マガジンのカバー画像

Good to Great ― KC B team

1,322
小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
運営しているクリエイター

記事一覧

壊れていないものを直すな

”If it ain't broke don't fix it.” 「壊れていないものを直すな」という英語のことわざがあります。 コンサルティングをする上で大切にしていることの一つです。直すのではなく、どうやって活かすかを考えるようにします。 このことわざ、意味を改めて調べてみると「うまく行っているものをいじるな」とか「余計なことをして失敗すること」などとあります。少し捉えていた意味と違うなと感じました。どちらかといえば、私たちは「壊れている」と捉えがちだという戒めである

懇親会でもビジネスパーソンとしての貪欲さを忘れてはならない

先日社外取締役をしている会社の経営方針発表会に参加しました。終了後は取引先も交えての懇親会でしたが、このような大々的な懇親会は数年ぶりでここ最近入社した若手社員にとっては初めて経験です。 会場を見渡すと色々なタイプの若手社員が居ます。ビール片手に常に挨拶に回っている社員、同じ営業所の同僚とずっと話している社員、無言でビールを飲み続けている社員、こっそりスマホで動画を視聴している社員などなど。 懇親会というものの捉え方は人それぞれです。気を遣わないといけない面倒なイベントだ

1on1ミーティングにおいての誤解(2)

前回は、BizHint記事を参照しながら、部下と上司が1対1で行う定期的な対話や面談、いわゆる「1on1ミーティング(以下、1on1)」に関する誤解について考えました。「誤解1:コミュニケーションがとれたら、1on1は大成功」「誤解2:1on1は数ヶ月に1回でもいい」に関連し、1on1がどうなったら成功というのか、どれぐらいの頻度で行うとよいのかは、目的の設定と相手の状況次第だろうとしました。 引き続き、BizHint記事による3つ目と4つ目の誤解について取り上げてみます。

1on1ミーティングにおいての誤解

3月9日(木)に「あなたの1on1が劇的に変わる。知るべき「4つの誤解と解消法」とは」というタイトルのBizHint記事が掲載されました。部下と上司が1対1で行う定期的な対話や面談、いわゆる「1on1ミーティング(以下、1on1)」を実施する企業が増えています。BizHintで実施されたアンケート調査の結果も踏まえながら、その1on1に関する「4つの誤解」について説明されていて、たいへん示唆的な内容になっています。 同記事で紹介されている、4つの誤解を順に見ていきます。

年収の壁とは

3月18日の日経新聞で、「年収の壁解消へ支援 首相、制度見直しにも言及」というタイトルの記事が掲載されました。少子化の要因のひとつが、子育てにかかる経済的負担への懸念と言われています。世帯の経済力を高めるうえで立ちはだかっている問題のひとつに、「年収の壁」があり、この壁の緩和を意図したものと言えそうです。(私は社労士やFPではありませんので、以下の内容の厳密性は保証できないこと、ご了承ください) 同記事の一部を抜粋してみます。 私自身も以前、パートやアルバイトの方の採用や

女性でも男性以上のリーダーシップをとれることを示したサッチャー

いまどき、海外では女性が国のトップとなることが珍しいことではなくなりました。最近では、ドイツ、フィンランド、ニュージーランド、リトアニア等の女性トップが記憶に残るところです。 残念ながらアメリカ、中国、ロシアといった大国では例がなく、そして日本でもまだ実現していません。しかし、アメリカや日本では(その期待値はさておいて)、初の女性大統領、女性首相候補として注目される人はでつつあります。   今は国の女性トップが珍しくなりましたが、この女性トップの元祖が誰だったのかというと、イ

家庭の事情を気づかったつもりが(2)

前回は、ある管理職の方から聞いたお話をテーマにしました。子育て中の女性社員Aさんに対して、現状以上の業務負荷をかけられないのではないかと勝手に思い込んでしまっていた、改めて本人に聞いてみたところ新たな業務をお願いできた、というお話でした。 このエピソードから感じたことの2つ目は、相手の特徴を理解することの大切さです。 同管理職の方は、ソーシャルスタイルという行動科学の理論(デイビッド・メリル博士によって構築)を手がかりに、Aさんに対する理解を深めようとしたそうです。 ソ

