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JW376 女神を祀ろう

【崇神改革編】エピソード3 女神を祀ろう


第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。

すなわち、紀元前87年、皇紀574年(崇神天皇11)11月4日。

崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)の元に、作者の陰謀で、ある人物が、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)を訪れていた。

地図(磯城瑞籬宮)

ミマキの皇子(みこ)、大入杵(おおいりき)(以下、リキ)である。

能登国(のと・のくに:現在の石川県北部)からやって来たのである。

系図(リキ)
地図(能登国から)

ミマキ「して、此度(こたび)、国中(くんなか:奈良盆地のこと)に参ったのには、なにか理由(わけ)が有るのであろう?」

リキ「そうなんですわ。実は、この日、能生白山神社(のうはくさんじんじゃ)が創建(そうけん)されたんですわ。」

能生白山神社(鳥居)
能生白山神社(拝殿)

ミマキ「今日じゃと? はっきりと日付が伝わっておるのか?」

リキ「伝承では、今年の11月の初午(はつうま)の日に創建されたとしか書かれてへんのやけど、じゃあ、一体、いつやねんと・・・まあ、調べてみたら、4日だったっちゅうわけですわ。」

ミマキ「わざわざ調べたのか?」

リキ「作者も暇(ひま)なんでしょうなぁ。」

ミマキ「して、初午というのは、エピソード101と102で解説された、六十干支(ろくじっかんし)というヤツのことか?」

リキ「さすがは、おとん! まさしく、それですわ! 午(うま)が付く日は、庚午(こうご)、壬午(じんご)、甲午(こうご)、丙午(へいご)、戊午(ぼご)の五種類有るんやけど、11月の最初の午の日、すなわち初午は、壬午の日になりまして、それが、4日っちゅうことなんですわ。」

ミマキ「そ・・・そうか・・・。して、その神社は、どういった神が祀(まつ)られるのじゃ?」

リキ「伊弉諾神(いざなぎ・のかみ)、大国主大神(おおくにぬし・のおおかみ)、そして、奴奈川姫命(ぬなかわひめ・のみこと)やで!」

ミマキ「奴奈川姫か・・・。高志国(こし・のくに:現在の北陸地方)の女神じゃな? たしか『古事記(こじき)』で、大国主が求婚に向かった話が載(の)っておったな?」

リキ「その通りやで。新潟県の糸魚川市(いといがわし)などの地域で信仰されてる女神なんや。」

ミマキ「・・・ということは、新潟県に鎮座(ちんざ)したのじゃな?」

リキ「さすがは、おとん! その通りやで! 新潟県糸魚川市の能生(のう)に鎮座する予定や。」

地図(能生白山神社)

ミマキ「して、わざわざ、創建の日に、国中に参ったとは・・・。さすがは、わしの子じゃ!」

リキ「そ・・・そないなこと言われたら、なんや、恥ずかしゅうなって来ましたで・・・。」

ミマキ「おお! リキの顔が真っ赤じゃ! ((´∀`))。」

するとそこに、尾張大海媛(おわりのおおあまひめ)(以下、オー)が乱入してきた。

系図(オー)

オー「リキちゃん! 帰ってきたんかね?! 首を長うして待っとったでよぉ!」

リキ「お・・・おかん! 慌てんでも、あとで伺(うかが)お、思(おも)てたんや!」

ミマキ「今日は、親子水いらずで語らおうではないか。のう? オー?」

オー「当たり前だがね。なかなか会えんでよ。」

こうして、親子は、再会の喜びを分かち合ったのであった。

つづく

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