【為替介入の波及経路🌟】不胎化介入におけるポートフォリオ・バランス効果とシグナル効果の直感的説明:日経新聞解説🌈2023/10/30
日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖
長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!
円、急変動はらむ週に 日銀決定会合や介入実績発表、一段の円安誘発も
記事に対するコメント📝
今回の記事では、為替介入政策について言及があったためピックアップしてみることにしました
引用文で述べられていますが介入を指揮する神田真人財務官は介入について「言わないのが普通だ。得なことはひとつもない」とし、介入の有無をまだ明らかにしない姿勢です
なぜ、日本の通貨当局は「覆面介入」をするのでしょうか?
また、実際の為替レートの動向から「介入」が実施されたのか、どうかが推察されます
そして、後日財務省のサイトより実際の介入データは公開され、私たちも閲覧することができます
為替介入の効果の理論的検討🔥
今回の記事では、学術的補足として「為替介入の効果の理論的検討」についてアウトプットしたいと思います💖
谷内(2008)によれば、以下のように要約することができます
為替介入の結果ベースマネー(したがって
マネーサプライ)が増減する非不胎化介入は、 為替レートに影響を与え、外貨買い介入は自国通貨安にする効果を持ち、外貨売り介入は自国通貨高にする効果を持ちます
この効果は、 為替介入の効果と言うより
マネーサプライ変化つまり金融政策の効果であるともいえるでしょう📝
本来、金融政策の変更(金利、マネーサプライなど)を伴わない不胎化介入が、 為替レートに影響を及ぼしうるかについては、理論的には2つの経路が考えられます
それは、①ポートフォリオ・バランス効果
②シグナル効果です
ポートフリオ・バランス効果
為替介入によって民間部門のポー トフォリオにおける国内資産と外貨資産の構成比が変化することになりますが、国内資産と外貨資産が完全代替的でない場合には、民間部門は最適なポートフォリオ構成を回復しようとします📝
通貨当局が外貨買いの介入を実施した場合には以下のようなプロセスをたどります
民間部門は最適なポートフォリオを再構築しようとして、国内資産を売り、外貨資産を購入しようとします
その結果、外国為替市場の取引を通じて外貨高・自国通貨安となります
しかし、不胎化介入では理論上金融政策は変更はありませんので、期待為替レート(市場における将来時点の為替レートの予想)は変化しないことになります
したがって、外貨高になると、これから先の外貨の増価率(=期待為替レート-現在の為替レート)が小さくなり、その分外貨資産の期待収益率(=外国金利+外貨の増価率)が 小さくなるのです
なお、不胎化介入なので金融政策は不変ですから、国内金利は変化ないと想定されるので
金利裁定の関係から国内資産のリスクプレミアムは上昇することになるのです
このプロセスを通じて、 外貨買い介入は
外貨を増価させる効果を持つと考えられます
これが、不胎化介入におけるポートフォリオ・バランス効果による為替レートへの影響と考えられてます
なお、国内資産と外貨資産が完全代替的である場合には、ポートフォリオ・バランス効果は相殺されることになります
したがって、不胎化介入が為替レートに与える影響は何もなくなるはずであるのです💦
シグナル効果
不胎化の為替介入が為替レートに影響しうる
第2の経路は、将来の金融政策に関するシグナル効果です
今回の日経新聞記事でも、シグナル効果に関連する議論があったのではないでしょうか?🤔
これは、為替介入が将来の金融政策の変更を示唆するシグナルとして、市場が受け取るならば、為替レートが変化するというものです📝
例えば、金融当局が外貨売り介入(円買い介入)を実施することによって
今後金融政策(YCCなどの撤廃)を変更して
金利を上げるというシグナルを市場に送るケースが考えられます
この場合、為替介入が不胎化されて現在の金融政策に変更はなく、したがって現在の金利は
不変でも、将来の金利上昇予想、将来のインフレ低下(≒デフレ)予想から、市場の期待為替レートが自国通貨高になると想起されます
そして、このようなメカニズムは
カバーなしの金利裁定の関係から、市場は将来の為替レートが自国通貨高になると予測し
期待為替レートの自国通貨高は、内外の金利が一定ならば、現在の為替レートの自国通貨高を引き起こすことになるからです
また、カバーなしの金利裁定が成立せず、リスクプレミアムがある場合でも、リスクプレミアムが一定なら同じことが起こり得ます📝
なお、シグナル効果は、前述したポートフォリオ・バランス効果と異なり、国内資産と外貨資産の完全代替性の有無にかかわらず生じうる点に留意する必要があることを覚えておいてくださいね
ただし、このシグナル効果には
以下のような疑念が残ります
そもそも金融当局は、なぜ為替介入を通じて、金融政策の変更のシグナルを市場に送るのかという点についてです
通常、為替介入を行ったかどうかは、介入時には公表されないので、 なぜそのようなわかりにくい方法で金融当局はシグナルを送る必要があるのでしょうか??
本当に金融政策の変更を市場に伝えたいのならば、記者発表その他を通じて行うほうがより
直接的で有効ではないかと考えるのが自然だとも言えるのです
以上で見た理論的に考えられる介入効果の経路は、現在の日本における為替介入および金融政策運営の制度的仕組みのもとでは、どの程度重要なのでしょうか??
この点を明らかにしておくことは為替介入政策を理解するうえで非常に大切なように思います
前回ご紹介した記事💖
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あくまで、私の見解や思ったことを
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その点に関しまして、ご了承ください🙏
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