魔々勇々第6話「会敵」感想(ジャンプ46号)

この記事で掲載している画像は全て2023年週刊少年ジャンプ46号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

第7話感想はこちら

コマ割りが独特とかチェンソーマンに似てるとかではなくもっと中身の話題が増えるといいなと思う今日この頃。
こんなに面白いんだから内容の話しようよ。

異世界魔王がしっかり出てきて、毎回期待どおりの展開で嬉しい。
こちらが期待するエリシアとのいちゃいちゃを描きながらも本筋をしっかり進めるバランス感覚が素晴らしい。
何より対話姿勢で見せてくれたコルレオの圧倒的主人公感が最高だった第6話。

え?いや全然 何か言ってたっけ

真顔(2回目)

コルレオ、そういうところだぞ。
「いや全然」の顔なんてサイコパスのそれになってるじゃないか。
覚えてないとかじゃないんだよ。
明らかに何か言ってるでしょうが。
言ってなきゃ聞かないでしょうが。
覚えてないにしても雰囲気察して聞くことができるコミュ力が勇者って前回示したじゃないか。
なんで前回あんな大人な対応ができたのにそうなっちゃうんだよ。
紋章のストックと一緒に包容力もゼロになったんか。

しかしエリシアの真顔に笑ってしまう。
前回の「重いけど大丈夫!」のときは、真剣なコルレオを見直した的なニュアンスの真顔かなと思ったけど違うな。
相手にスカされると真顔になっちゃうだけだこれ。
先週あの緊迫した場面で重くないよってフォローしてもらうことを期待してたのか。
よくあの段階で相手の反応に依存できるな…
物理的とは違う意味で重い(歓喜)
創作もののヒロインは多少重くていい。

冒頭のコルレオ…って呼びかけがエリシアだったら重いを通り越して怖いけど、さすがに何かの伏線かな。
コルレオが起きたときにエリシアがなぜか棒を持ってるのも気になる。その棒何か意味あるのか?掃除道具とかならわかるけど、棒…わからん

エスカバ・ダップ・ミストレア

全キャラ即時にキャラ立てできるのすごい。
ちゃんと勇者の次で魔王を出す良いテンポ。
外見は人型。というか魔人型か。
発言、表情から真意が読み取れない絶妙な描写。
魔人がほとんど滅ぼされた世界にいたのに、別世界だからという理由で突然人間と仲良く出来るものだろうか。
他方で、仲間を最優先にするためにその他を割り切るという考えも成り立ちうる。
コルレオの信用しきれないけど信じたいっていう言葉に全面同意。 
敵対せずチーム組んでくれ〜

名前も非常に魔王っぽくて良い。
イナズマイレブンに元ネタあるらしいけど、組み合わせてここまでそれっぽくできるとは。
引き続きミドルネームとファミリーネーム付き。
エンドにも名前の続きがあったんだろうか。 
エスカバが人型だったことでエンドの特異性が際立ってくるなあ。

3人で…ゆっくり話そうぜ

めちゃくちゃ好きなシーン。
対話から入ろうとするコルレオは本当に好感度が高い。
現代社会に一番大切な姿勢だよ。
先週の感想で見せてほしいと言った「コルレオならなんとかしてくれる」って感じの強さを精神面で見せてくれた。
マママが勇者について話してくれなかった期間が長かったからこそ、自分はまずは対話したいって部分もあるのかな。
すれ違いとか情報格差で展開を作りがちな少年漫画で、正面からニュートラルに対話を求める主人公最高です。
まだ何も知らないんだしさ」といい、前回の弱さをさらけ出す場面といい、自分の不足を素直に認める強さがコルレオの美徳。

さて、まさかの「魔勇々」3人チームで事件の解決に取り組むことに。 
ここにマママが加わると晴れて魔々勇々になるけど、さすがにここにマママ入ったらコルレオ的にきつすぎる。
母ちゃんに女子の前でテンパる姿見られるとかどんな罰ゲームかと。
うーん、マママを復帰させるにはどうしたらいいんだ。

