魔々勇々第9話「決意の朝に」感想(ジャンプ49号)

この記事で掲載している画像は全て2023年週刊少年ジャンプ49号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

次回(第10話)感想

おもしれー
語彙が少なくて情けないけど本当に面白い。
1話通して面白かったけど、特に最後2ページが最高だった。
「コルレオまた決意してるの?」って指摘には「コルレオまた決意してるよ」としか返せないけど、何回決意したっていいじゃないか。
勇者としての宿命を背負う決意と、世界の危機を救う決意は全然違うと思う。


俺がその時代を終わらせる

ってわけで、展開順に感想を書くべきなのはわかってるんだけど、どうしてもこの部分を最初に語りたい!

長期連載の大型エピソード終了時を思わせる

ちょっとミネルヴァが魅力的に過ぎる
気まぐれで人間の味方をしてるってレベルじゃなかった。
敵に移動させられた空間で、敵がどれだけいるかもいつ脱出できるかも分からない状況で、「足手まとい」を守り抜き、満身創痍でピース。
こんなかっこいいアイドルいる?
無事だったエリシアを見て安堵の涙を流すコルレオといい、このページのエピローグとしての完成度が高すぎる。
9話まででエリシアをコルレオにとって大切な存在にしつつ、ミネルヴァにコルレオにとっての希望足りえるほどの存在感を持たせるってすごすぎない?
えこひいきなのかなあ。
これ逃したらしばらくは出会えないくらい面白い漫画を読んでると思うんだけどなあ。

彼が見た光景(それ)は僅かな希望の糸口

このモノローグ、「光景(それ)」が一瞬何を示してるか分からなかったからちょっと分析してみる。
 
「勇者と魔王は争うもの」ということを痛感させられた。
それを理解できていなかったばかりにエリシアは窮地に立たされた。
救うために全力は尽くしたが、生きているかわからない。
魔王とは争うしかないという諦めと、仲間を失ったかもしれないという絶望。
噛み締めながら見上げた先にいたのは手負いの勇者を守り抜いた魔王。
悪戯っぽくほほ笑むその姿は「本来の役割」などというものに振り回されずに自分の意志を全うしたことを物語る。
「君には何もできやしない」という悪魔の言葉をはねのける力を持って。

 
自分としてはこう解釈した。
コルレオが見た希望の糸口は、ミネルヴァの存在。
マママ以外にも、役割に縛られない存在がいることの象徴。
ミネルヴァさんかっけえ。
単に「魔勇が協力して生還した」ことを示しているという面もあるかもしれないけど、エリシアがいい子なのはずっと分かってたし、ここで指すのは主にミネルヴァでしょう。
 
ミネルヴァが思った以上にキーキャラクターだった。
この役割を持つキャラクターを、前週に登場させるのは結構なギャンブル。
この子が魅力的じゃなかったら、「ポッと出のキャラクターに希望を見出す勇者さん()」とかになりかねない。
でも、そうはならなかった。ギャンブルは成功だと思う。
2話でちゃんとキャラを立てられるからこそ、そこまででコルレオとエリシアをしっかり立てられた。

パンネロの静止を振り切ってエスカバを止める、理だけにとらわれない芯の強い優しさ
アイドルというキャラクターにハマりつつも効果が使い手の実力に左右される紋章術
「自分の喧嘩じゃない」と勇者二人の覚悟を試す胆力
気丈に振舞いながら、いつ戻れるか分からない空間で怪我人を守り抜く覚悟
あれ?これ主人公か?
エピローグ全般として語るつもりが主にミネルヴァ語りになってしまった。
来週以降敬語で接するコルレオに期待。

その他感想・考察

パンネロ強し

ミネルヴァが苦戦している相手を3体同時に片づけられる強さは別格。
エスカバが言っていた血の匂いが染みついているというのはやはりパンネロのことなんだろうか。
文字どおり目の色が変わったときの迫力がすごい。
紋章術なしでこの強さは、鍛えているを超えた何かしらの異常性を孕んでいるような。

私悪い魔王じゃないよ!

ぷるぷるってつけたくなる。スライムじゃないけど。
思った以上にエリシアのダメージがでかい。
エスカバやりやがったな。
骨もだいぶイッてるのに紋章パンチさせたミネルヴァさんも結構スパルタ。
 
「ま…しょーがない…か…」に強者の貫禄があってめっちゃかっこいい。
実力不足のパートナーを精神的に圧迫せず、分析は冷静。
ミネルヴァ株完全にストップ高
そしてキラッと星型に光る目
先週はあれだけ綺羅綺羅星を発動しても一度も目は光らなかった。
相手の意識をずらすのがメインの使い道だとすると、自分の目にフォーカスさせてもあまり意味がない。
となると目が光るのはもしかしたら先週エスカバがやろうとしていた刻印解●(解放?解除?)なのかもしれない。
早く見たい!

