見出し画像

地域で創る、まちづくり探究学習、提案を具現化させるポイントは?

地方のまちづくりをテーマに実施している、年間15時間の総合学習プログラム「つの未来学」。3年目となり、中学生から授業の進め方についても、主体的な提案が出るようになってきました。

12月15日に、中学2年生が町長へまちづくりの提案。

同日、コミュニティスクール(学校運営協議会)が開催。

都農中学校の特徴として、校長先生の方針でぼくを含めた学校運営協議委員に加えて、中学生の各学年選抜メンバーも一緒に参加します。

3グループに分かれての議論、ぼくらのグループのテーマは「つの未来学

中学校の先生、地域の人、中学2・3年生と話し合いました。

ここで出た中学生からの意見が素晴らしすぎました!

1.つの未来学を採点

冒頭で、今年の「つの未来学」を採点!
一人ひとりに聞いていきます。

60点から80点の幅。やや辛口か。。

内容を聞くと授業そのものの点数ではなく。

多かった意見は、
・生徒によって参加のスタンスが異なる
・意見を出したり作業をする生徒が偏ってる
ことへの問題提起。

そこで、「どうすれば全員が積極的に参加できるか?」という問いに

2.中学生の提案①振り返り

中学生からの提案

いつも、やる人とやらない人の差が出ちゃうので、終わりの時間で、一人ひとりが何を考えて何をやったか、みんなで振り返ったほうがいいと思う。

これはぼくらの反省にもつながります。
本来、各時間ごとに振り返りをしてチェックアウトすべきところ、時間不足や、次への準備で終わってしまっていました。

もともと正解のないテーマで、はじめて考える内容がほとんど。
毎回、終わってみてどうだったか、じっくり一人ひとりの考えをアウトプットしていくことはとても重要。

グループの中学生、大人とも認識をともに。

3.中学生の提案②目標設定

授業のはじめ方に対しても中学生から提案が。

15時間全体のテーマ、目標は共有できてるけど、毎時間の最初に今日はここまでやろうって、その日の目標をみんなで話した方がいいと思う。

その日にやることは、最初にインプットをしていましたが、ワンウェイになりがちと反省。

中学生だけで、その時間に「何を」「どこまで」やるか?を話すのはとても効果的と想像。

こちらについても一同、深く共感。

4.中学生の提案③チャット

2つの提案を次回からやろうね、と合意。
それでも参加しない人はどうやったら発言しやすくなる?の問い

せっかくタブレット持ってるんだから、チャットしてみんなで画面共有すればいいんじゃない?話すの苦手だけど打ち込むことには抵抗ない人いるから

これもおっしゃる通り!
まさに宝のもち腐れ。
大人のワークショップでも同じこといえますもんね。

まずは、一人ひとりが、自分が思っていることを自分に合った手段で表現できることを目指そう!と一同合意。

5.中学生の提案④分業化

最後に、先生からの問い。
「せっかくのいい提案をどうやれば実現できそうか?」

中学生から

いまは10チームにわかれて10の提案をしているけど、その次のステップとして、みんなで1つの提案に絞って、1つのことを実現するために、お金を集めるチーム、ものを準備するチーム、PRするチームとかにわかれたらできるんじゃない?

と、分業化の提案。

たしかに、中学生が15時間考えただけで、まちづくりで実現できそうなことはそんなに簡単にはないもの。「提案のステージ」と、「実現のステージ」にわけて総力戦でやれば、実現できそうな予感がして一同ワクワク。

さらに具体的に

できれば使える予算を決めてほしい
中学生にはお金の感覚がないのでイメージしにくいんで

これも、いつも中途半端になっていた課題。
企画を考えて提案するまではいいんだけど、実現させるためにいくらぐらいかかって、実現したらいくらぐらい稼げるのかとかモヤモヤして終わりがち

今後、ぼくら民間で投資できる金額(といっても1万円とかその程度)を決めて、あらかじめその範囲内という前提をつけることに。

中学生はかなり盛り上がってました。

6.来年からの改善点

予想をはるかに上回る中学生からの具体的な提案。

つの未来学」は100点だよ!とか言われるより数倍嬉しかった。

まだまだ一握りだけど、どうしたらもっとよくなるか、どうやれば全員で考えられるか、自発的に考える習慣がついてるんだなと。

つの未来学」をはじめて、ずっとこだわってきたことは「リアルなまちづくり」につながること。

目指すことは、自分たちの提案が、実際のまちに反映され、中学生が「自分がつくった」とまちづくりを自分ごとにすること。

同時に、全員が自分なりのスタンスで主体的に企画に関わること。

そのためには、ぼくら大人が誘導するのではなく、生徒同士で、刺激し合っていく、まさにピア・トゥ・ピアの学びが究極の理想です。

年が明けて1月12日からは、1年生の「つの未来学」15時間がはじまります。

以上のことは、先週、1年生の先生たちに共有して、ぜひとも、振り返りや各時間の目標など、生徒たちが提案してくれたことを実践していくことに。

来年の「つの未来学」がいまから楽しみです。

(参考)昨年の1年生の「つの未来学



この記事が参加している募集

探究学習がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?