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芸術が運ぶ心理カウンセリングの話

随分前に、大学の提供する講義『カウンセリング心理学』を受講したことを思い出す。

思い出したのは、心を患う人にカウンセリングを行うときの処方。様々なものがあるがその一つに、傾聴の上、要約することがあるらしい。

実際、講義の中で、傾聴の上、相手の気持ちを要約し合ってみた。

「…」

とても腑に落ちた。
その理論が、ではない。自分の気持ちが、だ。
腑に落ちるー意味は、納得すること、なるほどと思うこと、らしい。
自分の気持ちに、なるほどな、と思うのだ。
自分の気持ちをまとめられると、そうか確かに自分の気持ちに正否などはなく、なるほど自分はこう感じているのだな。というように妙に改めて納得するような感じになるのだ。結果、モヤモヤが少し晴れ、癒やされたような気にもなる。

そうして、この処方を用いるという理論にも納得することになるのだが、思い出したのには訳がある。

ときどき、小説やエッセイ、音楽なら歌詞を見聞きしているときに、同じような感覚になるのを感じていたからだ。

前からなんだろうこの感じは。とぼんやりと思ってはいただけれど、

例えば、ある一文を読み、
自分では到底思いつかなかったけれど、そうだ、こういうときの気持ちを最大限に言い現してくれている言葉はコレだ!とストン、と体内に光が落ちるような気分になることがある。

感受性の深い言葉で要約されているような感じで、自力では見つけられない深層心理にある気持ちが表現された何かのようでもある。

小説や音楽に触れると、何か癒やされた気になるのはこのせいかも知れない、などと何かを探し当てた気分になり少し嬉しく思う。
あれらは上質なカウンセリングでもあったのかと、勝手に思っている。

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