読書会報告⑥~4月の読書会で紹介された本です~
遅ればせながら、4月の読書会の報告です。
4月は、こんな感じの本が紹介されました。
・『謝罪論 謝るとは何をすることなのか』(吉田哲也:著)
・『自省録』(マルクス・アウレリウス:著 神谷美恵子:訳)
・『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』(KADOKAWA)
・『こころで感じる「はな言葉」』(葉菜桜花子:著)
・『センス・オブ・ワンダー』(レイチェル・カーソン:著 上遠恵子:訳 川内倫子:写真)
・『原発はなぜ危険か 元設計技師の証言』(田中三彦:著)
・最初に紹介されたのは、『謝罪論 謝るとは何をすることなのか』という本です。この本を紹介してくれた方は、読書会に参加するうちに自分も何か読んで紹介したいと思い、持ってきてくれたそうです。元々、謝るとはどういうことなのかという問いを持っていて、たまたま本屋さんでもオススメコーナーにあったので、手に取ってみたそうです。ただ、内容が哲学寄りというか、けっこう難しく(ヴィトゲンシュタインの言語ゲームの理論を持ってきているよう)初めての本紹介にはハードルが高い一冊でした。ただ、目次などを見させてもらいましたが、謝るということを小学生にどう説明するかから始まって、様々な種類の謝罪事例から、謝るとは何をしていることなのかが系統だてて書いてあるようでした。難しいかも知れませんが、次回以降もチャレンジしてもらえると嬉しいなと思います。
・次に、『心で感じる「はな言葉」』の紹介です。著者の葉菜桜さんは、SNSでも花びらや植物を使ったドレスの画像をアップしており、実際のウェディングドレスのデザインにも、使われていたりします。はな言葉と通ずる偉人等の言葉も一緒に乗っており、見ているだけで楽しめる一冊になっています。
・続いて、『自省録』と『鉄壁』の紹介です。『自省録』は、マルクス・アウレリウスが書いた哲学的な日記とのことです。宇宙の法則から、自己を考えるなど、ストア派の考えが入っています。紹介してくれた方は、自分に降りかかる苦難などの運命をいかに克服していくかというところで、感銘をうける部分が多かったと話していました。この本は、じっくり考えながら読みたいとのことで、また次回以降の紹介に期待です。私自身も、ストア派には全く詳しくないので、一度読んでみたいと思います。
『鉄壁』は、意味ごとに英単語の説明が書いてあるので、関連付けて英単語を覚えたい方向けの参考書とのことです。年齢を重ねていったり、様々な経験をしてくうちに、資格やTOEICで点数を取るよりも、自分の楽しみとして英語を勉強しようというように、気持ちが変化してきたということで、この本を紹介してくださいました。こういった事を聞くと、なんだかこちらも嬉しくなって来ます。
・『センス・オブ・ワンダー』ですが、この本は『沈黙の春』を書いたレイチェル・カーソンの遺作です。本人が存命中には発表できず、亡くなった後に親族が彼女の意志を継ぐ形で出版されました。本の内容は、著者が、小さな男の子と自然との関りを通して、何を感じたか、何が大切なのかを語りかけてくるような内容になっています。誰もが子供の頃に持っていた、身近な自然に対して興味をもち、驚き、時には怖さを感じ、時には美しさの前に時間を忘れるような、そんな感性をいつの間にか失っていませんか?という、大人に対して問いかけているような本です。読むたびに、毎年繰り返しやってくる自然のサイクルの中にも、全く同じ瞬間はやってこないことや、そういった感性を失ったときに、退屈な毎日が訪れるのだということを自分に言い聞かせています。
・最後に『原発はなぜ危険か 元設計技師の証言』の紹介です。この本を書いた田中三彦さんは、福島第一原発の原子炉圧力容器の設計などに携わった方で、原発事故が起きた後の、国会事故調の委員にもなっている方です。この本は、原発事故が起こる以前の1990年に出版されています。予算と納期の問題と、安全・安心の問題が同じ土俵で語られてしまう危険性や、どうして原発というものを必要としたのかという心を問わないと、形は違えど同じようなことが繰り返されるということが書いてあるそうです。原発事故から10年以上が経ち、日本国内でも原発再稼働の動きが進められている状況を見ると、もう一度原発とは何なのかを問い直す時期に来ているのかなと思います。大きな地震も頻発していますし、一度事故が起きると、今まで住んでいた土地に、二度と住めなくなるということが起こりうる危険を冒してまですることなのかを一緒に考えていきたいと思います。
4月の読書会は、こんな感じでした。
5月は、5月25日(土)の17時ごろからです。
皆様のご参加をお待ちしております♪
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