魔々勇々第10話(ジャンプ50号)感想&自分が編集だったらどうするか

この記事で掲載している画像は全て2023年週刊少年ジャンプ50号「魔々勇々」(林快彦)から引用しています。著作権・肖像権等は全て権利所有者に帰属致します。

次回(11話)感想はこちら

日常パートや章と章の間のパートの面白さにその漫画の面白さの本質の一端が見える。
ガッシュやヒロアカの日常回、テニプリの焼き肉、ワンピの白ひげとシャンクスの対面、ゴンとジンの会話。

今回の話は、日常回として十分な面白さだった。
いや、さすがに例示した漫画には及ばないけど、話の動きがない中でのキャラの掛け合いがちゃんと面白いというのは大事な要素。
そんなわけで今回はキャラごとの感想。
キャラごとにコメントするだけで感想記事が成り立つんだからこの漫画のキャラの魅力はすごいと思う。
最後に、SNS上で批判されてる部分に自分が編集ならどう対処するか考えてみた。

キャラ雑感

ミネルヴァ

完璧で究極なアイドルである。
推しの子の主題歌のアイドルの歌詞を読むと、ミネルヴァと重なる部分が多くて驚いた。一番星を宿しているとかのシンクロ率すごい。

かっこいい
かわいい

なんなんだ、すごいなこの魔王。
コルレオが完全に食われてるぞ。
かっこよさ担当で、かわいさも担当して、それぞれの見せ場も引き出すんか。

最終的にバトルするってところだけが現実と異なるアイドルの概念。
本当に純粋にアイドルでありたいってモチベーションだったとは。
この世界のアイドルにすごい興味が湧いてくるんだけど、勇者も同じくアイドルしてるんだろうか。
ミネルヴァほどはっちゃけられなくて人気下位のアイドルに甘んじてそう。
ぜひ元の世界に帰ってほしいんだけど、グリシャ倒すことと帰ることはつながるの?って疑問については後述。

コルレオの「生きがいだ」、エリシアの「生きがいになるんだ」、コルレオの「協力できることを証明する」をそれぞれ聞いたときの表情が全部読者を代弁している。
もうミネルヴァを追いかけてるだけでこの漫画は面白い。

エリシア

登場時以降はインパクトを残していないけど、ジャンプGIGAのコルレオ君ゲームがめっちゃかわいかったから読んでない人はぜひ。

今回は、登場時からキーになっていたエリシアの主体的な目標が出てきた。

「生きがいになってくれませんか?」
の時点では、生きる意味を自分では見つけられていなかった。
「私が」生きがいになるんだというのは言葉は似ているが意味合いが全く違う。
でもこれ、「守れるくらい強くなる」とも意味が違うよね。
誰かの生きがいになるって惚れさせるとほぼ同義な気がする。
筋トレで主人公にアピールする新しいヒロイン。

小難しい話は置いといて、「コルレオ君の生きがいになるんだ」って台詞がかわいい。そりゃミネルヴァもにっこりするよ。

パンネロ

一人でエンドのコピーを半壊させる魔勇どちらでもないおっさん。
千程度しかないうちの500削るって別格すぎでは。
こいつに強いって言われるハロハロはさすがマママの交際相手。

メタ的に考えると、強すぎてパンネロいればよくない?ってなっちゃうし、退場しちゃうかなあ。
戦闘の弱いマママの心の強さを見て、自分がその代わりに誰よりも強くなると決意したエピソードがくるんじゃないだろうか。
グリシャが撒いた種に関連して少なくともピンチが近いうちにくるんだろう。

「仕留め損ねちゃった」
「もっかい行ってきてください」
の修羅場をくぐり抜けた者同士の信頼関係を感じる台詞のセンスが好き。
ベンもいいキャラしてる。

コルレオ

決意するかラッキースケベするかだな君は。

いや、さわやかでいい奴で本当に結構なんだけど。
「異常な善者」って特性は日常回では出ないよね。
普通に暮らしてて、どんなにいい奴がいても「異常な善者…!」ってならないもん。

