ひらい髭

前職の酒蔵を退職後に、醸造機械系の会社に転職。色々書くので暇つぶしに読んでいってくださ…

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前職の酒蔵を退職後に、醸造機械系の会社に転職。色々書くので暇つぶしに読んでいってください。広島←盛岡

最近の記事

醸造機械の会社に転職した話

こんにちは、ひらい髭です。だいぶnoteの更新をサボっている間にいろいろありましたので、近況報告として今日は書いていきます。若干長くなるかもしれませんが、最後までお読みいただければ幸いです。 まず、2021年12月末をもって岩手県盛岡市の菊の司酒造を退職しました。5年という短い期間でしたが、たくさんのお取引先や関係者様、日本酒愛好家の方々、同業の諸先輩方に可愛がっていただき本当に感謝しかなく、とても濃密な経験をさせていただきました。 そして本来ならばお世話になった皆様全員

    • 「和の酒 菊の司」がかなりおいしくなった話

      こんにちは、ボンです。 しばらく更新しておりませんでした。サボってたわけではない…というのは言い訳ですが、けっこうボツ記事ばかりだったのはマジな話で、タイトル未設定の下書きがたまりにたまっておりました。そろそろちゃんと出せる記事を書こう、と堅く決意し今回のnoteを書いています。 もう少しで皆造ということで、長かった酒造りも終わりをむかえようとしています。 杜氏や専務とも話していましたが、造りが終わるというのは毎年なんとも不思議な気分でして、「やっと造りが終わるなあ…(

      • 酒蔵の酒販店営業について書いてみた

        こんにちは、ボンです。 この前とある方々と楽しくオンライン飲み会をしていた時に、 「酒蔵の営業マンがヤバイ」 という話になりました。「ヤバイ」の捉え方は読者の皆様に委ねます。 その言葉を聞いた時に当事者であることを忘れ「わかるわかる」と言ってしまいました。もちろんすべての酒蔵に該当するわけではありませんし、その「ヤバイ」に該当してしまっていても優秀な営業マンというのはたくさんいます。 ヤバイのに優秀。矛盾しているようにも思えますが、実際問題、優秀な人材を生かし切れていな

        • 優しい余韻!「菊の司 髭 BLACK」

          こんにちは、ボンです。 今日の酒はこちら!! 菊の司酒造㈱「菊の司 髭 BLACK」 アルコール度数:17度 他スペック:非公開 9月よりスタートした当蔵の新シリーズ「菊の司 髭シリーズ」の第1弾です。「クラシカルな日本酒の味わい」をテーマに、冷や酒(常温)や燗酒で滋味深く味わえるお酒を念頭に置き、酒質設計をしました。「燗」でピンときた方もいるかもしれませんが、私ボン肝いりの新商品です(笑) 大まかな内容は菊の司酒造WEBにて公開しておりますので、先にそちらをご覧に

        醸造機械の会社に転職した話

          約半世紀の熟成を経た吟醸大古酒を飲んでみた話

          こんにちは、ボンです。 お盆期間は大正時代に建てられた木造の屋敷で過ごすのが恒例の我が家。風通しが良すぎてめちゃくちゃに涼しく、中庭の深緑に心癒され、セミの鳴き声と仏壇の線香に夏を感じる…。子供の時はなんとも思いませんでしたが、20代も半ばになり、そんなひと時が如何に尊い時間であるかを実感する今日この頃です。 最終日に片付けのため屋敷の蔵を物色しているととんでもない物を見つけました。それが今回飲んだこちらの酒。 なんと昭和49BYに造られた吟醸原酒です!今年で46歳です

          約半世紀の熟成を経た吟醸大古酒を飲んでみた話

          酒蔵における実用的な利き酒とは…?

          こんにちは、ボンです。 先日社内研修の一環として社員みんなで酒を持ち寄り利き酒を行いました。ちなみに17種類集まった内の7本は自分が持ち込んだ酒でした…笑 今回の利き酒では2つの目的を設定。 1つ目は「低アルジャンル」の研究です。低アルについては先日、佐賀県・光栄菊酒造さんの記事を書いた時に、「これからビックウェーブが来るであろう酒質」と見解を述べさせていただきました。 すでに当社では「平井六右衛門 心星」「菊の司 季楽 純米爽酒 ひまわり」の2商品で取り組んでいる酒

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          鮮やかなSUN!「光栄菊 Sunburst(サンバースト)」

          こんにちは、ボンです。 今日の酒はこちら!! 光栄菊酒造㈱「光栄菊 Sunburst(サンバースト)」 アルコール:13度 精米歩合:不明 酵母:不明 原料米品種:不明 2006年に一度は廃業しましたが、現在のオーナーさんが引き継ぎ2019年に復活を果たした佐賀県の蔵元さんです。詳しくはSAKETIMESさんに取材記事がありましたので、下記リンクをご確認ください。 光栄菊さん、最近めちゃくちゃ話題になってますよねー。ひねくれものの自覚症状しかない僕なので、普段は「話

