就労支援センター風の丘

栃木県佐野市で就労支援をしている事業所です(就労移行支援・就労定着支援)。お仕事のこと…

就労支援センター風の丘

栃木県佐野市で就労支援をしている事業所です(就労移行支援・就労定着支援)。お仕事のことで、何かお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください(第2、第4金曜日は無料相談の日)。風の丘が就労支援をする上で、最も基本としているスローガンは、『合言葉は「どうにか、なるさ。」』です。

最近の記事

就労支援日記㉒~GWと言えば、『ものづくりトライアスロン』~

チマタはGW。 ということで、風の丘ではGW恒例『ものづくりトライアスロン』が始まりました。 5月2、3、6日の3日間かけて、つくり上げます。 今回の制作物は「飛び出す絵本/仕掛け絵本」 どちらかというと、これまでは実用的なモノを制作してきましたが、今回は遊び心を大切にということで、飛び出す絵本/仕掛け絵本となりました。 そもそも何をつくったらいいのかわからないという声が多かったので、とりあえず3つのコースを設定。 ➀型紙コース(定型的なイラストを使用する) ②アレンジコ

    • 就労支援日記㉑~就労支援は交響する~

      『希望の教育学』という本がある。 著者は教育実践家として名高いパウロ・フレイレ。 長年の愛読書のひとつである。 その一節にこんなことが書いてある(手元にその本がないので、表現は少し異なっているかもしれない)。 “教育者が、いま行っている教育の実践が、これからの社会変革へとつながっているという確信がなければ、そもそも教育という行為は成り立たないのではないか”。 この一節が、とりわけ僕にとって特別の意味合いをもつようになったのは、とある出来事を経てのことだった。 以前

      • 読書会報告⑤~3月の読書会で、紹介された本です~

        3月の読書会では、このような本が紹介されました。 ・『アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか? 大人の発達障害を考える』  (米田衆介:著) ・『鬱の本』(点滅社) ・『スーツアクターの矜持』(鈴木美潮:著)・ ・『いのちの初夜』(北條民雄:著) ・『試練に立つ自主管理ーユーゴスラヴィアの経験ー』  (M.ドルローヴィチ:著 / 高屋定国・山崎洋:訳) ・まず最初は、『アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか?大人の発達障害を考える』の紹介です。この本の著者である米

        • 「思い込み」試論③~龍樹の『中論』のことなど~

          ぼくはもともと西洋哲学が好きだった。 「在野の哲学者」小阪修平さんの勉強会に参加させていただき、いま思えば錚々たる皆様の中で貴重な学びができた。 そのときぼくは木村敏やブランケンブルグなど、人間学的精神病理学の思想を研究していて、何度か発表もさせていただいた。小阪さんの最も好きな書物のひとつが『デボラの世界』だということもあり、精神医学は小阪さんの関心の深い領域だったので、とても新鮮な角度からご批評をいただけた。 この頃小阪さんは、ヴィトゲンシュタインの言語哲学への思索

        就労支援日記㉒~GWと言えば、『ものづくりトライアスロン』~

          「思い込み」試論②~竹内レッスンのことなど~

          「思い込み」って、いったいどんな仕組みで起こってしまうんだろう? もちろん誰だって、何かしら「思い込み」を持っている。 自分はこんなヒトだとか、あの人はこんなヒトに違いないとか、はたまた、この会社は自分を辞めさせようとしているんだとか…。 それでもたいがいの人々は、そんな「思い込み」を抱きながらも、なんとかかんとか社会生活を送っている。うまく融通をきかせながら…。 でもときどき「思い込み」が幅をきかせすぎてしまって、ふつうの生活が送れなくなってしまうことがある。 風

          「思い込み」試論②~竹内レッスンのことなど~

          読書会報告④~2月の読書会~

          お久しぶりです。今月の読書会は、天候も良く、寒さも落ち着いた日だったので良かったです。 2月の読書会で紹介された本は、 ①『畜犬談ー伊馬鵜平君に与えるー』太宰治(著) ②『法哲学』平野仁彦・亀本洋・服部高宏(著) ③『赤松健の国会にっき』赤松健(作) 以上の3作品です。 ①『畜犬談ー伊馬鵜平君に与えるー』は、犬嫌いの男(作家)と犬とのお話です。太宰治らしい、皮肉とユーモアたっぷりで読みながら笑ってしまうのですが、話の最後にかかるにつれて、状況が一変していきます。そ

