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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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2020年10月の記事一覧

電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも社長の責任だ

もはや、遠い昔の話のように感じてしまいますが、昨年は日本でラグビーワールドカップがあったんですよね。one teamという言葉が流行りました。さらにさかのぼると、前回大会では、奇跡の勝利で盛り上がりましたね。南アフリカに勝ったあの試合です。youtubeを見てたら、NHKのアナザーストーリーズの特集がアップロードされていました。 何回見ても良いですね。 指揮官の徹底ぶりが勝つビジョンをチームに植えつけたこの勝利は、勝ち方について、明確なビジョンを持ってトレーニングを重ねて

ビジョン型か価値観型か

先日、ある方(Aさん)に対してキャリアコンサルティングを行う機会がありました(ちなみに、私は国家資格キャリアコンサルタントの登録者でもあります)。その際に改めて、キャリアとの向き合い方は人それぞれだというのを感じました。 当初、Aさんに対するキャリアコンサルティングの目的は、今後のキャリアビジョンを描き、明日からどんなことに取り組むのかの行動計画を明らかにすることでした。前回セッションの終了時に、今回のセッションに向けての事前課題を出しました。その事前課題ワークシートに書き

社員に「やったもん負け」と思わせたら負け

「お客さんと対立しちゃってる感じなんですよね、ウチの会社って」 お客様の会社で部長にインタビューしていたらそんな言葉がでてきました。お客様の要望をいかにかわすか、やりすごすか、言いくるめるか…そんな意味あいのことをおっしゃっていました。本来は、お客様の要望を聞いて商品・サービスに反映していくことが求められます。なぜなら、そうしない限りわたし達の仕事には何の価値も生まれないからです。 社内の都合だけを見ているから「やったもん負け」になるこの会社さん、業績は決して悪くありません

ニックネーム呼び

以前の投稿にて、「さん付け呼びの是非」というタイトルで、役職名呼びからさん付け呼びに変えている会社様の事例とその背景について取り上げました。 https://note.com/fujimotomasao/n/n529592165d5b 先日訪問した別の会社様ではさらに違っていて、社員をニックネームで呼び合うのを社風としていました。 同社様では、社員がお互いのことを「~~ちゃん」「~~ッシー」のようなニックネームで呼び合っています。新しい社員が入ると、入社直後の歓迎会にて、ど

自己資本比率の重要性

先日、本コラムにて「財務規律の重要性」というタイトルで、財務面での短期的安全性と中長期的安全性を維持した上で新規投資やM&Aを行うことの重要性を取り上げました。手元流動性比率や流動比率、自己資本比率等で自社の財務規律を定め、その規律を維持する意義について考えた内容でした。 https://note.com/fujimotomasao/n/n63a2cb907777 昨日の新聞記事で、このことに通じる内容を見かけました。 10月27日の日経新聞で「攻めるための財務目標」という

買収先の総資産利益率

前回の投稿では、私も担当として一部登壇した「会社の方向付けとしてのM&A」セミナーでの気づきをもとに、M&Aをテーマにしました。 https://note.com/fujimotomasao/n/n079cf01c1468 今日も、その続きです。 総資産利益率(ROA)という指標があります。会社のすべての資産を利用してどれだけの利益を上げられたかを示す数値です。これにより、事業活動における資産活用の効率性や収益性を考察することができます。 ROAの計算式は、次の通りです。

買収先の経営者

前回の投稿では、私も担当として一部登壇した「会社の方向付けとしてのM&A」セミナーでの気づきをもとに、M&Aをテーマにしました。 https://note.com/fujimotomasao/n/n63a2cb907777 今日も、その続きです。 買収先の経営を、現在の経営者がそのまま代表を継続するのか、それとも経営者を交代させるのかの判断は、ケースバイケースでしょう。現在の経営者が代表を継続する場合でも、経営チームのメンバー構成を変える必要があります。なぜなら、現在の経営

