魔々勇々第2話「走れコルレオ」感想(ジャンプ42号)

この記事で掲載している画像は全て2023年週刊少年ジャンプ42号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

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面白い!嬉しい!当面、ジャンプで一番最初に読む漫画は魔々勇々で確定した。走れコルレオが何重にもかかっているのがエモい。

今週の一コマ「言わせるな意地が悪い」

言う直前。かわいい

今回はここが一番刺さった。
マママかわいいよマママ
泣き腫らしてすねた顔→頬赤らめ→「言わせるな意地が悪い」
たまらん。
単純にかわいいのはもちろんだけど、数コマでハロハロとの関係とかそこまでの経緯をなんとなく想像させる構成もすごい。
マママは勇者の自己犠牲で終戦させることなんて望んでなかったんだろう。
魔王と勇者なんて宿命に付き合う必要なんてない。そう思うからコルレオに勇者の説明をしなかったってあたりが読み取りやすい。

【交際経験 あり】

1ページ目の上下二分割の構成が好き。
前回は勇者要素強めだったけど、あくまで勇者と魔王の物語だということを強調するコマ割り。

フレーズが絶妙だよなあ。絶対目が止まる。
身長、趣味は無難だけど、限られたスペースに盛り込む情報に「交際経験あり」
こっちに与える想像の余白がすごい。
単なる記号的な存在じゃなくて一個人として生きてきたことが感覚的に理解できる。
前回でもマママの人間臭さは既にしっかり出てはいたけど、段階が一つ違う感じ。

「何で?今言えば?」「そういうトコが女にモテんのだお前は」

親に絶対言われたくない。
勇者について悩んでないときだったらコルレオしばらく考え込んでたよこれ。

走れコルレオ誕生日の子供のように

コルレオが本当の意味で勇者になったのは前回じゃなくてここなのかなと。
本物の聖人君子じゃない限り、滅私で人を助け続けることは難しい。
少なくとも基本的には普通の少年メンタルのコルレオも同様なはずで、感謝がなければ心の拠り所がいつかはなくなる。
ハロハロが本当に自分を勘定外に置けるとしたら、マママの言うとおりある意味異常だったんだろう。

自分より強いエヴァンに勇者として認められても心の奥底には届かず、助けた相手からの「ありがとう、あなたが勇者でよかった」というシンプルな感謝の気持ちはしっかり届く。
感謝を受け取ったことで本当の勇者としての自覚が芽生えて走り出す。
想像上のエヴァンはすれ違ってすぐ消えるのに対し、感謝してくれた子はずっと視界に入っているのも象徴的。
読み込めば読み込むほど本当に面白い漫画だ。

魔王でありながら弱かった

マママ普通に弱いのか。
すごいな。「魔王最強!」というリーサルウェポンを放棄するとは。
「弱かった。歴代魔王と比べればな」
とかいって無双するところも見たいけど、今週普通にやられているところを見ると本当に弱いのかな。
ただ、そうなると魔人側で魔王を担ぎ上げる必要もない気がしてくる。
紋章の力が大事ってことになるんだろうから、紋章の効果が明らかになるのが楽しみ。

ワシは お前が 傷つくのが嫌じゃ

心情描写がうまい。
大義とかじゃなくて、自分にとって大切な人を失いたくないというマママの性格はここからの台詞だけでこれ以上掘り下げ不要。
良くも悪くも「普通」に優しい。
「分相応」という言葉を使うマママ自身には重い宿命が課せられていた(今も?)のが悲しい。
コルレオに勇者の話を頑なにしなかったのも頷ける。

そして意を酌んで素直に謝るコルレオがすごくいい子。
主人公は素直ないい子が絶対読みやすい。
一瞬照れかけて、涙を自分が死にかけたときのものと重ねて真剣に受け止めるあたり、マママは良い育て方したんだなって。

走れコルレオ脱兎の如く

開くトラウマの扉

勇者としては本当は逃げちゃいけないんだろうけど、1コマ前からこのコマの、物理的にトラウマを引き出す演出が逃げることに説得力を与えている。
狙いは勇者らしいって情報に加え、体を引き裂かれた経験を思い出させられたらそりゃ咄嗟に逃げるよ。
この演出好きだなあ。

走れコルレオ勇者のように

引き返すのに葛藤のコマがないのがいい。
逃げるには理由が必要だけど、大切な人を守るのに理由はいらない。
正に勇者。
2話かけて悩んで、マママを守る瞬間は一切の心情描写なく拳でぶん殴る爽快感。
おもしれー。

まとめ

いやー、面白かった!
面白くて嬉しく感じるってことはすっかりファンになってしまったんだなあ。
なんで今回の犬みたいなやつは魔王にも勇者にも攻撃してるの?とか、命を犠牲になんで終戦に導けるの?とか引き続き謎が増えてるのもいい。
大筋はぶれないから展開で楽しめて、翌週を待つ間に謎を考えられる理想の漫画。
アンケ出して応援します!




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