裏で糸を引くのは前回のシルクハットか。
世界が交錯したのはエヴァンのせいのはずだけど、それを利用できる上位存在がいるとすると世界観が多層的で面白いなあ。

キャラが魅力的な漫画だから掛け合いの生まれる3人体制いいね!って思ってたらその話のうちにどんでん返しされるとは。
ただ、今回のエスカバのスタンスが全部本心だとすると、チーム全員が良い子すぎるので来週明かされる真意が気になるところ。
最後に見せたギザ歯の笑みから見える腹黒さや冷酷さがあるキャラを期待。
このコマかっこいい。

この表情が本性でありつつ味方であってほしい

価値観そのものがズレてる感じが理想。
その上でチームを組む方向性はそのままであってくれ。

考えが古い…

と話すベンは人間の参謀。
中央軍にもしっかり魔人と人間がいる。

リスクを負わねば結果がついてこないというパンネロの考えは古今東西に通用する考え方で、これ自体は古くない。

ただ、ベンが古いと言いたいのはリスクの取り方だろう。
過度なリスクを取る考えは確かに古い。
現代では炎上リスクは避けるに限るというのが一般的。
ただ、この3人でチームを組ませることの何がリスク何が成果なのかが曖昧なので、現状のリスクと結果について考えてみる。
リスク:勇者(コルレオ)を失う、対策不備の状態での予想外の事態発生、情報収集のチャンス喪失
結果(成果):魔王の狙いや本性・異世界の情報判明、味方増加。どれも3人が仲良くなればこそ得られるもの。

こう考えると、リスクも成果も納得性はある。
後はそれぞれをどう評価するかの問題だから、上司のパンネロが下した結論にベンが内心不満を抱きながらも従うのは組織として正しい。
常識的に考えれば未熟とはいえ唯一の勇者を失うリスクは取らない気がするので、パンネロは確かに古いかも。
若干の違和感も説明するあたり丁寧な漫画だ。

パンネロのおかげで早速エスカバの紋章術が明らかになったけど、「僕の紋章術」という以上、それぞれタイプが違うのか。
何でもできたエヴァンが異常だっただけなのかな?
コルレオは「移動」に特化したものと考えると説明がつく。
今のところは加速、浮遊。いずれは世界線の移動?

何やってんだ テメェ

丁寧と思ったそばからこれである。
「何やってんだ」があまりにもごもっとも。
全方位的にごもっとも。
リスクを取るといって何らの警戒態勢を敷かなかった軍も。
ある程度の自由を与えられながらいきなり蛮行に出たエスカバも。
マママ退場の傷癒えぬ間に新ヒロインまで退場させようとする作者も。

ただ、来週納得いく説明が来る気もするので今は何ともいえない。
わざわざ手をピクっとさせた以上、エリシアが退場しないことは間違いないだろうし。
人間側は、エヴァンの例から魔王が暴れたらそもそも対応できない武力差を感じ取った上で、「暴れるならいつでもできるはず」という理由で警備を敷かなかった可能性はあるかな。監視はしてほしいけど。

予想としてはエスカバ発案の狂言。
異世界側からすれば自分たちがどのように扱われるかを試したいというのは無理からぬ話。

エリシアの指の曲がり方がおかしい点や血も含めた予想としては、

①エリシアが作業してるときに不注意で突き指
②それに気付いたエスカバが狂言を提案
③エリシア、コルレオの真意を知りたいという重い発想から承諾。手がピクって動いたのは怒ってくれた嬉しさによるもの。いや重いわ!
④血はエスカバの紋章術の影で偽造。紋章の点が1つ減ってるのはそのせい。

あたりかなと。
エスカバの動機は、コルレオの強さ試し・監視体制の確認・エリシアとエスカバを本当に味方と捉えているかの確認か。
大穴でエスカバのラスボス化もあり得るけど、メタ的に考えてマママを守れなかったコルレオにエリシアを守れなかったイベントはぶつけまい。ぶつけないよね…?

まとめ

何度も言うが、今までで一番コルレオの良さが出たと思う。
今までと違い、ゆとりをもって課題と向き合い、「ゆっくり話そうぜ」と提案する姿がジャンプ漫画では新鮮だった。

そして毎回強いヒキで締める展開力がすごい。
また来週が楽しみにできる。週間漫画向きだとつくづく思う。
予想はしたものの、どの展開にも取れる描写が散りばめられていて安易な予想を許さない。
狂言だとしても違和感があるし、悪意があるならコルレオを呼ぶ必要がない。
いや~先が読めない。

自分の中では既に看板漫画になっている。気合を入れてアンケート出します。

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