工作機械メーカー2社を比較して会計思考力を鍛えよう

「財務諸表を読みたかったら会計思考力を鍛えよう」というテーマで、財務諸表を読み解くために「実際の企業活動と会計の数字を結び付けて考える」“会計思考力”が必要だという内容をアップしました。 本日も具体的な企業の数字を元に、戦略の特徴を分析していきたいと思います。 今回は財務諸表から工作機械メーカーの2社の戦略について分析していきたいと思います。 工作機械メーカーの貸借対照表 この図は工作機械メーカーである、キーエンス、ファナックの2社の貸借対照表(2020年3月期)を比率

フィードバックする時に意識すべきたった一つのこと

先日、社内でプレゼン演習を行いました。他のメンバーの仕事の様子ってあまり見ないんですよね。結構、一人でデリバリーすることが多いのです。なので、みんながみんなの前でプレゼンをやってみる、というのは新鮮でした。 話の中身というよりは、姿勢、声の出し方、アイコンタクト、などなどをレベルアップしようということで行いました。一人ずつ3分程度スピーチをして、それに対して全員がフィードバックするという演習です。身内の前のプレゼンが一番緊張します。 プレゼンもそうですがフィードバックも技

財務規律の重要性

昨日、所属先の小宮コンサルタンツにて「会社の方向付けとしてのM&A」セミナーを行い、私も講師として登壇しました。M&Aは、企業経営にとって今後ますます身近な存在になっていくでしょう。 昨年もほぼ同時期に、同セミナーを実施いたしました。今年は満員御礼で、参加者様の数では昨年度比3割増となりました。人数の増加は様々な要因が考えられるため、安易な仮説立てはできませんが、後継者不足という従来からの社会背景に加え、コロナ禍による事業者の統廃合の動きが相まって増加の圧力となっているよう

400年企業の強さの秘密

わたしのお客さんで、創業400年を迎える会社があります。 400年前ってすごいですよね。江戸時代の前期です。ある伝統食品を作っています。ちょっとお邪魔して色々と話を聞いて来ました。 深い使命を語ることのできる社長さんやはり400年続く会社の社長さんです。自分たちの商品が社会や人間にとってどのような意味を持つのか、明確に語ってくださいました。社長さんが語る「食」への思いはとても深いものです。世の中が便利になる中で失ってしまったものが、この会社の商品にはあります。それを届けるこ

形式に沿って進める時の注意点

先日、以前松下電器グループ(現パナソニック)で活躍されていた方(Aさん)とお話する機会がありました。Aさんと朝礼の話題になったのですが、そのお話が示唆的でした。 朝礼を行っている会社も多いことと思います。朝礼で、経営理念や行動規範を唱和することに取り組んでいる会社も多いでしょう。Aさんによると、朝礼で経営理念や行動規範を唱和する慣習を広めたのが、松下電器だということ(意図的にではなく、結果的に広まった)でした。 そして、Aさんが言うには「多くの企業が朝礼で経営理念や行動規

離職の理由

先日、ある企業様で有力な人材の離職とその事後対応のテーマで相談を受ける機会がありました。 部門で核となる人物が退職することになりました。そのことに合わせて、今後その部門の責任者を誰にするのがよいのかについて、私の考えを聞かせてほしいとご相談を受けました。 個別の給与や職業生活を左右する問題でもありますので、私が特定の人物の名前を特別に推すことなどできません。その上で、同社様をこれまで垣間見てきての状況も踏まえて、下記の3つを満たしている人物であることが最優先ではないかと、考

今後の賃金制度(2)

前回の投稿では、各種手当や休暇制度をテーマとする先週の判決内容について取り上げました。 https://note.com/fujimotomasao/n/n40aac9795de7 今日も、引き続きそのテーマについて考えてみます。 同判決内容も踏まえると、今後以下のような流れが起こってくるのではないかと考えます。 ・非正規従業員が二極化する 合理性のない待遇格差が許容されなくなると、基本的に非正規社員の人件費が上昇します。これまで適用されてこなかった手当制度等の一部が、