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情報は人が運んできてくれる。

※本記事は11ヶ月間下書きに眠っていた記事です


自分だけで探せる情報の数には限界がある。

新しい化粧品を探している方は化粧品の情報しか見ない。やや語弊があるが、つまりは私たちの元には、探している情報(=見たい情報)しか入ってこない。

赤色を意識しながら道を歩くと、赤いものが嫌でも目につくとか、そういうこと。

これをカラーバス効果というが、それについては今日は触れない。

どんな現象にも名前があるなぁ!



エコーチェンバー現象
というナゾの言葉がある。



狭い小部屋で音を出せば、部屋全体に音が反響して、何度も増幅された音を聴くことになる。

インターネットでも同様に、自分の意見という一面的な情報を発信すると、それに関連する情報、似た意見が集まってきて、結果的に最初の自分の意見がより強化されることがある。


これがEcho反響 Chamberせまい部屋現象である。



例えばBTSが好きだったとして、BTSダイスキ! という意見をネット上で主張したとしよう。

すると、同じようにBTSのファンから「私も!」とか「そう思ってた!」だとかの情報が集まってくる。集まったポジティブな情報を見て、自分のBTS愛がより増強される、みたいなそんな感じ。


この現象はポジティブなものだけでなく、ネガティブなものにも大きな影響を及ぼす。いじめの感情が増幅されてしまうのがその代表例である。



この現象に対して、私はポジティブでもネガティブでもない。まぁ、そういうこともあるよね、である。


思うのは、冒頭に書いた通り、自分だけで探せる情報の数には限界があるということである。


化粧品を探していたと思ったら、実はそれ以前にお肌の悩みを改善してくれるものが必要だと気付いた、とか、BTSがダイスキと思ってたら実はsnow manも嫌いじゃないことに気づくとか。

これらはすべて、情報にランダム性がなければ、自分だけで気づくことが難しい。



インターネット、SNSの素晴らしいところは、この情報のランダム性がシステムとして実装されている点だ。特にTikTokはすごい。自分の深層心理にあったはずの「これが好き」を突き止めてきやがる。


なんでも、TikTokは「あなたが6番目に欲しいもの」もすでに知っているとかいないとか。いやはや、現代はすごい。石田三成が現代にいたら、必要以上の情報を引っさげて、喜んで関ヶ原に挑むに違いない。





生命保険外交員として働いてきた私だが、社会人になった時から常に営業職である。お客様は自分の前に行列を作らない。自ら機会を作り出す必要がある。


2社目の企業に私がいたとき、まるでがんの特効薬を売っている気分だった(※詳細は過去の記事を参照されたし)。


が、世間的にはそんな特効薬があるなんて信じてもらえない。なので、お客様に対してその話をする機会、つまりは営業する機会を自ら作り出さなければならない。


電話帳を上から順番に名刺で隠して、電話した。問い合わせフォームから営業した。商材が生命保険に代わってからは、完全紹介でしか会えない男というブランディングをカッコつけてやって、誰かに保険の必要性を説いた。

が、物事はそんなに単純ではない。



断られるのだ。



会えるならまだいい。

会えもしない。電話で断られる。メールすら返ってこない。生命保険ならば、名刺を差し出しただけで嫌悪感を露わにされる。


私はずっと思ってた。



おかしいな。情報は人が運んできてくれるのに、この人たちは俺に会うという貴重な機会を、固定概念で逃しているなぁ。おかしいなぁ。

工夫が足りなかっただけの三流


厳密に言えば違うが、でもこれは、
エコーチェンバー現象に似ている。

どうやら、自分の興味のあるものにしか目を向けない人種がいるようだ。何もそれが悪いことだとは言わない。人間はそういうものだから。私もそうだ。


ただ、身の回りで、いわゆる成功している人たち、豊かな人たち、素晴らしい人に囲まれている方々を見ると、このエコチェンバー現象を意図的に解除しているという共通点がある。


狭い小部屋から脱出している、もしくは狭い小部屋に新たな音をどんどん取り入れているのだ。


それは営業現場で言えば、営業が来たらそれがどんなものであれ、とりあえず話を聞くということにほかならない。





えっへん、ある銀行の頭取と商談したことがある。26歳のとき、あの手この手でどうにかして頭取にたどり着いた私は「とにかく私の話を聞いて欲しいのです、ボケ」と電話ごしに力説した。


電話の向こうの頭取はなんと言ったか。


「ええ、是非に」



頭取と話して、「なぜ私に会ってくださったのですか?」とクソみたいな自尊心を高めるための質問をした。頭取はひと言、「情報は人が運んできてくれますから」とだけ教えてくれた。



自分だけで探せる情報の数には限界がある。


TikTokですら情報をランダムに届けてくれるのだ。機械、システムですらランダムに届けてくれるのだ。


誰かからの誘い、営業などを断ることに喜びを見出している方がいるとは言わないが「あ、思い当たるなぁ」という方がいるなら、まだ読んでほしい。


なぜ実際の生活で、ランダム性を発揮させないのだ。なぜ断るのだ。なぜ話を聞かないのだ。自分が考えもしない解決策を他人がもたらしてくれるかもしれないのに。



情報は人が運んできてくれる。



お若い方々が、自信を持って仕事に励めるよう、ワイは祈ってるし、ワイも頑張るで。


<あとがき>
ずっと下書きに眠っていたので加筆しました。全ての人の話を聞いていたらキリがないことも、この記事が意見の押し付けであることも承知の上です。みなさん、ぜひ営業マンの話を聞いてあげてください。最後までありがとうございました。

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