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🇮🇹イタリアと🇧🇪ベルギーの大学院(修士課程)でメディア学を専攻。本づくりの町・神楽坂を拠…

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🇮🇹イタリアと🇧🇪ベルギーの大学院(修士課程)でメディア学を専攻。本づくりの町・神楽坂を拠点にし、日欧関係の仕事と製本に励む。好きなことは「編集」すること。

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    🗣修士で学んでいるヒトの考え。

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    ヨーロッパの大学院での体験談、諸都市におけるまちづくりやコミュニティの取り組みなどをレポート。

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海外大学院の選択肢に悩んだとき、考えておいたほうがいいこと

イタリアとベルギーでそれぞれ一年ずつ、修士課程に在籍した形になりました。進学を志したときから、数ある選択肢に悩み。これまでの反省も踏まえて「もっと事前に心がけておけばよかったかも」と感じた部分をまとめてみたいと思います。 きっかけ・経緯 昨今の情勢で、物価高、円安、高まる授業料…。一口に海外大学院といっても、けっこう悩まれる方が多いのではと。奨学金に受かれば負担は軽いですが、そうでない場合は不安が付きものです。その上あまりある選択肢の中から、進学先をどう選定すべきか? プ

    • わたしが神楽坂に住む理由。

      イタリアとベルギーでの修士生活から、都内の神楽坂に惹かれて。個人的にとても気になったこの町に、今年の初めから住み始めました。 神楽坂とはどんな場所か日仏学院があるためか、どことなくフランスの空気感があります。本国で老舗のPAULをはじめとしたベーカリーが並び、カフェやレストランも。 巷では「小さなパリ」とも謳われますが、イタリア風土な香りも。北東部・フリウリ州の伝統料理店や、生ハムやカルボナーラの専門店、チーズのセレクトショップなど、バラエティに富んでいます。 たまたま

      • 発信力よりも「返信力」を鍛えよう

        SNSで発信力は鍛えられたけど、「返信力」がおざなりになっている気がする。 という直感(自戒込み)。 スマホで写真を撮るのも、インスタのストーリーも、ボタンひとつで「発信」は瞬時にできる。けど、他人への「返信」はテキストで打って返す分、微妙に手間がかかり、ついつい後回し。 で、結局返すのを忘れるケースって、メールでもSNSでもありそうです。だからこそ、「丁寧に返信(リアクション)できる人」の価値が、今けっこう高いんじゃないかなと感じてます。 ◾️私たちが「発信者」にな

        • 大使館で働きます。

          唐突ですが、先月から某国の大使館で勤務し始めました。 私は元々大学院(修士号)でメディア・コミュニケーション学を専攻してた身です。イタリアとベルギーに一年ずつと、主流な英米圏の留学と比べると、少ないケースかもしれません。 2023年9月に正式に修了し、しばらく職探しに励んでから、最終的に公館勤務に落ち着きました。その経緯を振り返ってみます。 大学院からの職探し大学院に行くともなると、特定分野での「専門性」を高めて、修了後はその分野で働くor研究を続けるイメージです。実際

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          「メディア学」を大学院の専攻にして。

          ベルギー(とイタリア)の大学院で、メディア学(media studies)を専攻してきました。 私は元々大学でリベラル・アーツの学部にいて、社会科学を中心に学んでいました。とはいえ分野が幅広かったため、「もう少し深く専門的な見識をつけたい」と考え。何をテーマにしようか、と思い至ったのが「メディア・コミュニケーション学」でした。 緘黙症と文章 メディア学は「コミュニケーション」と合わさり、「メディア・コミュニケーション学(Media and Communication S

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          ヨーロッパ諸国の写真集を出版しました。

          改めてご報告ですが、本(写真集)を制作・出版しました。 ◼️Amazon (紙版はこちらの方が安いです) ◼️試し読み & 電子書籍はこちら 収録国は11カ国(ベルギー、イタリア、イギリス、エストニア、スイス、ルクセンブルク、チェコ、デンマーク、オランダ、ポーランド、ボスニア・ヘルツェゴビナ)で、各国20地域の写真をレイアウトしました。 全206ページ、フルカラー。本の紹介は日本語も混ぜましたが、全編英語です。ただ写真が中心なので、言語が分からなくても雰囲気を感じてい

          ヨーロッパ諸国の写真集を出版しました。

          ヨーロッパの大学(院)に行く時に、やっておきたいこと

          こんにちは。ここ一年、ベルギーの院で過ごした者です。 以前、海外の大学院を目指す人を対象に書いてみたのですが、今回は実際に進学が決まった人におすすめしたいことをまとめてみます。 私自身のバックグラウンド(イタリアとベルギーの大学院で一年ずつ。学部時代はオランダ&イギリスへのプチ留学経験あり)から、特に欧州圏にフォーカスした内容となっていますが、他の国々に行かれる方にも当てはまるかもしれません。ご参考になれば幸いです! ◼️現地のメディアをフォローしておくまずは情報収集の

          ヨーロッパの大学(院)に行く時に、やっておきたいこと

          修士論文の一年で身についたことや、反省点。

          🇧🇪ベルギー大学院での修士論文がようやく終わりました。一年かけて長かったなと思いつつ、「実際にこの体験から得たこと(+ヒントや反省点)」を振り返ってみます。これから修士をやる方のご参考になれば幸いです…! ◾️リサーチの徹底性当たり前ではありますが、リサーチ時の徹底性が磨かれたと実感します。ある特定のトピックに接し、「なんとなくニュースで見たり、知ってはいるけれど、実際の細かい現況は分からない」ことへの解像度を高めていく作業として。 もちろん人それぞれの経験から、ある程度

