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魔々勇々第24話感想・考察&畳みにかかってないよ!って話(ジャンプ14号)

この記事で掲載している画像は全て2024年週刊少年ジャンプ14号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

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サブタイトルは「クソカスハゲ」
今週のグリシャ見たらみんなそう思うよね。
 
いや、今週は成ったでしょ。
「成ったな」って呟きを見るたびに「もう成ってるんだよなあ」って思ってたけど今週の成りっぷりはそれを超えてる。
 
「畳むために展開巻いてる?」みたいな悲しみのつぶやきを大量に見たけど、そうじゃないと思っているのでその点は後述。
好きなキャラがどんどん増えた結果各キャラへの言及が増えて収拾がつかなくなってきたけど今週も感想いきます!

◆作戦会議・邂逅

毎回何種類の対面を作るのかってくらい場面の種類が多い。
そしてどれも触れたくなる。

・弁当

今週の彼に関するシーンのうちの3分の1が弁当で笑っちゃった。
もう名前出ても弁当としか呼ばれないし紋章術が弁当に関わるものかないと許されないレベルにきている。
そんで弁当見てエリシア涎たらしてるのほんま…最高です!

・サディコ

いやこのコマ!

恍惚としか表現できない 

少年をシゴいて恍惚としちゃうお姉さん(60)はマズいですって!
モニカに人助けを珍しいと思われたり、パンネロと別に良好な関係を築こうとまではしてないあたりに天邪鬼さが出てる。
理由なく人を傷つけたりはしない程度のモラルは持っている上で、サディコの行動原理は基本的には好奇心とそれに向けた合理性なんだろう。
合理的なはずのキャラが主人公にほだされちゃう展開好き。
生きている勇者魔王の中で一番人生観が固まっているし強さも完成されているサディコがコルレオの勇者性に惹かれるのがたまらんのだよ。
 
ワープができるキャラに対して「ワープが厄介」と事前に触れる漫画は実は珍しい気がする。
悪の親玉はなぜかワープができるし、展開の必要性に応じてワープするときもあればワープしないこともあるのが世の常である。
漫画というかRPGかな。BOF4のユンナまだ許してねえからな。
ここにあえて触れた上でコルレオをぶつけると言う以上、ワープ対策の何かがあるんだろう。
今回お披露目したコルレオの圧縮が空間を捻じ曲げてるものなら、同じく空間に干渉するワープに対しても介入できる気がする。
逃げようとするグリシャのワープホールをねじ切って啖呵切るコルレオ見たい!
 
「君より役に立つさ」の「君」に点がついてるのが気になる。
グリシャが以前撒いた種をサディコは見透かしている感がある。
気付いても干渉しないのは、サディコの性格故か直せない性質のものだからか。
いずれにせよ、コルレオの目的達成の上では障害にはならないと判断してのことだろう。
 
そしてエンドのコピー複数を苦も無く相手するサディコやっぱり強い。
今のところこの作品の強さ基準はエンドコピーに苦戦するかってところで測れるので、最強格の一人なのは間違いない。
「私が成り損ねたものをね」の台詞回しがかっこいい。
勇者オタクに期待される勇者オタク。
読者も全員期待してるよコルレオ!
でもサディコ好きすぎてかっこいいシーン見るたびに死亡フラグに見えてしまって怖いよ!

・パンネロ

回想にまでハロハロが出てきた。
やっぱりハロハロが物語の根幹に関わる何かをしている。
ほんのり悪役の可能性も前回見えた気がしたけど、今回の一コマはやっぱり異常な善者側に見える。
顔を…顔を見せてはくれんかね。

・エリシア&エスカバ&ラルフ

エリシアのコルレオとの信頼関係が熱い。
引き受けますは立ち向かう決意の強い顔で。
任されることに対する返事は安心させる優しい顔で。
コルレオの不安を取り除くために必要なことが分かっている正妻強い。
ちゃんとコルレオの生きがいになりつつあるなあ。
今週のミネルヴァのヒロイン感圧倒的だったけど、俺の中のこの作品の正ヒロインはエリシアです。

