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魔々勇々第21話感想・考察&感想記事への思い入れ(ジャンプ11号)

この記事で掲載している画像は全て2024年週刊少年ジャンプ11号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

次回はこちら

サブタイトルは「戦慄!~恐怖のおばけ屋敷の巻~
カラー絵と「魔王×勇者×霊!!?」の煽りと組み合わさって一枚のポスターとして完成されてるなあ。

ってことで今回はセンターカラー!
単純に林先生の絵が好きなのでカラーで見られるのは嬉しい。
ファンアートや深い洞察に基づいた考察が増えてきたのも嬉しい。
掲載順を気にせず読めるのも嬉しい。
でも依然油断できるような状況ではないのでアンケートは絶対出し続けましょう!

1話1話が本当に濃いな…作画の密度も濃いしキャラ描写も濃いし情報もめっちゃ出てくるしやり取りの中にギミックも仕込ませるしギャグも入れるしで、週間連載でこれやるってどういうことなんだ?7日間ってそんなに長いのか?と思わされる第21話、感想いってみましょう。

◆カラー絵

【朗報】林先生、絵が上手い
書影レビューのときも言ったわ。
だって上手いから…

1巻書影までは、普段の絵と比べたときにカラー絵に特別な何かを感じることはなくて(もちろん上手いんだけど)、むしろ物語の中に出てくる表情、さりげなく見せる背景、モチーフとかの漫画表現としての絵が好きだった。
でも、1巻書影と今回のカラーはそのあたりの魅力が1枚絵に凝縮されていると思う。

今回のカラーは、ひとまず揃った仲間メンバーを特徴も強調して出しながら(ラルフレッドも見たかった…涙)、これから侵入するお化け屋敷のわくわく感まで感じられる1枚絵として楽しいカラーでした。
モニカの色、兎をイメージしてる感じですね。
ギャグ部分は頑なにエリシアに担当させるスタンスほんと好き。

◆「いやいいよ無理しなくて」

コルレオは本当にコルレオだなあ!(歓喜)
お姉さんぶりたくて無理してる女性にどうしてそうもデリカシーがないんだ。
でもコルレオのやっちまってる発言に真顔以外で返すエリシアは初で新鮮。
なんだかんだで仲良くなってるなあ。
めくったページの先で落とすのはお約束。

「タダの子供騙しなのよ」

そういえば明らかな強がりなのはモニカも同じなのに、コルレオこっちにはコメントしないんだな。
本来相手の立場・感情に配慮できるのがコルレオの良さだもんな。
分かんないのは男女の機微だけなのか。
主人公が鈍感っていうのは漫画のあるあるだけど、コルレオのこの鈍感さにはなんか納得感がある。
マママに勇者性を育まれる中で、人の気持ちの理解できる優しい子に育った半面、マママ以外の女性を知らないせいで恋愛的な要素が絡んだコミュニケーション能力が一切育たなかったと。

◆ホラー描写

モニカの言う通りありきたりでオチが読めるホラーではあるんだけど、明らかにハンターハンターの「コムギ…いるか…?」オマージュでクスリとさせられる。
ノック2回のイエスを後で生かすのとかほんとうまいよなあ。

「スケベしようや!」

毎週ハロハロが目指したのと違う形の自由さを発揮してくるなこの漫画は。
「ここは慎重に…」から「エリシアァ!!」ってなっちゃうコルレオに笑う。
お化け屋敷というギミックを存分に活かしてサディコへの期待感を煽る展開。
不気味さと強さとしょうもなさが同居してて早くページがめくりたくなる。どんな奴なんだ…

◆情報開示パート

魔人と人が争うことを前提とした世界への詳細な言及は今回が初。
エヴァンについてもついに掘り下げくるか!?

