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Good to Great ― KC B team

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小宮コンサルタンツのコンサルタントによる経営のお役に立つコラムです
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記事一覧

2015年大河ドラマ「花燃ゆ」

2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」がNHKオンデマンドで公開されています。幕末の吉田松陰先生の妹であり、久坂玄瑞や吉田先生の同志であった楫取素彦(かとりもとひこ)の妻であった美和子さんの生涯を描いたものです。視聴率は残念ながら低調だったのですが、松陰先生好きな私としては印章深い大河でした。 松陰先生を描いた伊勢谷友介さんは、彼自身も松陰先生を尊敬していたこともあり、大変好演でした。伊勢谷さんは残念ながら2020年に大麻所持により逮捕され、執行猶予付有罪となっています。罪は償い

対話を通じて経営者の軸を磨き、人を動かす力に変える

経営とは経営者の意志が表れたものである これは稲盛和夫さんの言葉です。 盛和塾の世界大会で以下のように話しています。 最近、会社の仲間とこの意志について「経営者の軸」という言い方で対話を深めています。軸というメタファーにしたのは、ブレる、ブレないを意識しているからです。軸を中心に組織が回るとして、組織のサイズが大きくなるほどに遠心力が働きます。ゆえに求心力を高めるべく、自分の意志と人間性とを磨いていく必要があります。 稲盛和夫さんは、成功の方程式として「成功=熱意×能力

吉野家のオペレーション変化からの考察

私は学生時代から牛丼屋のヘビーユーザーです。家族と一緒に居る際はメニューが豊富でテーブル席も多いすき家に行くことが多いのですが、自分一人の時は断然吉野家です。 私が普段行っている吉野家ではここ最近オペレーションに変化がありました。一つはオーダーが座席でのタッチパネルになったこと。もう一つはタマゴを自分で割るようになったことです。 なぜタッチパネルが導入されたのか?それは外国人の店員が増えている中でオーダーの聞き間違えを防ぎ、店員の言語ストレスを減らすためだと思います。また

新社屋への移転の例(2)

前回は、北海道帯広市にある、宮坂建設工業株式会社様の新社屋をテーマにしました。地域との共生を目指し、社をあげたプロジェクトとして進め、完成させた社屋だということを取り上げました。 同社屋の設計、施工、完成後の活用の取り組みによって生み出されるであろう効果について、私なりに想定してみます。 ・従業員間の関係性が高まる 移転前の社屋は、事業部によってフロアが別になっていました。フロアが別になっていると、わざわざ上か下の階にまで行かないと様子がわからないため、自ずとお互いが見

新社屋への移転の例

先日、北海道帯広市にある、宮坂建設工業株式会社様を訪問する機会がありました(同社様の許可を得て、社名を紹介しています)。同社様では、3年前の2021年に新社屋が完成し、本社移転されています。今回、新社屋に初めて訪問し、ご案内いただく機会があったのですが、たいへん印象的な体験でした。 見た瞬間に、まず見事な外観に圧倒されます。 同社屋は2021年に、帯広市が優れた景観、まちづくりに貢献している建築物を表彰する、帯広市まちづくりデザイン賞に選ばれています。 参照URLは、例

自分を「主人公」と捉える(2)

前回は、私が参加した「知心会」の9月定例講での内容をテーマにしました。特に印象に残った2つのことのうち、「主役としての自分がどうなりたいかのイメージを明確にもつ」について取り上げました。 もうひとつは、「掛け算の法則」です。 何かの領域で、専門家やプロと言われる人材になりたければ、1万時間の研鑽が必要だと言われることがあります(もちろん、どういう時間の使い方=研鑽の仕方をするかにもよりますが)。1年365日で、1日あたりの時間に換算すると(曜日による差分は度外視)、毎日平

自分を「主人公」と捉える

先日、私が参加している「知心会」の9月の定例講東京回に参加しました。「知心会」では、ありのままの己の心を観ながら仲間と共に研鑽する機会の一環として定例講があります。 当日の講話の中から、個人的に印象に残ったことを2つ挙げてみます。ひとつは、主役としての自分がどうなりたいかのイメージを明確にもつことです。 講和で紹介がありましたが、「主人公」という言葉は、もともと仏教用語なのだそうです。 総持寺 西山浄土宗 梶取本山 HP内の法話サイトにある記事「【主人公】意外と知らない