ラルフレッドの登場が熱い!
ラルフ、作戦会議にいないのか…掘り下げは新章入ってからかな→おいおいエスカバとエリシアの対面かよ!そこの因縁じゃないでしょ、そこはラルフが…からの登場がたまらん。
とんでもなくかっこいい。
林先生がかわいい女キャラを描くのがうまいことは魔々勇々どころか読切の時点でわかってたけど、男キャラを描くのもべらぼうにうまい。
作戦会議の間はコミュニケーション能力の問題で下がってたんですか?
それともケガのせいで行けないってところから遅れて駆けつけたんですか?

エスカバの、ウルビダとエリシアを重ねている様子も気になる。
こいつら毎回断片的な情報しか出さないから気になるんだよー!
やっぱりエスカバ、人間側に憎しみを持つようにそそのかされてる感があるよなあ。
 
これで対面は2体1。
修行を終えたエリシアと元から強く迷いを断ち切ったラルフを相手にしたら、エスカバもさすがに分が悪いんじゃないだろうか。
刻印解●のお披露目なんじゃないかと思う一方で、このスピード感だと新章に持ち越しかなとも思う。
ううっジャンプのサバイバル環境厳しすぎる・・・

◆クソカスハゲ

自分に自信がなかったり、弱い立場にいる人ほど強い言葉を使う。
どうしても愛染様の「あまり強い言葉を使うなよ」がよぎってしまってネタっぽくなっちゃうけど、これは真理だ。
気丈に振る舞うミネルヴァが痛々しい。
そして、だからこそ救援に入るコルレオが熱い。

・グリシャの煽り

優越的な立場からの煽りが正にクソカスハゲである。
「この状況でよく強がれるね」という言葉が端的に状況を表していて、この状況のレスバでミネルヴァに勝ち目があるはずがない。
いつでも命を奪われうる状態で拘束されている側に不安がないわけがない。
無理に気丈に振る舞う口の悪さを見透かして「内心煙たく思ってるよ」なんて人の心を持ってたら言えない。
そして、グリシャの煽りは軽薄なくせにいつも人の本質的な弱点を突く。
「君のせいじゃない?」がコルレオを縛り続けていたように。

・ミネルヴァ

単に拘束されているだけかと思ったら、痛めつけられている…やめてくれ…
台詞のフォントからも、余裕のなくなった強気な表情からも、限界が近い様子が伝わってくる。
「内心煙たく思ってるよ」が、弱った心に心底効いてしまったんだと思う。
幼い頃は別にそんな喋り方ではなかった。
 「一度自分を好いた者に見限られるのが怖かった(12話より)」ミネルヴァにとって、汚い言葉遣いは自衛の手段の一つだった。
そんなミネルヴァの弱った心に 「みんな口には出さないだけで」「内心煙たく思ってるよ」は、刺さりすぎる。
救援の瞬間の片目から流れている涙は、助けてもらった喜びの方じゃなくて、辛さに耐えきれなくて決壊してしまったものだと思う。
ここと次のミネルヴァ見て、この表情見るために魔々勇々読んでるよなってしみじみ思う。

◆勇者コルレオ

そこに駆けつけるコルレオが熱い。

どう見ても勇者です。本当にありがとうございました。

毎回コルレオで項目できちゃうんだよな。
the主人公すぎる。
このコマの下の回想は、母に大切な言葉をかけてもらったシーンと、見限られた怖さに震えているシーン。
「今回こそは違う」と思っていたとしても、助けに来てもらえる確証などなく震えて待っていたミネルヴァにコートをかけるコルレオが勇者すぎる。
前回コルレオが助けに来た時には「なんで来たんだよ」と言ったミネルヴァが今度は何の見栄も張らず「おそい ばか」と言うシーンが今回一番好きなところだったんだけど、この良さを表現するのに語彙が足りない。
囚われのヒロインが助けに来たヒーローに「おそい ばか」って言う漫画現代で読めるなんて思わないじゃん…熱すぎるって。
「もう大丈夫」を実力を伴った勇者コルレオが言うシーン、一番見たかったやつです。