          修士論文の一年で身についたことや、反省点。

          留学中に英語で話せないときは、「仮説思考」を巡らす。

          海外留学のあるあるで「講義中にうまく発言できない」「グループワークで話せない」があります。 英語力が足りない、間(ま)を取らずに話し続ける文化に馴染めない、プレゼン重視で慣れない…。特に日本的なカルチャーで長年過ごしてきた人にとってはいろいろな理由が思い当たり、落ち込むことも少なくありません。 自分自身も控えめな性格柄、わりと苦労してました。もちろん上述した一連のこともあります。ただ何年か過ごすうちに「もっと根幹的な要因があるのでは」的に意識し始め、それから次第に変わって

          留学中に英語で話せないときは、「仮説思考」を巡らす。

          AI・自動翻訳が進んで、逆に外国語を学ぶ意味が増すかもしれないワケ

          AIや技術の急速な進化とともに、「これから全て自動翻訳の時代になるし、わざわざ英語を身につけなくてもいいのでは」という考え方が日に増している気がします。 確かに、DeepLの精度はすごいし、海外の論文なんかはだいたい読み解ける。会議の自動通訳も進展し、語学関連で必要なくなる職種が増えていってもおかしくありません。 ただ、あえて別の論理で「今後技術が進展すればするほど、逆に語学スキルを抱くことの価値が増すのではないか」という説を唱えてみたいと思います。 二つのコミュニケー

          AI・自動翻訳が進んで、逆に外国語を学ぶ意味が増すかもしれないワケ

          Noteを始めて5周年。私が書き続ける理由

          Noteのアカウントを開設して、5年が経つらしい。なんと、もうそんなに経つんだと。私はひとつの物事を何年も続けるのが苦手なタイプなだけに、ちょっと感慨深い。わずかにでもひとつ誇れることかなと感じ、嬉しさがある。 ということで、私にとっての「書くこと」を振り返ってみようと思う。 書きつづける理由なぜ書き続けるんだろう? 暗闇の洞窟で、たいまつで目印をつけていくような感覚に近い。RPGでいうセーブポイント的な。あるときに自分がどんな興味あったか。大切にしてるキーワードってな

          Noteを始めて5周年。私が書き続ける理由

          2023年。大学の雰囲気がだいぶ変わった。

          コロナ後のリモートと、ChatGPT。 この二つが浸透し始めたせいか、私が今通う大学院(ベルギー)での講義も、だいぶ雰囲気が変わったように思う。 学生: 出席しないのがスタンダード?とある講義で、グループワークの課題が出た。メンバーはランダムに割り当てられ、3人の女の子と一緒だった。全員で一度顔合わせをしようと、授業前の時間にカフェで待ち合わせる。どんなプロセスで進めていくか、テーマをどうしていくか…。トントン拍子に話は進み、雑談も交えながら打ち解けていく。 特に問題もな

          2023年。大学の雰囲気がだいぶ変わった。

          駆け出しデザイナーが、初案件から学んだこと

          最近、編集デザイン(冊子)の初仕事をこなしました。デザイナー初心者として考えさせられることがめっちゃあったので、まとめてみます。 経歴 & 経緯都内のデザイン学校に9ヶ月ほどいて、Adobe Illustrator, Photoshop, InDesignのベーシックを一通り習ったレベルです。以降、仕事のちょっとしたお手伝いに飲食メニューやパンフレットを軽く作ったり。 今年に入ってふとスイッチが入り、InDesignを使った書籍編集にハマってました。その経過をインスタのス

          駆け出しデザイナーが、初案件から学んだこと

          AI時代、文系的な大卒の身から思うこと。

          ChatGPTの流行がすごい。サービス開始からわずか2ヶ月で、月間アクティブユーザー数が1億人を突破したらしい。 「世の中のいろんなことを知れたらいいな」と思い、私は教養学部の大学に入った。英語で社会科学の学問に励めたり、留学する機会があったのは良かった。ただ、ひとつ大きな後悔として、理工学系のリテラシーに一切触れられなかった点がある。 当時、AIや機械学習の授業はあったものの、メジャーは国際関係やビジネスで、どちらかというと影が薄い存在だったように思う。そもそも、自然科

          AI時代、文系的な大卒の身から思うこと。

          ベルギーのKU Leuven (ルーヴェン・カトリック)大学院に入りました。

          少々今更ながら、2022年9月からベルギーのKU Leuven大学院・修士課程に移籍しました。 もともと、後一年近くをイタリアで過ごす予定でしたが、ヨーロッパの中でも宗教的な風土や文化観での細かな差異を意識し、「より学業に励める環境に行きたい」と思うように。 結果的にベルギーに落ち着いたわけですが、振り返りも踏まえて、思いを整理してみます。 KU Leuven (ルーヴェン・カトリック)大学院にした理由いろんな要因があるのですが、軽く列挙してみると、 ざっくり言えば、

          ベルギーのKU Leuven (ルーヴェン・カトリック)大学院に入りました。

          イタリアでの一年間を振り返る。

          前回の記事では、イタリア暮らしの一年間を「アナログさ」という言葉で締めくくってみました。 コロナ禍の制限、ウクライナ戦争、エネルギー高騰と、大変な世情の中で滞在することになりましたが…。今回はイタリアに一年間いる中で、より具体的に何を得て、どんな葛藤があったのか?をまとめてみます。 ■ <得たこと> 「地理」や「都市」への好奇心が、飛躍的に増大まず、ポジティブな面で。自分の人生でこれ以上になく、「地理」「都市」への興味が湧いたなと感じます。 大きなきっかけのひとつは、私

          イタリアでの一年間を振り返る。