記事一覧

3 九郎に恋した私です〈Ⅲ〉

<Ⅲ>九郎とのお別れが 8月11日(火)  朝、いつものように九郎の弁当作り。ケチャップとイチゴジャムをコッペパンに挟み、ラップに包んでいそいそと出勤。  いつもは…

けこ
1年前

3 九郎に恋した私です〈Ⅱ〉-(2)

〈Ⅱ〉あのね、九郎は、ね (2) 8 月 6 日(木)  台風9号が通り過ぎ、降った雨が飼育舎のテントの屋根にたまりました。その雨を突っついて取り除くため、2mほどに短くな…

けこ
1年前

3 九郎に恋した私です〈Ⅱ〉-(1)

〈Ⅱ〉あのね、九郎は、ね (1)   カラスもペリカン?  食べたものは、食道から胃へ素通りするものだと思っていました。  ところが違っているようです。そう、食べ始…

けこ
1年前
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3 九郎に恋した私です〈Ⅰ〉(カラス)

 この夏、1992年、何の前触れもなく、一羽のカラスがK小学校にやってきた。性別不詳ながら、愛を込めて「九郎」と名付けた。 しかし、九郎との出会いからわずか1か月半で…

けこ
1年前
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2「おさないウサギのトイレ」考

  1988年(昭和63年)6月。T小学校にウサギが数匹(正式には数羽)いた。餌は、米ぬかやトウモロコシ の入った鶏の飼料。  飼育小屋の床はコンクリートで、その上に蓋の…

けこ
1年前
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1 テントウムシ変身!

  1986(昭和61)年5月12日(月)午後5時、私はその日も接写リングの入った袋と古くて重いカメラを持って、 T小学校の校門を出た。山あいにある学校周辺は田と畑と小川、…

けこ
1年前
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「九郎に恋した私です」はじめに

「コイツは1週間前にもいた。今日見つけ、シメタ!っと、おそるおそる写真を撮る。よく見ると、前の時よりしなびている。何のことはない、死んでいるのだ。」       …

けこ
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ブログ開設

Y君の技術を頼りにブログを開設しました。 さしあたっては大まかなプロットを設計します。 そして、プロフィールを入れ、自分を紹介します。 大まかなプロット 「九郎に…

けこ
1年前
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3 九郎に恋した私です〈Ⅲ〉

<Ⅲ>九郎とのお別れが

8月11日(火)

 朝、いつものように九郎の弁当作り。ケチャップとイチゴジャムをコッペパンに挟み、ラップに包んでいそいそと出勤。
 いつもは私を見つけてすぐ飛んでくる彼が来ません。9時を過ぎてもやってきません。こんなことはないことです。決して、朝、やってこないことなどなかったことです。・・・だけど、来ません。

 9時半ごろだったでしょうか。清掃日誌を書いている当番の子

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3 九郎に恋した私です〈Ⅱ〉-(2)

3 九郎に恋した私です〈Ⅱ〉-(2)

〈Ⅱ〉あのね、九郎は、ね (2)

8 月 6 日(木)

 台風9号が通り過ぎ、降った雨が飼育舎のテントの屋根にたまりました。その雨を突っついて取り除くため、2mほどに短くなった古い旗竿をもって飼育舎へ向かいました。
 出かけるとき、九郎の声はするけれども姿は見えません。帰ったときにも声はするのに姿は見えません。
 声がした辺りで、私は旗竿を近くの木に立てかけ、ポケットからビスケットを出します。

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3 九郎に恋した私です〈Ⅱ〉-(1)

3 九郎に恋した私です〈Ⅱ〉-(1)

〈Ⅱ〉あのね、九郎は、ね (1)

 

カラスもペリカン?

 食べたものは、食道から胃へ素通りするものだと思っていました。
 ところが違っているようです。そう、食べ始めのうちはその通りです。しかし、おなかが十分になると、あとは食べている風をして食べていません。のどの奥にため込んでいるのです。のどに十分たまると、その場から自分の好きな場所へと飛びます。そして、のどの奥のものを吐き出し、ストックし

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3 九郎に恋した私です〈Ⅰ〉(カラス)

3 九郎に恋した私です〈Ⅰ〉(カラス)

 この夏、1992年、何の前触れもなく、一羽のカラスがK小学校にやってきた。性別不詳ながら、愛を込めて「九郎」と名付けた。 しかし、九郎との出会いからわずか1か月半で、彼との永久の別れが訪れた。 なぜ?どのようになって? この疑問は永遠に溶けることはない。彼の残した愛くるしく鮮烈な思い出も、また、消えることはない。私とK校の教師たちと子どもたちの中で。 

〈Ⅰ〉 九郎と出会ったのは、ね

 九郎

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2「おさないウサギのトイレ」考

2「おさないウサギのトイレ」考

  1988年(昭和63年)6月。T小学校にウサギが数匹(正式には数羽)いた。餌は、米ぬかやトウモロコシ の入った鶏の飼料。  飼育小屋の床はコンクリートで、その上に蓋のない木製のリンゴ箱を横向きに置き、 中に藁を入れて 巣作りができるようにしていた。その中で何回か子ウサギが生まれた。    これは、その一場面の話である

 生まれたばかりの子ウサギは、まだ目も開かず産毛さえ生えていないのに、巣箱

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1 テントウムシ変身!

1 テントウムシ変身!

  1986(昭和61)年5月12日(月)午後5時、私はその日も接写リングの入った袋と古くて重いカメラを持って、 T小学校の校門を出た。山あいにある学校周辺は田と畑と小川、自然の中で生息し生活する植物や小動物が いっぱい。  夕暮れが近づいていたので、Ⅰ山の裾野まで車で出かけた。 辺りの草むらでは、アメリカフウロ、カラス ノエンドウ、コマツヨイグサ、タネツケバナ、タガラシなどの花それぞれが彩を添

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「九郎に恋した私です」はじめに

「九郎に恋した私です」はじめに

「コイツは1週間前にもいた。今日見つけ、シメタ!っと、おそるおそる写真を撮る。よく見ると、前の時よりしなびている。何のことはない、死んでいるのだ。」  
      ’86(S.61)年5月12日(月)付けの1枚の写真の裏書メモより
 
 そのころ、T 小学校に勤めていた私は、学校周辺の季節の移り変わりを写真に残そうとし始めていました。児童の学習の素材集めも兼ねてのことでした。
 そう、それはこの

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ブログ開設

ブログ開設

Y君の技術を頼りにブログを開設しました。
さしあたっては大まかなプロットを設計します。
そして、プロフィールを入れ、自分を紹介します。

大まかなプロット

「九郎に恋した私です」

「英語ジャーナル Vol.1 The Cycle of Searson in My Garden」

「英語ジャーナル Vol.2    Weather in Japan   Incidents & Disaster

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