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透明感と熟成感の共存!「睡龍 生酛純米(H19BY)」

こんにちは、ボンです。

てことでnote一発目の更新でございます。本日はこちら!!

㈱久保本家酒造「睡龍 生酛純米(H19BY)」

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醸造年度:平成19BY(13年熟成)
アルコール:15度
精米歩合:65%
酵母:きょうかい7号酵母

記念すべき一発目は何を書こうかと色々考えましたが、自分が一番好きな蔵元さんを紹介しようということでこちらを選びました。睡龍、めっちゃ好きなんですよね~。大阪に行くと必ず久保本家酒造さん直営の「初かすみ酒房」に飲みに行くぐらい好きです。

よく行ってた梅田のかっぱ横丁にあった店舗は3月で閉店してしまったようなので、なんばや日本橋の店に今度はお邪魔しようと思ってます。
http://kubohonke.com/hatsukasumi-shubou

タイトルに「透明感と熟成感の共存!」と書きましたが、これはこちらの蔵元さんすべての酒に当てはまるような気がします。「熟成しないと旨くならない酒」とか「熟成した方が旨い酒」という感じではなく、出来上がりで飲んでもクリアでおいしい酒なんだろうなあと感じられる酒質。伝わりますかね…?

久保本家酒造さんのWEBページを覗くと、加藤克則杜氏のありがたいお言葉が載っています。(以下引用)

酒造りは掃除から始まります。酒造り中、蔵の中の掃除が行き届いていないのはいただけません。人の口に入るものを造っているのだから、まして自分たちが一番飲むのだから。手を抜かずに掃除をやってほしいと言うと、蔵人たちは言われたこと以上のことをやってくれます。指示された以上のことができなければ、まっとうな生酛純米酒はできないと考えて酒造りを行っています。 酒造りをする前は、生酛純米酒を造ることがゴールでしたが、プロの造り手となった今は出発点。生酛造りは、日本酒造りの基本であると考えます。 香り系の速醸酛の造りとは違う、米洗い・蒸し・麹・酒母(しゅぼ)・醪(もろみ)それぞれの操作、作業があり、ある意味完成されています。生酛造りの作業の一つ一つの道理を理解してこそ、新しい技術である速醸を、難なく行うことができるものと考えています。
http://kubohonke.com/item

ひたすら胸に突き刺さるというか、酒造りの真髄が詰まった言葉だと思っています。そしてこれがまさに酒質で表現されていますよね。基本を大事にしたからこそのあの透明感。純米燗酒というと「無骨」「古臭い」という言葉で表現されるようなイメージを持っている人が多そうですが、睡龍はどんな酒よりも繊細で力強い酒だと思います。

…あ、また矛盾したような表現ですね。ただこういった言葉でしか言い表せないというか…。相反する要素を同居させていることがすごいわけです。伝わってくれ。

[飲酒レビュー]

ようやっと「睡龍 生酛純米」のレビューです。

最初の一口は常温…と言っても酒屋さんで買って帰ってからすぐ開けたので、外気の影響で冷酒状態。うん、やっぱりうめえな。なんというか、この手の熟成酒によくある冷酒時のギスギス感が皆無なんですよね。クリアですーっと喉に落ちていく。渋みや苦み、酸浮く感じもなし。すごすぎる。

熟成感はもちろんあるんですけど、ビター感もすごく丸みがあって、これは酒質によるものなのか、熟成年月によるものなのか…。めちゃ考えさせられます。

…と、冷酒で感動している間に燗が付け上がりました。

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いやあ、そりゃうまいだろ。燗にしたらもっと旨くなるんかい。温度はひたすら熱くしました。たぶん70度ぐらいにはなってるかな…。怠惰な人間なので、燗を付けなおすのがめんどくさいのです。それだったらすぐ冷めないように思い切り熱くしたろ。そんな魂胆です。

まあそれができるのもこの酒質だから。熱くしすぎて壊れる繊細な酒というのもあるわけで、そういった酒はやはり気をつけて燗しないといけません。ただこの酒はそんなことで味が崩れません。繊細かつ力強い酒なんで。

思いっ切り熱くした後は冷めていく過程の味わいの変化も楽しめるので、1合で何通りも楽しめます。所謂「上げ落とし」「燗冷まし」といったテクニックをした方がおいしく提供できるな、という発見もこういったところから生まれるので、理解しきれていない酒を飲むときは初めからぬるくしちゃうよりおすすめです。

この日の晩御飯は焼いたアジに和風の野菜あんかけをかけた物や、焼いたアスパラガスが出たのでそれを肴に晩酌。どれにも当然ベストマッチ。合わないわけがないのですが、食中酒というのはこのことを言うのですね。

「料理を引き立たせる酒」
「料理に引き立たせてもらう酒」

があるとすれば前者ではないでしょうか。改めて睡龍のおいしさに目覚めた一本。ごちそうさまでした。

[閑話休題]

Twitterを見るようになってから、蔵元・酒販店・飲食店のいずれにもカテゴライズされない日本酒関係者がけっこういるんだなあと感じました。失礼ながら自分はまったく知らなかったけど、インフルエンサー的な立ち位置の人もよくお見掛けします。

そういった方々を見てて2つ思う事があります。

1つは「その人たちが10年、20年…先も日本酒を売ってくれる業界にしなければならない」ということです。当然ビジネスなので旨みがないオワコンはすぐに捨てられますし、今は売れてても成長性がないと判断されれば同様に捨てられてしまいます。

実際昨今の商況を見ていると日本酒ブームの波を生かし切れていないシーンが多々ありますし、そういった事態に陥るのも時間の問題ではないでしょうか。

また熱意ある人を受け入れる懐の広さも重要ですよね。「お前誰やねん」という目でばかり見ていたら村社会だなあ、既得権益の温床だなあとその人たちの熱量も冷めてしまうことでしょう。この業界ではそういった性質が節々に感じられるので、一刻も早く改善したいところです。

もう1つは「その人と本当に関わるべきなのかを見極める」という点です。先ほど言ったことと多少矛盾しちゃうかもしれませんが、中には業界にとってマイナス要素の提言をされたり、実情を把握していないなあこの人は、という人も散見されます。

熱量がある人だったらそういった要素への指摘に対し、改善された更なるレスポンスをしてくれるはずなので、それを引き出せる人かどうかをしっかり向き合った上で見極めなければならないと思います。

要するに何が言いたいかというと、客観性を持った人材を僕たちは決して手放してはいけないです。日本酒業界(末端のファンまで含め)の閉鎖性というのは前から指摘されている通りですが、やはりそこは改めるべきではないでしょうか。

[最後に]

これで記念すべきnote初回終了です。いかがだったでしょうか?やはりTwitterとは違って書きたいことを書けるだけ書けるので、開設してよかったなと実感しているところです。

こんな感じで不定期更新していきます(日記なのに不定期更新…?)ので、面白かったらいいねや拡散などしてもらえたら励みになります。

何卒宜しくお願い致します。

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