歴史が現代の経営や事業にいかされないのはもったいない

今、すこし訳があって、「経営×歴史」の表を作成しています。具体的に言うと、歴史上の人物たちが残した実績の中から、現代の経営や事業に活かせそうなことは何で、それはどのように活かせそうかということを整理しています。   例えば、分かりやすいところで織田信長であれば、「天下布武(武力をもって日本をひとつにする)」等の目指すべき姿(ビジョン)を示すことでリードしていった一方、あまりにタフすぎて部下の心を読めず、最後はクーデターにあって滅んだとか。   戦国時代に限らず、日本史、世界史

強制や矯正ではなく「共生」する

昨日、3年間ご支援していたプロジェクトが終了しました。発達に遅れがあるとされる子どもたちむけに療育を行っている法人様です。その療育を行うスタッフを育成するための施策に取り組んできました。 「発達に遅れがある」と書きましたが、捉え方の問題だと思います。そもそも発達のあり方には多様性があるわけです。「遅れ」と捉えるのは何か基準があって、そこから遅れているということですね。 とはいえ、その基準を否定するつもりはもちろんありません。過去の知見から積み上げられた基準があるからこそ、

整理の意味知っていますか?

コンサル先のお客さまで5Sの推進に取り組むことがあります。5Sというのは整理・整頓・清掃・清潔・躾をローマ字で書いた際に全てSから始まるので、5つのSで5Sと言われています。 5Sをする際に、まず最初にすべきことは整理です。 整理とは、一言で言うといらないものを捨てることです。見た目だけキレイにならべる整列をどれだけ進めても、要るものも要らないものも玉石混交な状態では生産性があがりません。不要なものをキレイにする時間も無駄です。 断捨離という言葉が流行りましたが、捨てると

家庭の事情を気づかったつもりが

先日、ある管理職の方とお話する機会がありました。 その方の部署のメンバーには、子育て中の女性社員Aさんがいます。自分の抱えている仕事を一部手放してAさんに移管し、自分はマネジメント業務により専念できる環境をつくる。そして、Aさんの成長を促すということを目標にしたということです。 お聞きしたのは、以下のような内容でした。 ・Aさんはいわゆる非正規社員である。優秀でパフォーマンスも高い。できれば正規社員に転換したいと思っている、というような話を以前聞いたこともある。よって、

になうものは重く、道は遠い

曾氏いわく、「子はもって弘毅(こうき)ならざるべからず。任重くして道遠し。仁もっておのれが任となす。また重からずや。死してしかして後やむ。また遠からずや。」(論語、奏伯第八) 「学に志す士は心がひろくつよくなければならない。になうものは重く道は遠い。仁を自分の荷として負うのだ、重くならないはずがあろうか。仁を背負って死ぬまで道を行くのだ。なんと遠い道であろうか。」   この一節は、戦後の東京裁判で唯一、文官として絞首刑となった広田弘毅元首相の名前のゆらいとなっているものです。

お客さまの困りごとが「我が事」になっていく

先日、企業で新規事業の責任者を歴任されていた方からお話を聞く機会がありました。新規事業に対するアプローチによってメンバーの姿勢が変わっていくというお話が、たいへん参考になりました。 次のような内容でした。 ・社外の協業先やお客さま、経営陣などから新規事業のオーダーが来る。企画し組織的に取り組んでいこうとするわけだが、関わることになるメンバーのほぼすべては、当初はそれら新規事業への愛着などまったくない。 ・そこで、新規事業に関連しそうなお客さまやお客さま予備軍300人に話

ワークライフフィットという概念

「ワークライフフィット」という言葉があるそうです。 「ワークライフバランス」という言葉が米国発で日本にも輸入され、各企業で課題テーマとなったり、働き方改革につながったりしてきました。その後、米国では「バランス」というより「統合」のほうが本質を表しているということから、「ワークライフインテグレーション」と言われるようになっているそうです。他に「ワークライフフィット」という表現もあるというわけです。 CNN.co.jp(2017.12.02付)の記事に、次のようにあります。(