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日本国憲法を勉強す📚(#6)〜憲法102条、現行の前文〜

前回は、憲法97条、地方自治法の改正、緊急事態条項についてお話ししました。

今回は、憲法102条と「現行の日本国憲法 前文」を中心に語っていきます。

こちらの動画は、今年の3月3日に行われた、深田萌絵氏と秋山弁護士による【憲法改正反対の勉強会】になります。今回も、この動画の文字起こしを元に自分なりにまとめてみました。102条については1時間27分42秒から、前文については38分24秒からになります。

※ 【 日本国憲法を勉強す📚(#1)〜(#5) 】は、一番下にリンクを貼っておきます。


自民党案、憲法102条について

自民党案 憲法102条(憲法尊重擁護義務)

全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。

国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。

<解説>
本来なら、憲法は、政府、政治権力を有する者が、その公権力を乱用しないように、政府及び権力者の権力濫用を制限するためにある。それを逆にした。

『日本国憲法改正草案|自由民主党』『【特別公開】弁護士が語る、自民党憲法改正で日本が危ない!|深田萌絵TV 』より


自民党案の102条について説明します。

「全て国民はこの憲法を尊重しなければならない。国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。」と書かれています。

本来、憲法は国家権力を制限するためのもので、国民を縛るためのものではないはずです。しかし、この条文はあたかも「国民が守るべきだ」と言っているように見えます。これでは、政府の都合に合わせて利用されるものになってしまいます。

「憲法を守るのは政府の義務であり、国民の義務ではない」というのが本来の趣旨です。しかし、『憲法102条(憲法尊重擁護義務)』という見出しを見ると、まるで国民も同じ義務を負わなければならないかのように感じられます。「憲法の存在意義は、国家権力の乱用を防ぐため」にあります。つまり、私たち市民を縛るものではないのです。この条文を見ると、どうしても違和感を覚えます。

深田萌絵氏と秋山弁護士は、次のように語っています 👇

深田萌絵氏
「そもそも憲法を守るのは君たちなんだ」と言いたいです。「私たちじゃなくて君たちなんだ。国家公権力を持っている政府なんだよ」と。「それを擁護する義務を」とは、どういうことですか?「お前だよ、守るのは」と言いたいのです。憲法の存在意義は、国家公権力、特に内閣ですね、行政権を持つ内閣の暴走を止めるために存在するのであって、私たちの暴走を止めるためではないんです。なので、この(憲法尊重擁護義務)という風に言われると、なんかすごくカチンとくるんです。

秋山弁護士
「カチンとくる」この感覚を大事にしてほしいわけです。「これっておかしいんじゃないですか」と思ったら、別に怒る必要はないんですけど、淡々とでも、発言するとか表明するのがすごく大事なんですよ。

おかしいでしょ?説明を受ければ。おかしいことばかりじゃないですか、この改正案って。でも、それを押し付け憲法だからという理由だけで、「もうやっちゃえ」みたいな感じなんですよ。ちゃんと説明されて情報が与えられた上で選択できるなら、100歩譲って理解はできますが、それで国民が自分で選ぶなら自己責任といえば自己責任ですけど、もうなんか、むちゃくちゃですよね。

深田萌絵氏
説明がいつも嘘なんです。政府からの説明が常に嘘なんです。条文読んだら全然違うことが書いてあるわけなんです。なので皆さん、本当に、法改正とか新法制定でニュースでどんなにいいことを言っていても、必ず政府のウェブサイトで、その法律の条文1条1条を読んで欲しいです。たいした量はないです。

『【特別公開】弁護士が語る、自民党憲法改正で日本が危ない!|深田萌絵TV 』より


主役は私たち国民です。日本国憲法は、私たち国民を国家権力から守るためにあります。したがって、国が憲法を守らなければならないのです。しかし、自民党案では、私たち国民が憲法を守らなければならないとされています。私たちの権利を守るためにも、憲法改正はすべきではないです。


政治は難しくない! 投票に行こう!

前から感じていたのですが、テレビの政治や法律の番組はしばしば抽象的で、問題の核心を突いていないことが多いです。私は若いころから政治に興味を持ちたいと思っていましたが、理解が進まずモヤモヤしていました。メディアは国民の疑問をある程度解決する役割を果たすべきですが、現実はそうではないです。だからこそ、関心が薄れて政治から遠ざかる人も多いと感じます。

しかし、今はインターネットがあり、YouTubeなどで学ぶ手段も増えています。

国民が政治から遠ざかると、権力者に都合の良い法律が制定されやすくなります。

選挙の投票率が60%未満で推移していると聞きます。40%以上の選挙にいかない人たちが少しでも関心を持ってくれて投票してくれれば、かなり変わると思うのです。

多くの有権者は過去の習慣に従って、「よくわからないから自民党で」とか「有名な◯◯さんに」と投票する傾向がありますが、この流れを変えるためには、選挙に行かない40%の人々にも関心を持ってもらうことが重要です。

