![マガジンのカバー画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/14076066/a884fa2c9238df17aaab9188e04d49f5.jpg?width=800)
頭の中でたまーに構成する言葉とコトバ。
その組み合わせは、案外おもしろいとボクは思う。誰に向けるでもなく、自分の中にあるスクラップをつなげてリユース。エッセイや小さな物語を綴りま…
- 運営しているクリエイター
2020年7月の記事一覧
[ちょっとした物語] 軒先の雨宿り
今日はいやな雨の降り方をする。
強く降ったり、弱く降ったり。なんだか動きづらい。蒸し暑く、もう服を着ていることすら鬱陶しくなる。
駅を出ると、雲の切れ目から太陽が顔を覗かせていた。これは幸運だ。今のうちにと濡れた路面を駆ける。
しかし、ふと思った。
「何をそんなに急ぐ必要があるのだろう」
僕らは時に、いつもどおりのことができないと少し焦ってしまう。今もそうだ。雨が少しの間止みそうだから
[ちょっとした物語]溺れる魚は七夕を想う
夜の街、僕はひとりで路地を歩いた。
家路を急ぐ道すがら、並ぶ住宅の塀に添えられた笹の葉を見た。
掛けられた短冊が、今日が七夕であることを教えてくれた。
願い事を最後のしたのはいつだろう。
急いで抜けた終電間際の改札。
今日が七夕なんて頭の片隅にもなかった。
今の僕は、天の川を渡ろうとする彦星か。
なんて、主役気取りか。
そんなバカな考えに辟易した。
待ってる人のいない対岸に