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座右の銘の由来を私は知らない。

座右の銘のひとつやふたつ、
誰にでもある、私はそう信じたい。

中学の頃の私といえば、国語便覧の奥の方、古事成語や四字熟語を調べるのが好きな少年だった。中学当時の座右の銘は「日進月歩」だから、「あぁ、なんてかわいいんだ」と思う。

自分の息子が「ねぇパパ、『日進月歩』って言葉がボクすきなんだぁ」と言ってきたら、涙をチョチョ切らして頭をワシャワシャしてあげたい。


で、気になった。

「そもそも『座右の銘』の由来って?」

31歳にして考えてみる。「座右の銘」の由来。こういうのはすぐに検索してはいけない。まずは考えたいんだ。なぜなら伊坂幸太郎の『魔王』という小説に、こんなセリフがあるから。

「お前たちのやっていることは
 検索で、思索ではない」

グハッ!グサッとくる!

この小説に出会ったのは大学の時だったが、今でも私の心の中にある。だから検索ではなく、思索してみようじゃないか。やってやるぜ。


座右
座って右か?右に何があるんだ?左じゃダメか?



「銘柄」とか言うよな。金へんに名…?はて?



わからん!

魔王さんごめんなさい。私の思索はここまでです。検索します。ごめんなさい。スマホがない時代にウォークマンを作ったソニーさんにも謝りたい。


検索すると答えはソッコーで出てきた。
文明すげー。
どうやら、こうらしい。 

座右

「皇帝などが」自分の右手側の席に「信頼できる補佐役」を座らせたことから出来た言葉です。

そこから転じて、「重要な。身のまわり。身近」という意味になりました。
引用 : 「オトナのコクゴ」
銘 

意味は「金石・器物などに事物の来歴や人の功績を記したもの」

なんだか、大切なものという雰囲気がしますよね。

昔、まだ「紙」が発明されていなかった時代、文字は金石・器物に刻んで残していたのです。

そこから、意味が転じて、「刻み込む。刻み込んだ言葉」という意味で「座右の銘」では使われています。
引用 : 「オトナのコクゴ」


そ、そういうことだったのか座右の銘。
さらに調べてみると、こんなことも書いてあった。


座右の銘の由来

[由来] 紀元後一~二世紀、後漢王朝の時代の中国の文人、崔瑗(さいえん)の文章のタイトル。

「他人の短所を指摘するな、自分の長所を自慢するな」

から始まる、原文では全体で二〇〇字の文章で、崔瑗は、これを実際に自分の座る場所の右側に書き記しておいて、いつも戒めとしていたそうです。
引用 : 「コトバンク」

なんてことだ。そうだったのか座右の銘。
もはや、これを座右の銘にしてもいいだろ。


他人の短所を指摘するな。
自分の長所を自慢するな。



世の中、この逆の人だらけだぞ?

就活の面接時に
「座右の銘はなんですか?」
と聞かれるらしい。

「はい、日進月歩です!私はこの言葉が中学から好きで〜」

こんなことを言う奴は落ちる。私なら落とす。浅い!なんかわかんないけど浅い!

「今回の候補者もイマイチでしたね。日進月歩が出てくるとは思いませんでしたよ」

こう言われること請け合いだ。

だから、もしも万が一、就活生がこれを読んでいたら、面接の時にはこう言ってほしい。差別化だ。差別化が大事だぞ。


「はい、私の座右の銘は『他人の短所を指摘するな、自分の長所を自慢するな』です!これはそもそもの『座右の銘』という言葉の由来にもなっている後漢王朝の文人が書いた古事成語にある言葉で〜」



受かる!受かるよ!!!
こういう就活生は受かるよ!!!
ソニーも三菱商事も受かる!太鼓判!!!



ちなみに、私の座右の銘は、

「お前たちのやっていることは
 検索で、思索ではない」

これ、現在の私の座右の銘の”ひとつ”です。
何個あってもいいらしいからね。


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