そうなるために、私も情報発信を続けていくつもりです。

「政治は難しくないんだよ」「簡単なんだよ」「面白いんだよ」と思ってもらえるように、私なりに工夫していきたいと思っています。 


現行の日本国憲法 前文が素晴らしい

現行の日本国憲法の前文がとても美しいのです。しっかりと噛みしめて読むことで感動を呼び起こします。その前文を8つに分けて解説していきます。

現行  日本国憲法 前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

『日本国憲法(昭和21年憲法)』より


1.主権は国民にあると宣言している

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」
 
 ⇩
この文章は、日本の国民は選挙で選ばれた代表者を通じて行動し、私たちと未来の子どもたちのために他の国々と協力しながら、全国に広がる自由の恩恵を守り、再び戦争が起こらないようにすることを約束しているのです。つまり、日本国憲法は、主権(国を治める力)は国民にあると宣言し、この憲法を制定しました。この憲法のもとで、国民が自由に生きることが非常に大事だとされています。自由があることで、個人が自分らしく生きることができ、国全体が平和になるのです。


2.国民が一番大事と言っている

「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」
  

政府の運営は、国民の信頼によって成り立っています。そして、その権威は国民から来ていて、国の力は国民が選んだ代表者が使います。その結果として得られる利益や幸福は、国民が受け取ります。言い方を変えれば、日本では国民が一番大事で、国のことを決める力も国民が持っています。そのために選ばれた代表者が働くということです。


3.人類普遍の原理を謳っている

「これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」
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この日本国憲法は、人類普遍の原理に基づいていると言っています。そして、「これに反するすべての憲法や法律、命令を排除する」と言っているのです。つまり、「人類普遍の原理」「個人の尊厳」無視するような法律や命令は、この憲法に反することになります。「この憲法が他の憲法を排除する」と言うことなので、それだけ「人類普遍の原理」をしっかりと謳っているのです。


4.永遠に続く平和を強く望んでいる

「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」
  

この文章は、日本の国民が永遠に続く平和を強く望んでいることを表しています。そして、人と人との関係を良くする高い理想をしっかりと意識しています。この日本国憲法は、永遠に続く世界の平和を願う憲法であり、これは世界でも非常に特別なものです。このように上品で優雅な憲法は他にはありません。


5.私たちの国が率先して世界平和をリードしていくことが宣言されている

「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」
  

私たちは、平和を守り、独裁や強制、抑圧や偏見を地球上から永遠に無くそうと努力している世界の中で、尊敬される立場になりたいと思っているのです。つまり、平和を大切にし、悪いこと(独裁、強制、抑圧、偏見)を無くそうとしている中で、私たちの国が率先して世界平和をリードしていくことが宣言されているのです。


6.全世界の国民が平和に暮らす権利があると言っている

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
  

全ての世界中の人々が皆、恐怖や貧困から解放されて、平和に暮らす権利があることを再確認しています。一国の憲法が全世界の人々のことまで謳っているのは非常に珍しく、日本国憲法だけだと思います。これは素晴らしいことです。

   

7.他の国のことも大切にしなければならないと述べている

「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。」
  ⇩
どの国も自分の国のことだけに集中して他の国を無視してはいけないと言っています。政治における道徳的なルールは、いつの時代でも全ての国に共通するものであり、これに従うことは、自分の国の主権を守り、他の国と平等な関係を保つための責任であると信じています。つまり、日本国憲法は、自分の国のことだけを考えるのではなく、他の国のことも大切にしなければならないと述べています。ほとんどの国は自分の国の利益を優先しますが、日本国憲法はそうではありません。他の国々も含めて平等で道徳的な関係を築くことを理想としています。


8.国の誇りをかけて立派な理想を実現することを約束している

「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」
  ⇩
つまり、日本の人々は、国の誇りをかけて、みんなで協力し、この立派な目標や理想を実現することを約束しているのです。


つづく・・

今回はここまでです。

自民党案の102条はやばいですね😱 これを読むだけでも、憲法改正は絶対に反対です。

(#5)でもお伝えした、「地方自治法」の改正が成立してしまいました。政府は独裁への道を歩み始めています。私が最も危惧していることは、独裁政権下での「レプリコンワクチン強制接種」です。これは命に係わる問題ですので、何としても避けたいのです。そうならないためにも、皆さんが少しでも政治に興味を持ってくれればと思います。私自身、特に政治に詳しいわけではありませんが、こうして勉強していくうちに面白いことが分かってきます。お祭り気分で選挙投票に行くのも良いのではないでしょうか。

      *   

現行の日本国憲法の前文を、一つ一つ噛み砕いてその意味を理解しようとしました。内容が理解できると、本当に素晴らしいものであることが分かります。こんな素晴らしいものを改正しては絶対にいけません。世界に誇れるこの憲法の存在を守っていきたいと思います。

      *

今回までの内容は、深田萌絵氏と秋山弁護士による【憲法改正反対の勉強会】の『YouTube:【特別公開】弁護士が語る、自民党憲法改正で日本が危ない!|深田萌絵TV』を元に勉強させていただきました。とても分かりやすく、多くのことを学べました。深田萌絵氏と秋山弁護士には、心から感謝しています。ありがとうございました。

このシリーズはまだまだ続きます!


【 日本国憲法を勉強す📚(#1)〜(#5) 】はこちら👇


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