レゴシリアスプレイメソッドでは思いをモデルにするにとどまらず、そこに出来事を起こし、様々な可能性を試すことができる。出来事のもつ影響力を表現するために「高さ」を利用することは有効だ。高低感覚は人間の空間感覚でも最も親しみ深いため、それを影響力と置き換えて思考や会話を進めやすい。
レゴ®シリアスプレイ®ワークショップでは「最悪の◯◯」という問いでレゴ作品を作ってもらうこともある。エクストリームな作品を想像そして創造することによりメタファーを効かせることが可能になる。そうやって誕生したものは言葉を作る。レゴブロックがあるからこそ心理的安全性のなかで話せる。
ある理論の内容を伝えることと、演習を通じてその理論を人々が現実問題に活用できるようにするのでは大きく異なる。特に後者では、参加者の思考の癖や知識量や経験も踏まえながら進めなければならない。特にレゴシリアスプレイメソッドは理論との組み合わせも柔軟にできるため応用時は要注意である。
レゴ®シリアスプレイ®メソッドの「出来事を起こす」は実際に発生する可能性のある出来事を全員で意識して、レゴブロックで表現された世界で起こしていく。出来事は世界のどのあたりに影響し、どのあたりに影響しないのだろうか。影響とはどのような形をしているのかなど、普段考えないことを考える。
流れる川の中に浮かぶ、位置を変えない舟を操る船頭の話が好きだ。時代の変化に合わせつつ変わらない自分を保つことのメタファーだ。舟(自分)以上に重心が、重心以上に重心を保つ対応原則が重要だ。レゴシリアスプレイでもアイデンティティで終わらず波を乗り切る対応原則を考えることを目指したい。
練習用のレゴブロックには花や葉っぱがあったりする。うまく活用することで自分自身の喜怒哀楽を表現することも可能。そして目や手や足といった身体を構成するパーツ、そして「光るもの」の存在は、物語の表出に欠かせません。それらを組み合わせることで誰かに自分を理解してもらえる作品が生まれる。
個人ー組織ー社会という枠組みは、スケールの違いを意識した構図であるが、その違いを横断して考えることはなかなか難しい。レゴシリアスプレイメソッドを使うと個人(の内面)ー個人の状況ー組織(の内部)ー組織の状況ー社会というスケールをシームレスに一枚のテーブルの上で表現でき思考できる。
問題が解決しないパターンの一つは、問題に関わる人たちの行動原理、価値観の違いにあるときがある。どちらかがそれを手放せば良いがそうで無い場合には、距離を置いたり何かを中間に挟むことが現実的だ。その様な思考がレゴシリアスプレイメソッドでは現れる。視覚的なメタファーで考えるのが人間だ。
レトリックやメタファーはレゴ®シリアスプレイ®にとっての大きな要素。誰もが慣用句や比喩、隠喩を使えるわけではないけれど、作品の説明を聴いているうちに「ああこの人はこういうことを言いたいのだろうな」と深読みしていける。そのためには心理的安全な場を作り出すことがもっとも重要です。
レゴシリアスプレイメソッドを活用した第3のイノベーションのワークショップの設計研究を進めている。その中でイノベーションアイデアを生み出すこともできるが、参加者が自社に対する顧客の視線や期待について十分な情報を持たない場合には参加者が「考え方を学ぶ」ことに重心を置く方が良さそうだ。
長期的に変わっていく変化と、突発的でいつ起こるかわからない変化がある。前者の変化は長期的方針や体制づくりで対応できる。後者については、判断基準で対応できる。いずれもその底には価値観がある。価値観を掘り起こし方針や判断との結びつきを考えるのにレゴシリアスプレイメソッドは役にたつ。
レゴシリアスプレイメソッドでモデルを作っていると、人々の抱く複雑な感情や概念もいくつかの部分から成っていることに気づかされる。レゴシリアスプレイは難しい概念をそのまま言葉として覚えるのではなく、いくつかの構成要素からなるシステムとして理解する技法を身につける良い機会でもある。
レゴシリアスプレイメソッドにおいて参加者・場所・時間が異なれば、それに合わせて問いを調整する。一番難しいのは自分の中の異なりである。ファシリテーターとして経験を積むと場の見え方が変わる。特に怖いのは慣れと思い込み予測である。それを避けるには自分にとっての挑戦要素を入れることだ。
システム世界の中で最も適切な行動は、自分が生き残るためのシステムを形成することになる。そのためには自分を取り巻く人々といかなる関係を築くかが重要となる。人々は個々に自らの行動基準を持っているのでそれを理解することが第一歩になる。レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドはその支援となる。