新勇者

強権的な勇者ってちょっと珍しいな。
勇者がこれって地獄では。
次回以降フォローは当然入るだろうけど。

今まで出た勇者魔王は完全に話の中枢グループだったから、次の魔勇は結構重要。
男性キャラも女性2人くらい立たせられるかに期待。
 
そういえば4話でコルレオに友達がいないってことが判明したんだった。
こいつと友達になれるといいなあ。
まともに人と接していないところから6個上の自分を生きがいと言ってくれる巨乳→2個上の頼れる姉御肌巨乳って絶対まともな感覚育たないって。
今の境遇に死刑!って言ってやってくれ。

自分が編集だったら

※「まともな批判」なんてフレーズを使うけど、まともかどうか自体が主観的な基準ということは分かって使います。自分なりに世間一般のマジョリティに近い感覚を意識して分析できるよう努力はしますが。

以前書いた記事で「自分だったらこうする」と書いたら結構な範囲でそのとおりになった。
むしろマママ再登場以外は希望が全部通った。
嬉しい。ので、第二弾。

正直、個人的には展開はもう言うことがない。
こんなに面白い漫画を読ませてくれてありがとうございますって感じだ。
だけど、SNSではそれなりに批判コメントも見られる。
どんな漫画でも批判はあるけど、同期のツーオンアイス、カグラバチに比べると全体コメント数に対する批判コメントの割合が若干高いかなと。
それも、「つまらない」ではなく、設定関係に関するツッコミが多い。

原則、創作者は褒めにせよ批判にせよ、意見に影響されてはいけないと思う。
矛盾潰しに躍起になってスピード感を失ってしまうなんて最悪だ。
「大陸の形が十字なんて変」とかいう批判を相手にしてたらキリがない。
そういう人はグランドラインが世界一周してることにはどうせツッコまない。
要するに面白ければその程度の批判は止まるのだ。

ただ、中には「この欠点のせいで展開に集中できない」と考えている、まともな批判もある。

ジャンプ感想大家の架神さんが一ノ瀬家と並べるからには、分からない人には本当にピンとこないのだろう。 
架神さんは感情だけでコメントするような方ではない。アオハコは例外。

こういう批判点は、自分が編集者なら潰せるなら潰したい。
少なくとも興味があるから批判しているのであり、懸念を潰せればこの傾向の意見を持っている人達の意見は好意的なものに変わる可能性がある。

批判ポイント

最も多い意見は、「話の本筋がぼやけている」というもの。

それは確かにそう。
黒幕は出た。魔王勇者がたくさん出る世界観も理解できた。
ただ、結局何をすればいいのかは曖昧なまま。

個人的にはそこは気にならないんだけどね。
ハンターハンターなんてヨークシン、グリードアイランド、キメラアント編と、父親探しって目的を意識して読んでなかったし。

でも、一定数の読者がそこを気にするのは理解できる。
グリシャは倒さなければいけない。
でも、それによる他の勇者と魔王の積極的なメリットは?
元の世界に戻りたいがためにミネルヴァは共闘してくれたけど、グリシャを倒せば元の世界に戻れるのか?
魔王勇者は本来争うものって本当?
本当だとすればそれは遺伝子レベルで組み込まれているもの?
ミネルヴァとマママは争う宿命を乗り越えたのか?

このあたりが確かにぼやっとしている。

改善案

これを解決するために、
①元の世界に戻る手段の提示→前回グリシャに「世界の行き来は僕を倒さない限り一方通行」っていわせれば良かったかなって。これからでもその一言があればすっきりすると思う。
②魔勇の関係説明→魔王には闘争本能が備わっているとか、紋章術発現時に、通常は紋章の副作用で互いに反発しあうとか、何かしらの説明がほしい。その辺の理屈付けがあればおのずとマママとミネルヴァが例外的に緩和されてることの説明もできそう。

ただ、正直個人的にはその辺は自分の頭の中で補うから多くのページを割いてほしくもないかなとも思ってしまう。
他方、ジャンプで連載する以上、アンケートのためにある程度の多数の読者が気にする点は消化しておくに越したことはない。
このあたりの比較衡量で、自分なら①②に数ページを割くのかなあと考えた。
漫画を連載するって大変だなあ。

何度も言うけれど、自分は全く今までの展開に不満を持っていない。
魅力的なキャラが生き生きと動いていて、しっかり先が気になる展開なので、毎週楽しくて仕方がない。
仕事が大変なのに毎週月曜日が楽しみにできているのは明らかに魔々勇々のおかげ。
結局できることはアンケートを出すことだけなのだ。

過去話感想

第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話
◆特別編 魔々勇々の魅力


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