※追記
目を光らせたのはエリシアを庇うため、自分だけに完全に意識を向けさせたのかもしれない。
そっちはそっちで男前すぎる。

ま グリシャとでも呼んでくれ

1回名前スルーしちゃったけど、エヴァンの友達の一人とTwitterで気付く

親友っぽいけど…

シルクハットがグリシャそのものなのか、グリシャを乗っ取った系なのかは分からないが、思った以上に腐った野郎だ。
エヴァンへの挑発で本当に適当に言っただけならすごい。
「お互い『もどき』同士」というセリフから、乗っ取り系かなとも思ったが、このもどきはエンドを指してるよなあ。
コルレオがエヴァンもどき、グリシャがエンドもどき。
いずれにせよやってることが黒幕らしくて非常によろしい。

あのエヴァン(せんぱん)を恨むんだね

グリシャ一人で何でもできそうな不気味さがあるが、あくまで世界の交錯はエヴァンが原因。
エヴァンにしかできない別世界への移動をやっちゃったから扉が開いてしまった。
話が進むごとにエヴァンの格が上がっていく。
第一話で死んだ勇者の格が話が進むごとに上がっていく漫画知ってるなあ。
「エヴァンならそうした」とかそのうちコルレオが言うんだろうか。
ヒンメルだったら絶対人に迷惑かけてまで別世界行かないけど

移植したんだけど弱体化しすぎてダメなんだよ

グリシャの目的はエンドの紋章術。
エンドとエヴァンどんだけ上位存在なのかと。
食う事は力を取り戻すための行為であって、力を取り戻した先のエンドの紋章術の効果は不明。
あの外見から考えても、規格外の強さであることは間違いなさそう。

死してなおグリシャの紋章への干渉を拒絶するエヴァン
コルレオが強くなるにつれてエヴァンの存在感も増していくのかな。
どこかのパワーアップイベントで内面からエヴァンが語り掛けてくるエピソードはありそう。
お前どの面下げてコルレオに説教するつもりだと思わないでもないけど
 
マママの紋章も、エンドの紋章術復活のために食ったことが判明。
紋章そのものを食べることが大事なんだね。
紋章の力ごと食われちゃた感じね…
うん…
マママ復活の道が…閉ざされていく…
十分面白いんだけど!エリシアとミネルヴァでヒロインは十分すぎるほどではあるけど!もったいないって!マママ出さないのはもったいないって!
ごめんなさいもったいないとかじゃなくて俺がマママ出してほしいだけです!
 
しかしあの目玉軍団みんなエンドのコピーか
本体消滅してもコピーがいるのはなんで?
紋章術の能力?
エヴァンとんでもねえ魔王を連れてきたんだな。

夢の為に頑張るのが人ってモンじゃあないか!!!

イカれ具合が最高
ヒロアカのAFOに似ている部分がありつつも、信念ではなく欲望に忠実なサイコパスって感じがまた違う読み味。
え…何コワ…あたりの台詞といい、反撃してきたことに対して無意味に煽り散らかしたりするのといい、いい意味での小物感が話し合いの通じなさを際立たせる。
君のせいじゃない!?とか楽しそうに言ってるのクズでいいなあ。
「人」って言ってるけど人なのか魔人なのか。
紋章があるのかすら手袋で見えない。

僕の嫌いな…異常な善者の眼…‼

この段階でラスボスに主人公が何もできないのは仕方がない。
覚悟の異常性で立ち向かうのは妥当。
少しずつコルレオのキャラが突き抜けてきた。ハロハロも喜んでる。
マママは多分泣いてる。この世界には自己犠牲を厭わない勇者しかいないんですか!

しかし、うーん、勝てなくていいから一発ぶん殴ってほしかった。
でも殴ったら殴ったでラスボスの格落ちが…とか絶対言われるししゃーないか。

10人以上の魔王と勇者

正に期待していた展開!
男側のデザインの曖昧さに比して女側は3人デザインが固まっているのに草生える。
林先生女性キャラに強みを発揮しすぎ。
左上の強気勇者が好みだけど、マママともミネルヴァとも違うキャラにできるんだろうか。
できるんだろうな。林先生のキャラの引き出しはもはや疑うべくもない。
いずれにせよ、どのキャラが出ても楽しみ。

本来の役割を全うという以上、魔王勇者が争うのはシステム上不可避なんだろうか。
魔王も勇者もエンドのコピーに紋章狙われるんだから、仲良くしたほうがいいと思うんだけどな。
コルレオの見た希望はこのあたりか。

まとめ&サブタイトル考察「決意の朝に」

AquaTimezの曲がサブタイトル。
懐かしいと思って歌詞を調べたら思った以上に魔々勇々にハマってたので引用。
 「不幸なのは自分だけって思ったり与えられない事をただ嘆いて三歳児のようにわめいて」
→完全に3話の蛇口と雛鳥!
 勇者って何だよってただ嘆いてた姿と重なる。
 でも蛇口はもう締めたもんな。

「どうせならこれからはいっそ誰よりも思い切りヘタクソな夢を描いてゆこう」
 →まだまだ弱いくせに時代を終わらせるとか言っていることがヘタクソな夢なのかもしれないし、魔王勇者の共存をまだ信じ続けることがヘタクソな夢なのかもしれない。
でも、夢の中身ではなく、「描いてゆこう」と口に出せるのが勇者の強さなんだろう。
今回は裏目に出てしまったけど、エスカバと対話しようとしたことだってコルレオの強さだと今も思ってるよ。

いずれにせよ、決意の朝を迎えたこの漫画の前途は明るい
…と思いたい。
アンケート出すから頑張って!今のジャンプ激戦すぎるよ!

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