静間 佳佑

オーケストラの指揮者が高齢者介護に挑戦中! 音楽家が見た福祉の世界を、素直に等身大の…

静間 佳佑

オーケストラの指揮者が高齢者介護に挑戦中! 音楽家が見た福祉の世界を、素直に等身大の自分の感覚で書き残します。 指揮者/音楽家未来想像Lab主宰/株式会社セレーノ・ミュージックエンタープライズ代表取締役/NPO KOBE CHATS理事/はっぴーの家ろっけん介護士。

最近の記事

息をするように奏でられる人になりたい。

今日の朝、パーキンソン病を持つNさんというおじいちゃんのお風呂のお手伝いをしていた時のお話です。 以前は、世界中を旅して写真を撮っていた写真家さんですが、病気が進行してきたことで、身体が少しずつ不自由になり、お一人で生活するのが難しくなってきたということで、今ははっぴーの家で暮らされている方。 僕がお風呂のお手伝い担当の時は、Bluetoothスピーカーを持ち込んで、いろんな音楽を聴きながら、楽しい芸術談義をさせてもらっています。笑 今日は、ジャニス•ジョプリンやマイケ

    • はっぴーな暮らしを問い続ける

      こんにちは。音楽の世界から、高齢者介護に挑戦中の静間です。 今、僕が経験を積ませていただいているサービス付き高齢者住宅、はっぴーの家に掲げられている一つのテーマが、「はっぴーな暮らしを問い続ける」ということなのですが、これは、そのまま僕自身の人生の大きなテーマでもあります。 頭で先に考えてしまう癖のある僕にとって、はっぴーであると感じる自分自身の感情にはなかなか気づきにくかったり。 ハッピーである状態の定義って、人それぞれだったり、いやいや実は「こんなハッピーのあり方も

      • 最期まで残る言葉

        こんばんは。音楽の世界から高齢者介護に挑戦中の静間です。 4ヶ月現場にいますが、まだ自分がプロの介護士だという感覚はありません。俯瞰の目線が抜けない。でも、それがいいのかなとも思っています。 さて、今日ふと気づいたことを書き留めておこうと思います。 この現場、はっぴーの家が特にそうなのかもしれませんが、どんな職業より圧倒的に1日の中で「ありがとう」と言ってもらえる回数が多い仕事ではないかと感じています。 基本的に体が不自由な方の、できない部分をお手伝いするわけですが、

        • 音楽イベントへの「参加」も色々

          昨日は、午前と午後に二つのイベントをしてきました。 午前中は、芦屋の社会福祉法人聖徳園さんが運営するコミュニティスペースふらっとにて、ベートーヴェンをテーマにした音楽鑑賞講座。 予想を遥かに超える前のめりな参加者さんを相手に、2時間喋りまくってきました。笑 20人の定員は満席。平均年齢は80代後半だろうと思いますが、教養深く気品あふれる高齢者の方々と、知的な会話を楽しみました。 それにしても知的好奇心のある方は老けないな。 普通に60代でもいそうなくらいの元気なおば

        息をするように奏でられる人になりたい。

          人との関係性が変わる瞬間

          こんばんは。 今日感じたことを新鮮なうちに記します。 今日は、Nさんというおばあちゃんのケアを1日通してさせて頂いたのですが、この方は、何度も病気色々なされていて、半年ほど前に誤嚥性肺炎で入院され、終末期を住み慣れた部屋で過ごしたいということで帰ってこられた様な、いわゆる寝たきりの方なのです。 身体はきっとしんどいところだらけ。でも、頭の方はしっかりされていて、声は出にくいけれど、意思疎通もできるし、記憶も90代にしてはしっかりされてる方です。 本来は病院にいるべき様な

          人との関係性が変わる瞬間

          「歌う」ということ

          少し前になりますが、はっぴーの家のじいちゃんばあちゃんたちと、実験的に一緒に歌を歌う時間を頂きました。 当日急に言われたものですから、とりあえず少し発声を一緒にして、季節を感じる曲でみなさん知っていそうな、「夏の思い出」と、「うみ」を歌ってみました。 車椅子生活でも、半身麻痺があっても、認知症があっても、声が出せれば歌は歌えるので、ゆくゆくはこの施設で、はっぴーコーラスができれば面白いかなと思ったり。ほとんど認知症の方々ばかりで集まって合唱したら、なんか面白いことになるか

          「歌う」ということ

          音楽と自分の関係性

          こんばんは。 昨日は、朝から伊丹でおんがく楽団による親子のための楽器体験会、その後は秋の近畿フィルハーモニー管弦楽団さんのファミリーコンサートに向けてのリハーサルでした。 月に何度かある音楽三昧の1日。 親子のための楽器体験会の様子はこんな感じ。 近畿フィルハーモニーさんの秋のプログラムから。 介護の仕事をがっつり経験するようになってから、音楽へ向かう感覚も少し変わってきました。 なんというのでしょうか、今までは自分の価値観の主軸であり、全てであった音の世界を、客観

          音楽と自分の関係性

          ぼちぼち再開!死について考える経験について。

          半年くらい投稿が空いてしまいました。 はっぴーの家という素敵なサービス付き高齢者住宅で実際に働かせていただくようになってから、そのほかも目まぐるしく自分の頭の中が変化していって、なかなか文章を書く気持ちになれなかったのですが、初心に帰って、等身大の感覚を、気張らずに、ぼちぼち残していけたらと思います。 さて、先日、そのはっぴーの家で、笑いあり涙ありの、とてもハートフルで暖かい、全て手作りのお葬式に立ちあわせて頂きました。新感覚の感動でした。 誰しも死を真剣に考えるのは怖

