たっちゃん』たちを返り討ちにしてやれ!」
丹「分かったニダ!」
ちなみに、伝承では、温羅に見つかることもなく、夜襲は成功している。
そして、あの男が、遅れてやって来た。
芹彦「待たせたな! それがしが! よっ! 桃太郎ぉぉぉ!」
サモリ「小生(しょうせい)が、猿(さる)の楽楽森彦(ささもりひこ)ですよ。」
トメ「僕が、雉(きじ)の留玉臣(とめたまおみ)だ!」
犬「そして、おいらが、犬(いぬ)の犬飼建(いぬかいたける)じゃ!」
芹彦「四人揃(そろ)って! 桃太郎一行ぉぉ! 見参(けんざん)!」
温羅「いい歳した大人が、恥ずかしく無いニカ?」
タケ「許せっ! 芹彦の・・・エピソード157以来の夢なのじゃ!」
温羅「意味が分からないハセヨ!」
こうして、戦いが始まったのであった。
つづく
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