・モニカ過酷すぎるだろ…

え、和服だったのって生贄の風習とかからきてたの…?
争うことが避けられないなら紋章術の力を制限することが互いにとって一番の牽制。
不戦の意思を示すのに、魔王勇者を差し出すこと以上に効果的な手段は中々ない。
ないけど…
「人から求められて」ではなく「魔人側が申し出て」魔王を差し出すという社会システムの中、魔王として生まれてしまったモニカの絶望は如何ばかりか。
便利ではあっても戦いにそれほど役立ちそうもないモニカの紋章術を見て、そのシステムを変えようと言い出す魔人はいなかっただろう。
「今モニカを殺してみてよ」
って聞いた瞬間諦めの表情見せるの悲しすぎるよ…
だからこそ、それを否定するコルレオの勇者性が際立つんだけど。

・君の中には別の魂が混じっている

これは!明らかに過去を探れるパターン!
次週が待ちきれない!
エヴァン、「力を分け与える」って言ってたけど紋章術を分けるというのはそんな単純なことじゃないんだろうな。
魂って概念がある世界なら、魂の片割れが紋章を媒介に一人の器に併存することはあり得るだろう。
紋章から過去を探れるとすれば、エヴァン側を探ることもできるだろうし、ハロハロを探ることもできるだろう。
ハロハロはマママから聞けることを考えれば、今回はエヴァン側か?くるのか?

◆コルレオ

分けて項目作っちゃったくらい今回の主人公っぷり最高です。

観覧車救出のときを見ても分かるように、コルレオはモニカを戦力としてもちゃんと計算している。
それでも手を震わせて怯える姿を見て、あえて何の力も発揮できないサイズに変身させることで、「何かの力があるからではなく、傍にいてくれること自体に感謝している」ことを伝える。
紋章三つ消費するくらい大変だったのに、「良いアトラクションだったよ」って答えるところまで含めて、かっこ良過ぎるぜコルレオ…

その後も、モニカの諦めに重なる早さで提案を断り、戦う選択肢を選ぶしかない以上、一切の迷いなく戦闘の決意を2回のノックで返す。
ここ、少しの迷いでもモニカに不安を与えてしまうことが分かってるからこその返事の速さだよね。

モニカの諦めの早さをかき消すコルレオの返答

そして読者が気になっている「理由があっても一般人巻き込んだ時点でダメでは?」をガツンと言って扉を開く。
勇者だ。この人勇者だよ!
「最近いいね!」とかじゃなくて完全に王道ど真ん中主人公になったなあ。
登場人物が進むべき方向を迷ったときに、迷わず道を示してくれる信頼感のある主人公だと思う。

◆サディコ

・60過ぎの年寄り
・クソ強くて性格はクソ
・無駄に多い絵文字のおっさん構文からのスケベしようや
・少なくとも、捧げられてきた生贄は拒否せず受け入れてきたサイコパス
・事情は大体知ってるという物語の導き手要素
・「まるで変態じゃないか!」←嬉しそう
・外見!!!!!!!!!

新キャラの破壊力が凄すぎる。
個人的には、漫画の人気というメタ的な視点からすると色気のある男性キャラをそろそろもっと登場させたほうがいいと思ってた。
ラルフ、エヴァンのカラーでもう一人男性キャラいれば相当な強みになる。
でもさ、いいじゃないかそんなことは。

期待を絶対に外さない

このキャラ登場させられたら平伏するしかないじゃないか。
林先生が描きたいキャラを描く以上に面白い展開があるわけないじゃないか。
1コマ即堕ちです俺は。
先週の遊園地即堕ち3人衆を全く笑えません。

少しだけ考察すると、ビクンビクン言いながら何か飲んでるっぽいコマからすると、霊薬で外見も操作できるおじいさんなのかなって気もする。
その霊薬は、生贄から抽出できる成分から作るとかあり得そう。
抽出すると紋章がなくなって、魔王はただの魔人になる。
代わりにまた魔王が生まれる。
魔王ではなくなった魔人は返すわけにもいかないからサディコの下で助手とかしてる。
これだとサディコ別に悪い奴じゃないってなるし整合性がつきそう。

でもやだ!
サディコは普通にこの見た目で年齢不詳サイコパス女性がいいです僕は!