アタチュルク、父なるトルコ人

昨日、今日とトルコ共和国の初代大統領ムスタファ・ケマル・アタチュルク(1881年~1938年)について集中して執筆しました。 日本では知名度が必ずしも高くないかもしれません。しかし、第一次世界大戦で消滅の危機に直面したとき、戦勝国のイギリスやギリシャと戦い抜き、国を守り切ったこの英雄は、トルコでは「アタチュルク(父なるトルコ人)」と今でも尊敬されています。 ややローテンションではじめた執筆も、徐々にハイテンションになりました。 書き終わったとき、ふと思いました。 日本の

時には自然の中で何も考えない時間を作る

週末の予定が変更になったこともあり、昨日・今日で息子たちを連れて急遽キャンプに行ってきました。 最近、個人的に色々慌ただしくて自然に触れたいという気持ちと、デジタル機器に囲まれスマホやテレビゲームをする時間が長くなってきた息子たちを見て少し心配になり、二日間は必要以上にデジタル機器に触れないというルールで過ごしました。 川で魚やヘビトンボの幼虫を採集したり、薪を割って火を起こしたり、花火をしたり、りんご狩りをしたり、普段と違う遊びをして息子たちにとっても良い刺激になったと思

計画のパラダイム転換: 未来を描くための経営計画とチームの成長

若いころ、それはそれはブラックな会社で、ソフトウェアの開発をしてました。体力は今よりあったからよかった(?)のですが、いくら寝泊まりしても仕事が終わりませんでした。とはいえ、それは仕事の技術が低かったからです。ある時、この余裕のなさは段取りの問題だと気づき、エクセルでスケジュール表を書くようになりました。そこからうまく仕事がまわせるようになった記憶があります。やることが可視化されるので心理的な余裕が生まれるし、先回りした準備も可能になるからです。 とはいえ、それも思い返すと

『歴史街道 2024年10月号』に記事を掲載頂きました

9月6日発行のPHP研究所さん『歴史街道 2024年10月号』に私が書いた記事を掲載頂きました。 P97の「私の一冊」というコーナーで、渋沢栄一氏の自伝『渋沢栄一自伝 雨夜譚・青淵回顧録(抄)』(角川ソフィア文庫)を紹介させて頂いています。 1万円札の顔となったこのタイミング、改めて渋沢栄一氏を学ぶ機会となれれば、という想いで書きました。もしよければ書店で手に取って頂けるとうれしいです。

思いて学ばざれば

「論語」のなかで孔子は次のように言っています。 「学びて思はざればすなわちくらし。思いて学ばざればすなわちあやうし。」 (学ぶばかりで、自分で考えることが少ないと力はつかない。自分で考えてばかりで、学ばないようだと、考えがかたよるので危険このうえない。) 本を読んだり、学んでも仕事には役に立たない、という人もいます。 確かに、学んでも、自分の仕事や生活に引きつけることなく、実践しなければ、役に立たないということができます。 しかし、自分のことに引きつけて考え、実践できれば

障害者雇用を考える

9月4日の日経新聞で、「〈小さくても勝てる〉障害者雇用、やりがい充実で離職を防止 キャリア支援へスキル表 個性見極め業務の幅拡大」というタイトルの記事が掲載されました。障害者雇用で先進的に取り組んでいる企業の事例を紹介した内容です。 同記事の一部を抜粋してみます。 同記事から、ポイントを3つ考えました。ひとつは、各従業員の個別のさまざまな状態を、強みや特徴だと捉えるということです。 簡単な加工作業に取り組むことに集中するのがよい人材もいれば、単純作業の連続ではなく仕事に

「雲」を手がかりに、内省する

先日、私が参加している「知心会」の8月の定例講を聴講しました。「知心会」では、ありのままの己の心を観ながら仲間と共に研鑽する機会の一環として定例講があります。 今回の定例講は、「雲」がテーマのひとつでした。 「雲」に関する言葉です。 「雲」は、流れていく一時の事象であり、ずっとかかり続けるわけではない。そして仕事や生活の妨げになるやっかいなものだが、恵みを持たしてくれるものでもある。そんな雲と自分なりにしっかり向き合うべしというのが、その本質だというわけです。 今回は