          鮮やかなSUN!「光栄菊 Sunburst(サンバースト)」

          日本酒とオフフレーバーを考える

          こんにちは、ボンです。 今日は前回みたいに特定の話題について長々と書いていきます。その話題というのは…そう、「オフフレーバー」です。オフフレーバーについては先日自分がしたこんなツイートに対して多くの方からリアクションをいただきました。 様々ご意見があるかと思いますが、まずはこのツイートの種明かしから。 こんなツイートをしといてあれですが、僕自身、オフフレーバーを指摘しながら日本酒を飲むユーザー層なんてほぼいないと思ってました。もちろん「この酒、ちょっと苦手だな」という感

          日本酒とオフフレーバーを考える

          品質劣化?それとも向上?日本酒の熟成について考える

          こんにちは、ボンです。 今日はいつもの飲みだおれ日記とはテイストを変えて、近頃話題の「熟成」について考えてみようと思います。とはいえnoteの趣旨を見失わないように、酒はちゃんと飲みながら書き進めていきます。ということで今日の酒はこちら!! 当社で一昨年に限定販売した「追想の1996 あの時君は若かった」です。 この酒は1996年に長期熟成を念頭に醸造された本醸造酒を、「平成最後の年越しにこの酒を飲みながら時代をしみじみ振り返ってもらおう」ということで23年越しに蔵出し

          品質劣化?それとも向上?日本酒の熟成について考える

          速醸一筋の蔵元!「白老 特別純米酒」

          こんにちは、ボンです。 4日目のお酒はこちら!! 澤田酒造㈱「白老 特別純米酒」 アルコール:15度 精米歩合:60% 原料米:愛知県産「若水」 愛知県は常滑市の澤田酒造さんが醸す「白老」。競馬ファンは「しらおい」と読んでしまいそうですが、「はくろう」ですからね?間違えるなよ?な?(実体験から) 個人的に好きなお蔵さんの1つで、いつかはこのnoteで紹介したいなあと思っていましたが、想定より早い感じになってしまいました。そこらへんの経緯も含めてまずは白老との出会いか

          速醸一筋の蔵元!「白老 特別純米酒」

          キンキンも生燗も!「菊の司 純米生原酒 亀の尾仕込 ド・ニゴリ」

          こんにちは、ボンです。 3日目のお酒はこちら!! 菊の司酒造㈱「菊の司 純米生原酒 亀の尾仕込 ド・ニゴリ」 アルコール:17度 精米歩合:60% 原料米:宮城県石巻産契約栽培「亀の尾」 酵母:きょうかい9号泡なし 当社の人気商品「菊の司 純米生原酒 亀の尾仕込」を、蔵開き限定酒として本数限定でにごりで詰めた1本です。個人的に当社商品の中でも好きなお酒の1つですが、ローテーションの関係で市場に出回るのはある程度熟成したものになっています。それを新酒のにごりで楽しめると

          キンキンも生燗も!「菊の司 純米生原酒 亀の尾仕込 ド・ニゴリ」

          お手本のような吟醸酒!「雪の茅舎 美酒の設計 純米吟醸 生原酒」

          こんにちは、ボンです。 2日目の酒はこちら! (株)齋弥酒造店「雪の茅舎 美酒の設計 純米吟醸 生原酒」 アルコール:16度 精米歩合:55% 原料米:山田錦 酵母:自社酵母 2日目にして僕が選んだとは思えない酒です。(わかる人はわかる)(わかりすぎて首肯で首がもげる) もともと業界から尊敬を集める蔵元さんの1つですが、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』で高橋藤一杜氏が特集され、さらに人気・注目が高まっている印象。個人的には定番の山廃純米が好きです。 そんな

          お手本のような吟醸酒!「雪の茅舎 美酒の設計 純米吟醸 生原酒」

          透明感と熟成感の共存!「睡龍 生酛純米(H19BY)」

          こんにちは、ボンです。 てことでnote一発目の更新でございます。本日はこちら!! ㈱久保本家酒造「睡龍 生酛純米(H19BY)」 醸造年度:平成19BY(13年熟成) アルコール:15度 精米歩合:65% 酵母:きょうかい7号酵母 記念すべき一発目は何を書こうかと色々考えましたが、自分が一番好きな蔵元さんを紹介しようということでこちらを選びました。睡龍、めっちゃ好きなんですよね~。大阪に行くと必ず久保本家酒造さん直営の「初かすみ酒房」に飲みに行くぐらい好きです。

          透明感と熟成感の共存!「睡龍 生酛純米(H19BY)」

          プロローグ

          こんにちは、菊の司のボンです。 2月から菊の司の企業アカウントを個人アカウントのごとく運用しています。ねらいは色々ありますが、説明するのも野暮なので「なんかやってんな」ぐらいの生温かい目で見守っていただければ幸いです…。 そして今回、なんと会社公式でnoteを立ち上げました。題して、 「ぼんの飲みだおれ日記」 です。 「なんかやってんな」の1つに「他社様の酒を飲んで紹介する」という、日本酒業界史上前例のない(?)、わけのわからないことをやっているわけですが、これについて

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