『寝る子は育つ』
私は小学生の教育相談をする時に必ず睡眠の話をさせて貰います。さてさて、「子供と睡眠」。成績と関係があるかもしれませんよ。しかし、成績は後回し。これだけは真っ先に言っとかないと!と思えることがあります。
不登校になってしまう子供には圧倒的に夜更かししてきた子供が多いです。
そりゃ遅寝してたら不登校になるだろう、って現在の習慣の話ではありません。幼児期から就寝時間が遅い子供たちのことです。
不登校と言わず、不登校に行き着くような問題を抱えてる子供は小学校に上がる前から遅寝する子供が多いです。小学校に上がっても低学年で10時11時くらいまで起きていたり、中には12時くらいまで起きてた子供もいます。
10時なんて普通でしょ?、って思われるかもしれませんが、恐らく一般的には10時には夢を見てる子供が多いです。ただ、大人のライフスタイルが深夜にシフトしているのは確かなことで、10時という時間帯に遅いという感覚が生じないご家庭も多いと思います。ですから、敢えてここに書き記してます。
不登校になってしまう子供には思考が自己完結しやすい大きな特徴があります。共感性に乏しく情動性が極端だったりして、あまり落ち着いて物事が考えられません。
大人にも子供にも就寝は安らぎを与えてくれます。これが何を意味するかと言うと、心の平静を就寝時に整えるということです。覚醒時に様々な刺激によって興奮した脳を休ませるのです。
特に子供は世の中に出てきてまだ間がありません。1日起きていて、見て聞いて感じて、ひっきりなしにその情報を脳が咀嚼しています。使った分きちんと休ませてあげないといけないのです。そして、寝ている間に脳がリセットされることで脳が機能回復し、心の平静が保たれます。
その反面、睡眠が足りないと、言わずもがな興奮状態が持続してやはり脳が疲れてしまいます。
専門的な研究家ではないので、ごくごく簡単に説明するとこういうことです。
"過労する脳"
情動性が極端、要するに感情の起伏が激しく感情と行動が直結する子供は敏感なのです。身の回りのちょっとした変化に敏感で、ついついそれに反応してしまうのです。これも宵っ張りで長く覚醒しているうちについつい働き過ぎる脳を作り上げるのです。思考をつかさどる脳も疲れていては思考は先に進みません。するとやはり自己完結しやすく、短絡的結論が頭の中に点在すると言うことです。
もうお分かりかもしれませんが、勉強に関しても睡眠はとても重要な役割がありますよね。思考力や集中力を高めてくれる、ということです。
小学校低学年から塾に通わせていらっしゃるご家庭も多いと思います。宿題が終わらず寝る時間が後に後に回ってしまうことはあるかもしれません。しかし、寝る間を惜しんでする勉強は中学受験間際までは待って欲しいです。勉強すればするほど成績が良くなるという理屈は極めて合理的です。これは諸条件を排除した大人の論理です。
勉強時間と寝る時間を天秤にかけたら、寝る時間が重い、と私は考えます。
「うちの子供は寝てばかりで成績も上がらない」、
とボヤキが聞こえてきそうですが、大丈夫、ちゃんとその分、脳が成長してます。やるべき時にやれば、いや、やるべき時にやる常識的な判断力が育ってます。
「もう勉強し過ぎないで早く寝なさい!」、
って言ってみたいなんて思ってる人もいらっしゃるでしょうが、本当にそんな子は稀なんですよ。
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