          ぼちぼち再開!死について考える経験について。

          尊厳を持って生きるということ#コラム08

          こんばんは。今日は、先日の初任者研修で感じたことを、新鮮な感覚を忘れないうちに書き残しておこうとおまいます。 個人的には、音楽家やアーティストの方と、是非共有したいなと思います。 どのように生きて、どのように死にたいか音楽の中には、人の「生と死」をテーマにしたような作品もたくさんあります。いかに生きるか、どう死と向き合うか、身近な人の死をどう乗り越えるか。。 このような人として普遍的でずっしり重たいテーマに、偉大な作曲家が向き合い、答えを出した、と言われるような作品もた

          尊厳を持って生きるということ#コラム08

          育てる楽しみ#「生きがい」を考える#コラム07

          今日は、一日部屋にこもって事務仕事。決算が迫っております。 自分で育てた野菜を食べる嬉しかったことといえば、晩ごはんでベランダ菜園のサンチュを美味しくいただけたこと。 コロナ禍とほぼ同時に結婚し、それまで家なんて夜寝に帰るだけだった生活から一転、ほとんどの時間を家で過ごすようになりました。 以前は、家でできる趣味なんて一つもなかったのですが、自分でも驚くのが、自分が植物の世話をするようになったこと。 基本的に、動物と触れ合うの得意ではないのですが(猫はアレルギー、犬は

          育てる楽しみ#「生きがい」を考える#コラム07

          お金と幸せの話#コラム06#幸せについて考える

          こんばんは。3日空いてしまいました。 想定外の引越し作業で、疲れ切っておりましたが、今日からぼちぼちまた頑張ります。 幸せとお金の関係さて、福祉のこと、とりわけwell-beingについて考えを深めていこうと思った時に、お金の話はどうしてもつきまとって来ると思います。 と言っても、公共的な話題が多いと思うおので、直接的にお金の話題になりにくいのが、またちょっとややこしいところ。 でも、QOLとか、生活水準の話って、ぶっちゃけ使えるお金によって全然変わって来ると思うので

          お金と幸せの話#コラム06#幸せについて考える

          正直でいること#幸せについて考える#コラム05

          こんばんは。今日も遅くなってしまいましたので、端的に。 幸せの条件幸せであることの条件って、なんだろうと考えたことはありますか? きっと人それぞれ色々あると思うのですが、一つ確実に言えることは、 「自分に正直でいれること」だと思うのです。 自分の心の奥底にある、本音と真正面から向き合えるかどうか。 自分の本心に蓋をしてしまうことほど、しんどいことはないかもしれません。 ぱっと見、周りからどんなにうまくいっているように見えても、本人が「自分に正直でいれる」状態でなけれ

          正直でいること#幸せについて考える#コラム05

          1週間続けてみて#コラム04

          今日でnoteの記事を書き出して1週間になりました。 気が乗らないことは全くできない性格なので、文章を書くこと自体は、向いているのかもしれません。 ただ、書いてみて思うことは、本当に伝えたいと思う言葉に辿り着くまでの思考を書ききれないということ。大体序盤の数%で、1000〜2000文字を超えてしまって、その先に進む時間がない。 きちんと伝えたいことは、初めに組み立てを作って、何日もかけて書いていく必要がありそうです。 慣れてきたら、そのまま編集したら一冊の本になるよう

          1週間続けてみて#コラム04

          文化的な生活とは#コラム03

          今日は、妻の友人3人が旦那さんや彼氏さんと一緒に新年会ということで、我が家に遊びにきてくれました。 総勢8名、近所の美味しいイタリアンレストランのテイクアウトを利用して、楽しい時間でした。 妻の友人は、弦楽四重奏仲間で、大体月に2回、うちで練習しています。自宅のリビングで弦楽四重奏の音が聴けるというのは、なんとも贅沢だなと、いつも思います。 皆さん仕事としてではなく趣味として音楽をしていますが、家族もみんな理解して応援してくれているよう。 時にはこうやって集まって、そ

          文化的な生活とは#コラム03

          転機は突然訪れる#コラム02

          昨日の玄関の水漏れの原因がわかりまして、原因の管は修理できたのですが、床下の基礎が浸水してしまっている状況で、和室の畳が水浸し 。。。 ということで、大工事になるため、一時的にお引越しすることになりました。!?!? と言っても、同じマンションの別の部屋へ。 2ヶ月くらいかかるらしいです。 全部内装が新品になって住めるなら、ラッキーだったのか!? というわけで、来週1週間はバタバタになりそうです。 思いもよらないことは急にやってきますが、どうプラスに捉えるか次第で、気

          転機は突然訪れる#コラム02

          希望を持てる社会づくり#コラム01

          今日は、朝から自宅の玄関から水漏れするというハプニングがありました。明日の朝から修理の工事、大事でないことを祈ります。 さて、今日の気になるニュースはこちら。 少子高齢化の進み方が当初の想定以上であり、介護従事者の圧倒的人手不足が懸念されていますが、介護分野に限らず、日本の若者が減り続けることは大変まずいことばかりで、岸田さんにはいち早く異次元の少子化対策を進めていただきたいところです。(異次元って何だ??) 諦めてしまうような世の中でいいのか少子化問題やその対策案を論

          希望を持てる社会づくり#コラム01