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ニックネーム呼び

以前の投稿にて、「さん付け呼びの是非」というタイトルで、役職名呼びからさん付け呼びに変えている会社様の事例とその背景について取り上げました。
https://note.com/fujimotomasao/n/n529592165d5b
先日訪問した別の会社様ではさらに違っていて、社員をニックネームで呼び合うのを社風としていました。

同社様では、社員がお互いのことを「~~ちゃん」「~~ッシー」のようなニックネームで呼び合っています。新しい社員が入ると、入社直後の歓迎会にて、どのようなニックネームで呼ばれたいか(呼びたいか)を決めるそうです。

ただ、最終的にそのニックネームを使って呼ぶかどうかは自由ということです。例えば、誰に対してもすべて「さん付け」で呼ぶポリシーの人は、ニックネームを使わず「苗字+さん」で呼んでいるようです。また、部下が上司に対して声をかける場合は、全員「苗字+さん」の呼び方になっているようです。

ニックネームで呼び合うことの意義を、大きく2点考えてみました。

1.組織開発につながる可能性がある

同社様の社員間のやり取りを見ていますが、とても活発で臨場感あふれるコミュニケーションができているように感じられます。単なる慣れ合いというわけではなく、言うべきことを意見し合う健全な関係性に見えます。ニックネームで呼び合うことが、そのひとつの要因になっているように思えます。

欧米発で日本に輸入されたワークショップに参加すると、ほぼ例外なく開講直後に「チェックイン」というものをすることになります。チェックインというのはアイスブレークのようなもので、「このセッションで得たいこと」「今どんな気持ちか」などを話すのがお決まりです。そして、ほぼ例外なく「他の参加者からどのように呼ばれたいか」とそれぞれのニックネームを参加者間で周知するよう求められます。(私がこれまで参加した、欧米発のワークショップは開講直後の運営がすべてこのパターンです。自分のニックネームが特に決まっていないため、どう答えるか迷いながら参加しているのですが。。)

組織開発の概念の発達も欧米が先行してきました。欧米発のワークショップでニックネームで呼ぶことを推奨するのは、そのワークショップという場を組織開発する上で有効だと考えるからでしょう。このことは、会社組織にも当てはまるように思います。

2.存在承認を促す可能性がある

自分をどのように呼んでもらうかを決めて、その通りに呼んでもらうことは、本人にとって存在承認が満たされた感を高めるかもしれません。私たちは一般的に、苗字よりも名前、名前よりもニックネームのほうが、「自分を読んでもらった感」があるものでしょう。

褒める時はもちろんですが、注意する・指導するなど、聞き手にとって耳の痛い話をしなければならない場面でも、ニックネームを交えて言うことで「自分のことを考えて言ってもらえてる」という受け止めがしやすくなる可能性はあります。同社様の上司・部下間のコミュニケーションを見ていても、そのことが感じられます。

たかが呼称、されど呼称。ということで、些細なテーマかもしれませんが、こだわってみる価値はあるかもしれません。もちろん、呼び方だけ表面的に変えればよいわけではなく、組織マネジメントのその他の要素が一体となっての取り組みでないと意味をなしませんが。

<まとめ>
ニックネームで呼び合うことは組織開発につながる可能性がある。


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