向井謙蔵郎

専業で25年、フリーの家庭教師をしております。 小学生から浪人 全科目対応 受験、…

向井謙蔵郎

専業で25年、フリーの家庭教師をしております。 小学生から浪人 全科目対応 受験、落ちこぼれ、不勉強、多浪 医学部進学を見据えた学習指導 不登校及び学習障害の指導経験多し 家庭不和も応相談 https://m.facebook.com/kateikyoushimukai/

最近の記事

ハルキスト濱口竜介の饒舌と共時性 〜『偶然と想像』〜

 遅ればせながら観てまいりました。見終えたタイミングでちょうど「ドライブマイカー」もリバイバル上映されてたので、日を開けてから見返しに行ってまいりました。  何と言いますか、濱口くんの若さにも困ったもんです。素晴らしい才能ですね。  本作も、自作脚本を滔々と演技者達に読ませる技術は見事の一言。ほぼ脚本完成で出来上がってる作品を、そこからまた役者達に演技をつけるところで更に完成度が上がる。脚本は当て書きなのか、演者の特性を捉えることが上手いのか、どの役者達も見事にハマる。この作

    • 『ワクチンと若者』

       コロナが落ち着いて、あまり皆さんがギスギスしてないこの時期だから、一言書いておこうと思います。  ちょうど医療関係者にワクチンが行き渡り始めた4月の終わりごろ、一人の元教え子から切迫した口調で、 「先生、ワクチン打たんどいてね」 と言われました。  打つべきでないとする理由も聞きました。流言飛語の範疇を越えないものでしたが、一言引っ掛かった言葉があります。私が多少反論したことに対して、 「じゃあ、10年後はどうなるか保証できる?」  この言葉です。返す言葉が見つかりま

      • 『映画的な映画 ドライブ・マイ・カー』

        (ネタバレなしです)  大きな賞を獲ったって、私ぐらいのレベルになるとそんなことで作品の評価には影響はされんよ!  なんて、当たり前のようにアジア映画が主要映画賞を獲るようになってしまうとついついそんな意気込みで見てしまう。だが、エンドロールに暗転した瞬間、止めどもない涙が溢れて仕方がなかった。  素晴らしい作品、傑作だ!  長尺ものの日本映画に多いのは、連続ドラマタイプで、決して面白くないわけではないがスクリーンで観るべきものか?って作品。それこそサブスク用にでもすれば

        • 『戦場のメリークリスマス』

          久々のnoteは映画について書きました。リバイバル上映されたこの機会に長年の想いを書き綴ってみました。 >>>>>  今回のリバイバル上映で新たに書かれた多くのレビューを読むことができた。大方シネフィルの皆さんの評判も良く、世代を超えて受け容れられる傑作であると再確認できて嬉しい。  ただ、若い人達のレビューにはBL映画としての受け止め方が非常に多く、少し面食らうところもある。しかもベタなBLのような評価もあるから、こうした映画がオーソドックスなBLなのか、と逆に教えられ

        ハルキスト濱口竜介の饒舌と共時性 〜『偶然と想像』〜

          進学校のジェンダー意識

          「ラサールが共学なんてなるはずないよ」 男子校である鹿児島ラサール高校に通う教え子達が言った言葉です。 会話の内容をざっとかいつまんで書いてみると、  今の世の中、急速にジェンダー意識の変化が進んでるし、この先男子校出身はそれだけでディスアドバンテージになるかもしれんよ  何でですか?  自分も男子校出身だからよく分かるけど、卒業直後は自分と女性の違うところばかりが目に付いて異性を必要以上に意識してしまう。要するに女性の異化が激しいんだよ  でも、社会的には性は同化傾

          進学校のジェンダー意識

          『利便性向上が広げる教育格差』

           3月12日付、西日本新聞の記事です。九州新幹線開通10年を記念した特集記事です。見出しにあるように、九州新幹線の恩恵を被る人を引き合いに出して新幹線がいかに地域社会への貢献をしてきたかが綴られています。 上のリンクは有料記事なので全文が読めないので少し抜粋して引用させて貰います。(引用文中の「付設中」は「附設中」の間違い) 付設中には女子寮がなく、下宿も認められていない。両親は共働きで転居も難しく、新幹線通学を勧めてくれた。定期代は月約10万円、通学にはバスを含め往復約

          『利便性向上が広げる教育格差』

          『素直に喜べない受験の心理』

           福岡堅樹選手の順天堂大医学部合格が報告されました。順天堂大医学部と言えば国公立大学を含めた 医学部の中では最難関の部類です。本当に凄いことです。ラグビーをしながら受験にも取り組み結果を出す。ある意味で偉業とも言えそうな事ですし、本人の知名度もあって大々的に報じられました。それだけ多くの人の耳に届くニュースになりました。  「マジに福岡堅樹はないわぁ〜」  受験生の一人が私に言ってきました。私自身の経験からすぐにピンと来ました。やはり、家庭内の会話で福岡選手と比べられるよ

          『素直に喜べない受験の心理』

          『すばらしき世界を垣間見る---映画すばらしき世界について』

          日頃は映画にヒントを得た教育論も書きますが、今日は少し教育から離れてみたいと思います。 現在公開中の映画「すばらしき世界」。もうご覧になった方もいらっしゃるでしょう。この映画の監督は西川美和さん。私は彼女の映画がとても好きです。その愛が溢れてしまい思わずラブレターのような映画評を書いてしまいました。ネタバレは無いので宜しければ映画のご覧の前、またはご覧の後に! >>>>>>>> 「すばらしき世界」を観る前からどうしても頭の中にこびりついた思いが拭いされなかった。かの今村昌

