就労支援センター風の丘

栃木県佐野市で就労支援をしている事業所です(就労移行支援・就労定着支援)。お仕事のこと…

就労支援センター風の丘

栃木県佐野市で就労支援をしている事業所です(就労移行支援・就労定着支援)。お仕事のことで、何かお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください(第2、第4金曜日は無料相談の日)。風の丘が就労支援をする上で、最も基本としているスローガンは、『合言葉は「どうにか、なるさ。」』です。

最近の記事

それぞれの生き方③~私の事件簿(笑)~

就労支援センター風の丘(以下、風の丘):今日はゴルフ場運営会社で働いているC子さんにお越しいただきました。ずいぶんと日焼けしてますね。 C子さん:外の仕事が暑かったですからね。でも会社の皆さまが配慮してくださっているので、楽しく仕事ができています。今日も休憩時間には、冷たい飲み物を用意してくださっていました。とてもありがたいです。 風の丘:でも、仕事は大変でしょう。 C子さん:もちろん暑いし、体力も使うので大変と言えば大変ですが、これまでの仕事のことを思えば、もう全然…

    • それぞれの生き方②~「推し活」が運んでくれた現在(いま)/B子さんの場合~

      就労支援センター風の丘(以下、「風の丘」)​:今日は、風の丘の就労移行支援を利用し、いまは物流関係のお仕事をされているB子さんにお越しいただきました。今年も猛暑が続いていますけど、お仕事はいかがですか? B子さん​:いや、もう、倉庫内の気温が50度近くになるときもあるんですよ。冗談じゃなくて、倒れるかと思うときもあります。それでも、まぁ、なんとか生きのびています(笑)。 風の丘:いまの職場は何年目になりますか? B子さん​:そろそろ4年になります。入社した当時は、こんな

      • ワークショップ日記⑦~『永遠』をめぐって。「永遠であるのは私ではない」~

        『もののけ姫』の「もの」ってなんだ? ―今日は「永遠であるのは私である」の2回目。 【永遠であるのは私ではない】になります。 ただ前回「もの」と「こと」の話に、少しだけ補足させてください。もしかしたら、また新たな世界に気づくきっかけになるかもしれませんので。 突然ですが、宮崎駿監督の『もののけ姫』。みなさん、観ましたか? (全員うなずく) ―なら、話がはやい。あらためてお聞きしますが、『もののけ姫』の最初の言葉である「もの」って、なんのことだと思いますか? ジブリ大好きな

        • それぞれの生き方➀~生き方が広がる出会いの場所/A子さんの場合~

          就労支援センター風の丘(以下、「風の丘」)​:風の丘の就労移行支援を利用されて、現在団体職員をされているA子さんにお越しいただきました。 少し辛いこともお聴きするかと思いますが、いまこの記事をお読みになっていて苦しい状況にいる方々の、人生の選択肢が少しでも増えていくようにという趣旨にご協力いただければ幸いです。 A子さん ​:いまでこそ、こんなふうに話していますけど、私も本当にどうしていいのかわからない、暗闇の中を歩いていた時期がそうとうありましたので、そんな経験が少しでも

        それぞれの生き方③~私の事件簿(笑)~

          ワークショップ日記⑥~『永遠』をめぐって。「永遠であるのは私である」~

          動かされて流される、私 ―では、始めます。 【永遠であるのは私である】。 なぜなら…、の後をつなげてみましょう。 〈Bさん〉 最初にお聴きしたいことがあります。前回のとき主語を名詞にしないで「it」とかにすると、少し大きな世界を感じることができるんじゃないかという話になりましたけど、あの話を前提というか、踏襲してかんがえるということですか? ―いえいえ、この前の話は余談程度でいいですよ。自由にかんがえてみてください。 〈Bさん〉 よかった。この前の話、かんがえればかんが

          ワークショップ日記⑥~『永遠』をめぐって。「永遠であるのは私である」~

          ワークショップ日記⑤~『永遠』をめぐって。「永遠」と「永遠である」~

          最初からわかりません ―では、コトバのワークショップ『永遠』の後半戦にまいります。 【永遠であるのは私である】 この文をめぐって、いろいろと考察を深めていきたいと思います。 〈Bさん〉 これ、この前と同じじゃないですか? ―前半戦のテーマは「私は永遠である」でした。「永遠であるのは私である」と「私は永遠である」は同じだと思いますか? 〈Bさん〉 言葉の順番が違うだけで、意味は同じじゃなくないですか? ―どうでしょう、Aさん 〈Aさん〉 主語と述語が入れ替わったけど、

          ワークショップ日記⑤~『永遠』をめぐって。「永遠」と「永遠である」~

          就労支援日記㉖~風の丘が就労移行支援にこだわるわけーOB・OG会のことなど~

          毎週金曜日の夕方は、OB・OG会。 就労定着支援が始まる遥か前から、風の丘は就労移行支援から就労したOB・OGさんが、差し入れをもってよく顔を出してくれた。 風の丘では、OB・OGさん向けのイベントとして、1月は新年会、5月はバーベキュー会、8月は花火会。年末の忘年会は、利用者さんとOB・OGさんが会えるように夕方から始めるようにしていた。 こういったイベントのときには、就労した方だけではなく、就労継続A・B型などに入所した方にも声をかけ、各事業所様のご協力もいただき、風

          就労支援日記㉖~風の丘が就労移行支援にこだわるわけーOB・OG会のことなど~

          ワークショップ日記④~『永遠』をめぐって。私は永遠であるのではなく、永遠ではないのではない~

          智慧が輝くことばと論理 ―ワークショップ『永遠』、最後の回がやってきました。 「私は永遠であるのではなく、永遠ではないのではない」 「なぜなら…」に続く、この文章を完成させてください。 〈Aさん〉ちょっとまってください。これ、日本語として文章になってなくないですか? 〈Bさん〉ぜんぜん意味がわかりません。 ―じゃあ、一度声に出して読んでいただいていいですか。 (一同、声に出して読んでみる) 〈Aさん〉「あるのではない」ということは「ない」ということで、「ないのではな

