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JW545 伊蘓宮は何処

【伊勢遷宮編】エピソード4 伊蘓宮は何処


第十一代天皇、垂仁天皇すいにんてんのう御世みよ

紀元前4年、皇紀こうき657年(垂仁天皇26)。

天照大神あまてらすおおみかみ(以下、アマ)の鎮座地ちんざちを求め、一行は、伊蘓宮いそのみやいたった。

人物一覧表(倭姫の一行)

そして、二つの候補地のうち、相鹿上神社おおかがみじんじゃが紹介されたのであったが、解説の途上で、五人の大夫たいふが乱入してきたのであった。 

相鹿上神社(鳥居と拝殿)
人物一覧表(五人の大夫)

武日たけひ「ようやく合流出来たんやじ。」 

ワッコ「そ・・・そうだったのですか?」 

ねな「そんなことより、候補地解説を進めたいんだけど?」 

くにお「そ・・・そうじゃな。たしか、相鹿上神社おおかがみじんじゃ祭神さいじんは、天児屋根命あまのこやね・のみことであったな?」 

オーカ「そうですぅ。われ御先祖様ごせんぞさまにあらしゃいます。」 

アマ「なにゆえ『こやねっちゃん』なのか、よく分からぬが、候補地とされておるのじゃのう。」 

五人の大夫「ええ!? 『アマ』様!?」×5 

ワッコ「皆様みなさま? 如何いかがなされました?」 

ちね「まさか『アマ』様をおがむ日が来るやなんて・・・。」 

カーケ「いつも、こんな感じで解説しているのかね?」 

市主いちぬし左様さようにござりまするが・・・。」 

武日たけひ「うらやましいっちゃが!」 

おしん「だども、いつも出て来るわけじゃねぇんだ。遷座せんざとき以外いがいは出てねぇし、気が向いた時にしか出てねぇし・・・。」 

アマ「悪かったのう!」 

くにお「い・・・いろいろと頭が付いてかぬ・・・。」 

ワッコ「と・・・とにかく、相鹿上神社おおかがみじんじゃ鎮座地ちんざちは、二千年後の地名で言うと、何処いずこになるのじゃ?」 

カット「は・・・はい。三重県みえけん多気町たきちょう相可おうかにござりまする。」

地図(相鹿上神社)

インカ「ん? それは、おかしな話になりませぬか?」 

ワクワク「どうしたの?」 

インカ「われらは、櫛田川くしだがわくだって、ここまで来ておるのですぞ? されど、こちらのやしろは、櫛田川の上流に鎮座しておりまする。」 

地図(相鹿上神社と櫛田川)

ワッコ「たしかに、言われてみると、そうじゃな・・・。」 

オーカ「これは、どういうことにあらしゃいます?」 

ねな「どうもこうも、これがロマンなのよ。」 

アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」 

乙若おとわか「では、二つ目の候補地を紹介致しましょう。」 

カーケ「ん? ちょっと待って欲しいんだぜ。いつも、こんな感じで進むのかね?」 

ワッコ「はい。いつも、こんな感じです・・・(;^_^A」 

カーケ「そ・・・そういうことなら、仕方ないんだぜ。」 

乙若おとわか「で・・・では、気を取り直して・・・。二つ目は、磯神社いそじんじゃにござりまする。」 

磯神社(鳥居と拝殿)

市主いちぬし「祭神は『アマ』様。それから、豊受大神とようけのおおかみ木花開耶姫このはなのさくやひめにござりまする。」 

ちね「鎮座地は何処どこになるんや?」 

カット「三重県みえけん伊勢市いせし磯町いそちょうにござりまする。」 

おしん「外城田川ときたがわ宮川みやがわはさまれた、中洲なかすに鎮座してんだ。おら、どう考えても、こっちが正しいと思うんだけどなぁ。」 

地図(磯神社)

ねな「『おしん』? 何度言ったら分かるの? これはロマンなのよ。」 

アララ「あらら・・・。そういうことになっちゃった。」 

インカ「ち・・・ちなみに、外城田川ときたがわには、我々われわれが舟をけたと伝わる地が残っておりまする。」 

市主いちぬし「二千年後は、鳥居とりいが建っておりまするぞ。」 

地図(上陸地)
上陸地の鳥居

アマ「みなもの。解説、大儀たいぎであった。」 

ワッコ「あのう・・・『アマ』様?」 

アマ「ん? 如何いかがいたしたのじゃ?」 

ワッコ「あの南の山脈やまなみを見ていたのですが、あちらの方が、ここよりも宮処みやどころが有るように思いまする。」 

アマ「うむ。たしかに・・・。」 

ワッコ「そういうわけで『ワクワクさん』を派遣はけんして、調しらべさせまする。」 

ワクワク「えっ!? 僕が!?」 

神宮じんぐうへの旅は続くのであった。

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