・紋章術

そしてど真ん中王道バトルの熱さも見せてくれた。
立ちはだかって手を動かさずに氷の能力を発動するシーンなんてなんぼあってもいいからね。
クプトゥラの「水気のある場所ならストック消費なし」という特性を考えればこの能力を選んだことは納得。
コルレオ(エヴァン)の紋章術は謎が多いとはいえ、選択肢としてはこの能力だってあり得たのに全く予想させなかったのは見事。
紋章術の種類がコルレオに第1話で見せたものだけのはずがないけれど、読者としてはやっぱりあの範囲から出ると思っちゃうもんな。

更にはずっと期待していた圧縮も見せてくれた。
やっぱコマ割りまで利用する表現好きだなあ。
圧縮は文字通り空間を縮める能力だと思うけど、他方で問答無用というよりはある程度物理で逆らえるようにも思う。
なんかこう、四方八方から見えない壁が迫ってくるけど強者はある程度押し返せるというか。
強者と戦う場合には相手の動きを制限するのに使うのかな。
これを利用したバトルが見られるのが心底楽しみ。

◆まとめ

いや、こんな面白い漫画ほかにある?
魔々勇々のおかげで、4月に異動を控えたクソ忙しい時期にも関わらず月曜日が楽しみなんだが?
漫画ってジャンルを超えて、ここまで楽しい趣味これまでもなかったレベル。 
読んだことのないスタイルの漫画で、大好きな王道展開が読める。
アンケートを出して応援することしかないのがもどかしいですが応援していきます!
以下の考察は、読みたい方だけどうぞ。

・考察:畳みにかかっているのか?

結論から言えば「巻いているけど畳みにかかってはいない」と思っている。
いや、本当はこんな考察の項目作りたくないし、「打ち切られないよね?大丈夫だよね?」とか考えずに読みたいけど、好きだからこそ気になってしまう。
人間は生存本能で悪いニュースほど気になるようにできている。
ファンほどアンチに目が行くのも、好きな作品の打ち切りが気になるのも当然だ。
ツーオンもグリリリも大好きだし客観的に見れば両者とも魔々勇々と同じかそれ以上に危うい掲載順の推移だけど、別にこの2作品はそこまで打ち切り心配しながら読んでないからな…。
 
さて、本当のところは読者視点でわかるわけがないんだけど(全く畳みにかかってないのに1話で突然最終回になる漫画だってある)、世間で言われているのは「展開を急ぎ過ぎているように見えるから、最終回が近い」というもの。
確かに巻いてはいるのかもしれない。本来は修行パートにせよ突入パートにせよ、もう少し話数をかけることだって考えられる。

でも、魔々勇々世界の奥深さは、グリシャを打倒したことで終わる程度のものではない。
エンドとエヴァンの因縁はグリシャに起因していない(多分)し、ハロハロ絡みの世界の謎はまだその一端にしか触れていない。
少なくとも、新章で息切れするようなことはないように伏線はしっかり散りばめられている。

そして、連載継続のため今以上の人気が必要なのであれば、ミネルヴァがいない状態で物語を長く続けるのは得策ではない。 
更に、他の連載陣を見る限り、なんだかんだでバトル漫画の人気が跳ねるのは見開きでかっこいい技を放つ瞬間なのだ。
そのためにはコルレオの成長を急がなければならないことも頷ける。
 
以上から自分が考えるのは、「ミネルヴァを奪還し、コルレオが絵面としても派手な戦い方ができるようになった状態で新章開幕 」というものだ。
自分が編集でもこうアドバイスする。
そして、予想しかできない以上、「終わるかも…」などと考えずに自分にとっての理想の未来を描いて読むほうが楽しい。

いずれにせよ自分は、今の展開にも新章に展開にもわくわくしている。
この漫画をこれからも読むためにできることはアンケートを投じてコミックスを買うことだけなのだ。
ここまで読んでくださった方、長文にお付き合いいただきありがとうございます!一緒にアンケートを出して応援していきましょう!

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