          『すばらしき世界を垣間見る---映画すばらしき世界について』

          『医学部受験の病床逼迫」

           私立医学部の一般前期試験がほぼ一段落つきました。連なる受験、一次合格から二次試験受験。または合格発表済みの補欠合格待ちなど、受験生を抱えておられるご家庭ではストレスフルな毎日を過ごしていらっしゃることと思います。場合によっては生き地獄のような時間かもしれません。お察し申し上げます。  ご存じの通り未曾有の医学部人気です。ここ数年で頭打ちしたと言われながらも高止まりしてます。入学定員がおよそ9000人のところのべ志願者は軽く10万人を超えています。志願者数はおよそ15年前の2

          『医学部受験の病床逼迫」

          『繋がりたい子供たち』

          Zenlyってアプリを知っていますか?  中学生や高校生と年がら年中顔を付き合わせていると、彼ら彼女らの文化圏にも触れるわけで、驚かされることもしばしば。今、高校生の間で流行ってるのはこのZenlyという位置情報アプリ。このアプリを共有しておくと、共有した者同士が互いにどこに居るかが分かる代物です。(厳密に言うと東京あたりじゃもう1、2年前に流行ってたらしいです)  カップルでお互いの居場所を把握しておきたいって気持ちや女子高生同士の友情の証みたいな使い方で、LINE交換と

          『繋がりたい子供たち』

          『寝る子は育つ』

           私は小学生の教育相談をする時に必ず睡眠の話をさせて貰います。さてさて、「子供と睡眠」。成績と関係があるかもしれませんよ。しかし、成績は後回し。これだけは真っ先に言っとかないと!と思えることがあります。 不登校になってしまう子供には圧倒的に夜更かししてきた子供が多いです。  そりゃ遅寝してたら不登校になるだろう、って現在の習慣の話ではありません。幼児期から就寝時間が遅い子供たちのことです。    不登校と言わず、不登校に行き着くような問題を抱えてる子供は小学校に上がる

          『寝る子は育つ』

          『クリスマスと中二病』

           クリスマスの時期に何の気無しに、 「サンタクロースっていつまで信じてた?」 って子供たちに聞くと、意外な反応が返ってくることがあります。  意外と言うのは、小学5、6年生でもサンタクロースの存在を信じてると言うのです。反応の仕方は様々で皆が皆完全に信じきってるわけではないですが、「親がプレゼントを用意してくれてる」と断言すると異常なくらいに幻滅する子がいます。  これを読んでる人の中には、「何も子供の夢を壊すこともないだろ!」と怒りを覚える人もいるでしょう。ですが、ご自身の

          『クリスマスと中二病』

          『国語が弱い』

           難関私立中学受験の合格要件と言えば、国語と算数の力。あって当たり前と言いましょうか、この二科目でつまづくようであれば合格はままならない。そのレベルの子の「国語がちょっと苦手」、「算数がちょっと苦手」という言葉は謙遜にしか聞こえないですし、それは程度の問題であって高いレベルに対応する力への自分自身が感じてる物足りなさを表す言葉です。    今日はこうした話ではなく、もっと一般的な国語の勉強についてのお話をしましょう。    私個人の話をすれば、中学高校を通して国語が一番得

          『国語が弱い』

          『親という人間』

          「モンスターペアレント」、これは教員達が教育現場に理不尽なクレームをつけてくる親に対して使い始めた言葉です。転じて最近は常識外れな親に対して使われるようになってきました。様々な常識外れな親の行状がマスコミなどで紹介されてます。これらは多少興味本位に取り沙汰されてるようですし、個人的には不寛容で世知辛い高齢社会が、子を持つ親に厳しすぎる目を向けてるような気がします。  私のような個人のサービス業の立場からすると、仕事上で投げ掛けられる言葉に理不尽なクレームという発想はわきませ

          『親という人間』

          『見直しができない子供』

          「見直しの仕方が分からない?」 子供がこういうことを言うケースは間々あります。 ケアレスミスを起こしてしまう子供を咎めて注意したら、この手の言葉で応戦してきたりします。 誤答した計算問題の検算をさせてたら、いつまで経っても答が直らない子供がいます たいがいの場合、自分のやった計算を思い込んでしまい同じ間違いを繰り返すことになりますが、それを含めてどこに問題があるかというと、答から問題へ遡ることが出来ずに常に問題を最初からやり直すのです。最初からやり直すから思い込みが解消で

          『見直しができない子供』

          『思考の飽和』

          「塾にもう3年ほどやってるのに成績は上がるどころか、最近はむしろ下降気味だ」 「小学校1年生から塾にやってるのに成績はこの程度しかない」 私はこんな述懐をうかがうことがあります。そして、実際に子供を見てみると、言われる通り塾の進度にはほとんどついて行けてない。それではと、基本に立ち返り一から出直そうということになります。どこから分かってないか、逆行して知識があやふやになり始めた点を探す作業に入ります。多少、塾の進度に遅れることになっても立ち返ってゆっくり基礎を学び直します。

          『思考の飽和』