◆オチ

これだけ濃い展開なんだから、最後に登場させる必要全くないのにバニースーツ着せられてオチを担当させられるエリシアの境遇に涙が止まらない。
ヒロインとは。
そんな魔々勇々が大好きです。

◆まとめ

もう感想書いててほんと楽しい!面白い!
魅力的なキャラが次々出てくるのは間違いないんだけど、お色気路線ではないところが好きです。
サービスシーンがあったらまあもちろん喜ぶんだけど、お色気シーン多い漫画を「好きです!」って言いにくい層もいると思うからさ。

感想記事への思い入れ

1巻の売り上げが好調で嬉しい。
重版出来を記念して、魔々勇々の感想記事を書くことへの思い入れを最後にちょっと語ろうかと。

魔々勇々の感想を書き始めて少し経ったときに、魔が差してまとめサイトの魔々勇々の感想を読んでしまったことがある。
たまたまネガティブな意見をまとめているものに当たってしまった。
心底後悔した。
Adoさんと同じく、自分も「自由な意見と配慮のない言葉は違う」という考えだ。
この考え自体も主観だし、批評との区別も難しいところなので何かを制限してほしいというつもりまではない。
ただ、自分としては、わざわざネガティブな言葉をチョイスしてまとめているサイトが検索上位に出てきてほしくないと思った。
あらゆる媒体で、魔々勇々を楽しもうという空気が醸成されることも、作品人気のためには大事だと思うから。
せめて、とにかくポジティブな言葉が並んだ自分の記事が「魔々勇々 感想」で検索したときに一番上に出るようになれば、作品の応援になるだろうと考え、ジャンプ発売日の更新にこだわるようになった。
面白いなと思った人たちがその気持ちを共有したいと思ったときに、「そうだよね!」と思える記事が最初に並んで欲しかったから。

結果として、変動はあるものの今は最上位に載るようになった。
いや、「こんな暑苦しいファンがいるのか…」って引かれてしまってたら林先生に申し訳が立たないんだけど、ネガティブよりはマシかなって…

もちろんジャンプ内の掲載順の上昇も、1巻の重版も、自分が何もしなくても起きていたことは間違いない。
こんなに面白い作品の人気が出ないわけがない。
そもそも、検索して感想記事を探す人自体相当な少数派な気がする。
それでも、基本的には自分が楽しいからやっているこの感想投稿の0.00001%くらいは作品の後押しになっていると嬉しいなあと思う痛いファンなのであった。
(でも当日更新体力的にきついから、今後は少し遅くなるかも…)

◆魔々勇々関連記事・ブログ紹介2

第2弾です。第1弾は第19話感想の最後でやりました。

紹介3 note記事【msykさん】

第14話から毎回魔々勇々の感想を書かれています。
簡にして要を得た感想。
感情に振り回される私の感想と異なり、魅力を冷静に分析しており、かつ、端的な文章の中にも毎回一つはグッとくるフレーズがあります。
個人的には20話の「何気ない日常はコルレオの守る対象のひとつでもある」という言葉が好きです。

紹介4 配信者【寿司(ことづか)いくらさん】

魔々勇々専門ではないですが紹介します。
ジャンプ感想を漁ったことのある人なら誰でも目にしたことがあるのではないでしょうか。

このとおりnoteで毎週感想記事を更新されている方ですが、お勧めは毎週前後編に分けて行われる感想配信(note記事にも動画リンクがあります)

全力で全作品を読んだ上で良さも悪さも真摯に語るその姿勢は尊敬の一言です。
感想を書いていると分かるのですが、「目当ての作品のついでに語っている」のか、「その作品にちゃんと向き合って語っているのか」で熱量は明確に差が出ます。
配信を見ればわかる、どれもついでというレベルではない語り方に敬服。
この方が褒めていると、お、ちゃんと漫画好き全体に刺さる内容だったんだなと安心できます。魔々勇々を楽しそうに語ってくれていて嬉しい。
ライブを見ながらチャットすると学校で友達とジャンプについて語り合っていたあの頃の感覚が味わえます。

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◆1巻レビュー
◆特別編 1巻書影を語る
◆特別編 魔々勇々の魅力

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