          ワークショップ日記④~『永遠』をめぐって。私は永遠であるのではなく、永遠ではないのではない~

          ワークショップ日記③~『永遠』をめぐって。私は永遠でありかつ永遠ではない~

          矛盾を矛盾のままにかんがえる ―『永遠』のワークショップ、後半戦となります。  前回までは「私は永遠である」、「私は永遠ではない」という二つの文で、「永遠」について考察してみました。  今日は3つ目の文になります。  「私は永遠でありかつ永遠ではない」。  なぜなら、という文に続いて、文章を完成してみて下さい。 〈Bさん〉すみません。まったく意味がわかりません…。永遠なのに、永遠じゃないということですよね。ここで言っていることが、矛盾していませんか? ―そうですね。西洋

          ワークショップ日記③~『永遠』をめぐって。私は永遠でありかつ永遠ではない~

          ワークショップ日記②~『永遠』番外編。キリスト教・予定説をめぐって~

          何もしないのに救われるのがキリスト教?  ーこの前のワークショップのとき、キリスト教の話が出てきました。キリスト教について知りたいという要望もありましたので、後半のワークショップをより深めるために、今回は番外編ということで、キリスト教についてかんがえてみたいと思います。   ただことばのワークショップらしく、ここでひとつのことばを提示します。 《つねにすでに》 〈Cさん〉「つねに」と「すでに」は別の意味のことばじゃないのですか? ー日常的には、そうですよね。これをつな

          ワークショップ日記②~『永遠』番外編。キリスト教・予定説をめぐって~

          就労支援日記㉕~「生きる意味への問い」~

           昨年に引き続き、今年もこの会合(不登校、ひきこもりの当事者・家族・支援者の会)にお招きいたしまして、ありがとうございます。  前回は『家族の役割/家族の中の役割』というテーマでお話させていただきました。この前のときは、講演の後の相談時間の方が本編という感じになりましたね。やはり僕らのような立場だと、守秘義務がございますので、不特定多数の方がおられる講演などですと、どうしてもおおざっぱな話しかできません。とりわけ前回はテーマが家族でしたから、誤解のないように、それでもしっかり

          就労支援日記㉕~「生きる意味への問い」~

          就労支援日記㉔~家族の役割/家族の中の役割~

           今日はこのような有意義な会合(不登校とひきこもりの当事者、ご家族、支援者の会)にお招きいただきまして、ありがとうございます。  ただ与えられたテーマが『家族の役割/家族の中の役割』ということでして、その難しさの前にややひるんでおります。家族というテーマは、誰も関係を持つことがないということがない、つまり誰もがすでに関係してしまっていることがらなので、どこからどう語っていいのか、とても難儀するテーマなんですよね。  なので今回は、具体的な家族のあり様ということではなくて、家族

          就労支援日記㉔~家族の役割/家族の中の役割~

          ワークショップ日記➀~「永遠」をめぐって~

          永遠を「定義」する  今日のコトバのワークショップのテーマは、「永遠」です。  まず永遠という言葉を定義していただけますか。できた方から発表していただきたいのですが。 〈Aさん〉 始まりはあるけど、終わりがないもの。自分でもよくわかりません。 ーははは、そうでしょうね。 〈Bさん〉 修行僧かな。 ー修行僧? 〈Bさん〉 なんかずっと、終わりがないまま続けていかなければいけないみたいな…。仏教の輪廻ですね(笑)。 ーなんだか、すごいな(笑)。 〈Cさん〉 イメージ

          ワークショップ日記➀~「永遠」をめぐって~

          就労支援日記㉓~『「住まい」は権利』、か?~

          X(旧Twitter)をみていたら、建設関係者から建築資材が暴騰し、これからはいままでのような金額では家を買えない時代になるのではないか、という指摘があった。 あらためて思うのだが、人がふつうに働いていても、買うか借りるかに関わらず、安心と安全が保障された家を持つことができない社会とはかなり異様な状況である 「住まいは人権」という言葉を、改めて思い出す。 僕が「住まい」を人権としてかんがえるようになったのは、イギリスの社会福祉政策について書かれた本を読んでからのことだった。

          就労支援日記㉓~『「住まい」は権利』、か?~

          6月のカレンダー。

          6月のカレンダーです。 1年にうちで一番ジメジメする時期ですね。上手に気分転換をしていきたいものです。 【就職対策講座】 1日(土)と29日(土)に実施します。 時間は9:00~14:00(12:00~13:00 休憩)。 いちがいにはいえませんが、就職活動が活発になるのはだいたい夏以降です。しっかりと準備していきましょう! といいつつも、風の丘の就職対策講座では「面接の仕方」や「履歴書の書き方」といったことは取り上げません。 自分にとって働くとはどういうことなのか?とい

          『思い込み』試論④~「四句分別」の衝撃~

          龍樹の『中論』をどう読むかは、たぶん読み人の力点の置き場によって異なる。 学者であればそのように読むし、信徒であればそのように読む(当たり前だけど)。 ぼくはおそらく哲学探求としての読み方と、障害のある方の支援者としての読み方を重ねながら読んでいるのだろう。 そうなると『中論』も、どの一説に注視して読む込もうとするかで、ずいぶんとその後の解釈が異なっていくことは、半ば当然の成り行きなのかもしれない。 ぼくがひときわ強い関心ももったのは、18章「アートマンの考察」八だっ

          『思い込み』試論④~「四句分別」の衝撃~