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レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(2)『ジグザグに考えよう』:質問する

レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性について考える(2)『ジグザグに考えよう』:質問する

 レゴシリアスプレイメソッドにおける創造性はどこにあるのか。

 上記の本にある創造性を高めるステップのうち、最初に「質問する」がある。

 この章ではいくつかの「質問する」ことを通じて創造力を高めるための方法が紹介されている。

 その方法は私なりに、いくつかの傾向に分類できそうだと感じる。

(1)思いもよらない組み合わせをつくり、それの意味を問う
(2)特殊な条件を組み合わせて問う
(3)考

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社会問題への対応を企業が考えるためにレゴシリアスプレイメソッドができること

社会問題への対応を企業が考えるためにレゴシリアスプレイメソッドができること

 ハーバード・ビジネス・レビュー2024年9月号の最後に収録されているのは、「論争の的となる社会問題に企業はどう対応すべきか」というタイトルの論文であった。

 現代の大企業に対して、公衆は多くの期待を寄せている。調査の項目にあがっているものの中で、以下の項目はいずれも75%以上の人が「企業は責任を果たすべきだ」と述べている。

・気候変動や貧困などの地球規模の主要な問題の解決
・自国の主要な社会

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物事の2面性をレゴシリアスプレイメソッドで考える

物事の2面性をレゴシリアスプレイメソッドで考える

 2024年の6月29日と30日に東京で、レゴシリアスプレイメソッドのファシリテーターたちが集まるAsian Meetingが行われた。

 そのミーティングで話が聞けたプレゼンテーションのうち、「校則」を考える「校則サミット」を、レゴシリアスプレイメソッドを使って行った事例が報告された。以下は関連記事である。

 一見、良いことに見えるものでも、そこからいろいろな問題が生まれていることがあること

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レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを活用して戦略策定の知恵を人生設計に活かす

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを活用して戦略策定の知恵を人生設計に活かす

 DIAMONDハーバード・ビジネスレビューの2024年7月号は「戦略的思考のキャリア論」という特集が中心に組まれている。

 その特集の中に「戦略策定の知恵を人生設計に活かす法」というタイトルの論文がある。

人生設計のための7つのステップ

 この論文の中心にあるのは、企業の戦略策定と個人の人生設計は、非常に似通っているという指摘である。そしてその観点から、個人の人生設計をするための7つのステ

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レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(4)行動論理の発達という視点

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(4)行動論理の発達という視点

 ビル・トルバート著『行動探求』をもとに、これまでは個人の行動探求と組織の行動探求の方法をそれぞれ紹介し、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドでどのような支援ができるかを考えてきた。

 ここまでは、行動探求を構成する要素やそれらのつながりを中心に考察が進められてきたが、本書の第4章からは、著者たちは「人間や組織には行動論理の段階がある」という視点を強く打ち出して、各段階の概念化と段階の移行の条件に

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レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(3)組織化する方法としての行動探求

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(3)組織化する方法としての行動探求

 ビル・トルバート著『行動探求』についての、以前のNoteでは個人でもできる「話し方」について、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドでの支援方法も含め考察した。これは個人で行動探求(行動しながら評価することで状況適応を実現する)を行うための基本となるものである。

 今回は、組織での行動探求について扱っていく。

 まず、個人と組織ではどう変わるのか、という問いが出てくる。この問いに対して、本書では

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レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(1)

レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで人々の「行動探求」を支援する(1)

 ビル・トルバートによって提唱された「行動探求(Action Inquiry)」は、非常に単純化していえば、行動と探求を同時に行うことである。言い換えれば、何らかの行動をしている最中に誤りを見つけ修正できるようにすることでもある。
 そのためには、外側から行動を統制をするのではなく、内側から行動を常に注視していくことになる。また、これは個人だけでなくチーム、組織のレベルでも実施可能であるという。

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実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(5)変容

実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(5)変容

 上掲書で紹介されている「実践コミュニティの発展段階」に沿って、その発展ポイントとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援できることを考えている。今回は発展モデルの第5段階である「変容」である。

 <実践コミュニティの発展段階>
 1.潜在
 2.結託
 3.成熟
 4.維持・向上
 5.変容

5.変容の段階の活動ポイント

  変容は、実践コミュニティの活動が、いよいよ行き詰まり衰退の兆候を

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実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(2)結託

実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(2)結託

 上掲書で紹介されている「実践コミュニティの発展段階」に沿って、その発展ポイントとレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援できることを考えいる。今回は発展モデルの第2段階である「結託」である。

 <実践コミュニティの発展段階>
 1.潜在
 2.結託
 3.成熟
 4.維持・向上
 5.変容

2.結託の段階の活動ポイント

 この段階では、実践コミュニティのメンバーや参加者は生まれているが、参

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実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(1)潜在

実践コミュニティをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで作りだす(1)潜在

 すでに20年以上も前の書籍となっている上掲書(原著と日本語訳と共に2002年)ではあるが、日本ではコミュニティを作り出し、地域や企業の活力にしようということへの関心や成功事例への着目度はまだまだ高い。

 本書では「共通の専門スキルや、ある事業へのコミットメント(熱意や献身)によって非公式に結びついた人々の集まり」を実践コミュニティと呼び、その実態とマネジメントについて論じている。

 この実践

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成長を求めるリーダーをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援する

成長を求めるリーダーをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドで支援する

 DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの日本版の2023年9月号の特集は「リーダーのための成長論」であった。
 その中で紹介されている論文の一つが「自己成長を求めるリーダーは遥かなる旅路を歩み続ける」である。筆者はロンドン・ビジネススクール教授のハーミニア・イバーラ氏ほか2名である。

 本論文は、リーダーが成長する旅路を「出発」ー「航海」ー「帰還」のメタファーで示している。これらの中心に

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大学での担当科目とレゴシリアスプレイメソッドを使った支援の関係を整理してみた

大学での担当科目とレゴシリアスプレイメソッドを使った支援の関係を整理してみた

 2024年度が始まった。
 勤務先の大学ではいろいろな科目の担当をしている。以下、担当科目のすべてではないが、その中の特徴的な科目についてあげてみた。
これらの科目は2軸で分類できる。
 主に個人で取り組むのか、チームを組んで取り組むのかという軸と、課題が先にあるのか、課題の発見から考え始めるのかという軸である。

 この2軸で分類すると、担当している科目の内容が4つの象限のそれぞれカバーしてい

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『実践アクションリサーチ』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(3)第2章 アクションの中で知る p.32~

『実践アクションリサーチ』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(3)第2章 アクションの中で知る p.32~

 上記の『実践アクションリサーチ』の第2章は「アクションの中で知る」ことについて解説がなされている。

「アクションの中で知る」とは

 「アクションの中で知る」は、以下のようなプロセスの中で進む。
(1)外部から感し・内部での意識から経験する
(2)データを理解する(つながりが見えたとき洞察を得る)
(3)判断する(証拠の有無などから真偽を判断する)
(4)決定する(選択肢の中での優先順位、価値

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『実践アクションリサーチ』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(2)第1章 アクションリサーチ入門 p.2~

『実践アクションリサーチ』をレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの文脈で読む(2)第1章 アクションリサーチ入門 p.2~

 このNoteで扱う『実践アクションリサーチ』の第1章では、アクションリサーチの全体像が紹介されている。全体像を描くために主に次の4つのことが扱われている。これからの概観を見てから、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのとの関連について考えてみたい。
・アクションリサーチの特徴
・「〇人称研究」という切り口
・アクションリサーチ・サイクル
・アクションリサーチにおけるメタ学習

アクションリサーチの

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