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JW215 崩御は突然に

【孝元天皇編】エピソード18 崩御は突然に


第八代天皇、孝元天皇(こうげんてんのう)の御世。

時は流れ、紀元前158年、皇紀503年(孝元天皇57)9月3日。

この日、ついに、あの人物が逝こうとしていた。

孝元天皇こと、大日本根子彦国牽尊(おおやまとねこひこくにくる・のみこと)(以下、ニクル)である。

傍らにて、日嗣皇子(ひつぎみこ)らが見守る中、ニクルは最期の言葉を述べるのであった。

ニクル「ついに・・・この日が来てしもうた・・・。」

日嗣皇子の稚日本根子彦大日日尊(わかやまとねこひこおおひひ・のみこと)(以下、ピッピ)が、ニクルの手を強く握りしめる。

系図(ピッピ)

ピッピ「大王(おおきみ)! そのような・・・気弱なことを申されてはなりませぬっ!」

ニクル「仕方あるまい・・・。これが定めぞ。」

他の子供たちも、口々に声をかける。

大彦(おおひこ)。

少彦男心(すくなひこおこころ)(以下、こころ)。

倭迹迹姫(やまとととひめ)(以下、トット)。

彦太忍信(ひこふつおしのまこと)(以下、まこと)。

武埴安彦(たけはにやすひこ)(以下、安彦)である。

系図(ニクルの子供たち)

大彦「それがしは、とても悲しいんだな・・・(´;ω;`)ウッ…。」

こころ「我(われ)も悲しいです。とっても悲しいです・・・(´;ω;`)ウッ…。」

トット「初登場で、お別れだなんて、酷すぎます! 父上! (´;ω;`)ウッ…。」

まこと「絶対に信じないんやで! 絶対に有り得へんのやで! (´;ω;`)ウッ…。」

安彦「こんなこと、絶対におかしいと思うんですよね・・・(´;ω;`)ウッ…。」

大后(おおきさき)の鬱色謎(うつしこめ)(以下、ウッチー)や妃の伊香色謎(いかがしこめ)(以下、イカメ)、埴安媛(はにやすひめ)(以下、ハニー)も言葉を投げかける。

系図(ニクルの御夫人方)

ウッチー「大王・・・。嘘と言っておくれやすっ! (´;ω;`)ウッ…。」

イカメ「こないなことになるやなんて・・・(´;ω;`)ウッ…。」

ハニー「か・・・悲しゅうござりまする・・・(´;ω;`)ウッ…。」

ニクル「皆(みな)・・・相和(あいわ)して、国を支えよ・・・。ヤマトがこと・・・頼んだぞ・・・ガクッ。」

一同「大王ぃぃぃぃ!!!」×多数

こうして、第八代天皇、孝元天皇は崩御(ほうぎょ)した。

七代目と比べて、本当に記事が少ないのであった。

その翌日のこと、遺族による「大王を偲ぶ会」がおこなわれていた。

ピッピ「まだ信じられぬ・・・。大王が、崩御あそばされたとは・・・。」

ウッチー「仕方ありまへん。これも定めだす。」

大彦「では、大王を顕彰するため、大王を祀(まつ)った神社を紹介したいと思うんだな。」

トット「大彦兄上? 父上が祀られた神社が有るのですか?」

こころ「その通りです。その名も、布制神社(ふせじんじゃ)です。」

布制神社(鳥居)
布制神社(拝殿)

イカメ「どこに鎮座(ちんざ)してはるんですか?」

安彦「鎮座地はですねぇ。科野国(しなの・のくに)になります。」

ハニー「科野国といえば、千年後の信濃国(しなの・のくに)にござりまするな?」

まこと「その通りやで。二千年後の言い方をすれば、長野県やで。」

地図(科野国→信濃国→長野県)

ピッピ「して、長野県のどこになるのじゃ?」

安彦「それはですねぇ。長野市となってますねぇ。」

こころ「詳しい住所は、篠ノ井石川(しののい・いしかわ)です。」

イカメ「それだけでは、ないみたいどすなぁ。神社の周囲は、布制山(ふせやま)という地名のようどすえ。」

ピッピ「では、続けて言うと、長野市篠ノ井石川布制山・・・ということですな?」

まこと「その通りやで。」

地図(布制神社・長野県長野市篠ノ井石川布制山)

大彦「ところで、いつ創建されたのか、知りたいんだな。」

まこと「いつ創建されたのか・・・。それは、分からんのやで。」

安彦「そうなんですよ。作者も、いろいろ調べたみたいなんですがねぇ。分からなかったみたいですねぇ。」

トット「されど、なにゆえ、長野県に父上を祀る神社が有るのでしょうか?」

ハニー「そこはロマンではござりませぬか?」

トット「こ・・・これが・・・ロマン・・・。」

まこと「ちなみに、この神社には、我(われ)と大彦も祀られてるんやで。」

ウッチー「なんで、うちの大彦と『まことちゃん』が祀られてるんだす?」

大彦「そんなこと言われても、分からないんだな。」

こころ「これが、ロマンです。母上!」

ウッチー「こ・・・これもロマンになるんだすなぁ。」

安彦「ところで、次の大王についてですが・・・。」

ピッピ「次の大王? 何を申しておるのじゃ? 我(われ)に決まっておるではないか?」

安彦「いやぁ。それがですねぇ。作者から、ゴネるように言われてましてねぇ。」

ピッピ「作者じゃと?」

安彦「僕が末っ子じゃないかと、作者は考えてるみたいなんですよねぇ。」

トット「ど・・・どういうことですか?」

まこと「分かったで! 我(われ)らの時代は、末子相続(まっしそうぞく)なんやで。そのことを言っていると思うんやで!」

安彦「まこと兄上・・・。全く、その通りです。末子相続なら、末っ子が継ぐべきだと思うわけなんですよ。」

ハニー「安彦! 汝(いまし)は、何を言っておるのです?! ピッピ殿は大后の末っ子ですぞ!」

ピッピ「そうじゃ! そして、日嗣皇子ぞ!」

安彦「でも、よく考えると、この時代に、日嗣皇子なんて制度が有ったかどうか・・・。眉唾(まゆつば)と言いますか、ちょっと有り得ないんじゃないかと、僕は思ってるんですね。」

ウッチー「ピッピ? そうなんだすか?」

ピッピ「ま・・・まあ、否(いな)とは申せませぬ・・・。」

安彦「・・・ということで、僕が大王になってもいいんじゃないかと・・・。」

衝撃の展開・・・。

次の大王は? 

次回より、開化天皇の御世となるのか? 

つづく

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