          読書会報告④~2月の読書会~

          「思い込み」試論①~“思い込み”をゆるくする!~

          昨年末あたりから、これまで利用者さんといろいろと取り組んできたプログラムやワークシート(教材?)を整理している。 利用者さんからみて、けっこうよかったよ、という評判のよかったもの選び出して、再構成することで、一般の方も楽しめるようなことができないかと思ったのが、そのきっかけ。 というのも、ここ数年の間、精神科へは通院されていなかったり、障害者手帳をお持ちではない方からのご相談がとても増えているから。 実際にお話をお伺いしてみると、確かに精神疾患や障害といったことではなく

          「思い込み」試論①~“思い込み”をゆるくする!~

          就労支援日記⑳~風の丘の支援を分かりやすくしたい~

          明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願い致します。 ということで、令和6年になりました。 昨年末から、「風の丘で行っている就労支援を分かりやすくしたい」なと思い、コース別に提示してみようという試みをしています。 風の丘を利用する方は背景も様々で、抱えているものも違います。”個別で対応するところは個別で”、”共同作業するところは皆で”というのが、分かりやすくなると良いかなと思っています。 自分のコースの目的が分かれば、他の人がどういう目的で風の丘を利用している

          就労支援日記⑳~風の丘の支援を分かりやすくしたい~

          待ち望まれた一冊 ~『精神障害を生きる』(駒澤真由美・著)を読む~

          「すなわちそこに生きている人びとの立場に身を置き、その人たちの意図をその原理とリズムの中で理解し、一つの時代ないし文化を一つの「意味の総体」と見るのである」(レヴィ=ストロース『野生の思考』)  本書を読みながら、ずっとちらちらと脳裏をかすめていた本がある。  クロード・レヴィ・ストロースの『野生の思考』。  西洋中心主義的な思考からは「未開野蛮」と見做されてきた人々が、微細で精密な思考(野生の思考)を有していることを明らかにし、戦後フランス思想を一変させた一冊である。  

          待ち望まれた一冊 ~『精神障害を生きる』(駒澤真由美・著)を読む~

          就労支援日記⑲~就労定着の秘訣は「好きなこと探し」~

          今回の就職対策講座のテーマは、「就労定着」。 風の丘流定着支援は、仕事以外の生活領域を豊かにすることからはじまる。 簡単に言えば、好きなことをして、ささやかながら楽しみを堪能できる生活。 好きなことを犠牲にして仕事をするんじゃなくて、好きなことをするために仕事をする、という感覚。 そうはいっても、改めて「好きなこと」と言われても、なかなか簡単には見つからないもの。 では、みなさんと一緒に「好きなこと探し」の旅に出てみましょう。 ということで、今回の講座で用意した大

          就労支援日記⑲~就労定着の秘訣は「好きなこと探し」~

          就労支援日記⑱~支援の「見える化」に挑んでいます~

          就労支援の現場では、利用者さんの障害種別や疾患を考慮して支援を展開することが、基本中の基本である。 それでも個別具体的に支援をしていくと、障害種別や疾患よりももっと重要と思える要素がクローズアップされてくる。 それは、その方がいま現在置かれている状況にほかならない。 当たり前すぎる話に聞こえたかもしれないけれど、もう少し辛抱して読んでほしい。 例えばパニック障害という診断を受けている方でも、その方がこれまでパートやアルバイトをしたことがない方なのか、つい最近まで働いていた方

          就労支援日記⑱~支援の「見える化」に挑んでいます~

          就労支援日記⑰~「目標」は、そこはかとなく…~

          就労移行支援では、最低年4回個別支援計画を作成することが義務付けられている。 「最低」と表現したのは、最低でも3ヶ月ごとに作成するということで、例えば利用時間が変更になったり、職場体験実習やトライアル雇用などがあるときは、そのつど状況に応じて個別支援計画が必要になるということ。 就労移行支援の個別支援計画は、あくまでも利用者さんが就労へと至るための計画なので、そこにはもちろん「目標」というものが必要となる。 ここで改めてかんがえてみたいのが、この「目標」というヤツである

          就労支援日記⑰~「目標」は、そこはかとなく…~

          読書会報告③~10月の読書会で、紹介された本~

          10月の読書会では、このような本が紹介されました。 ・今回は、『成功する音楽家の新習慣 練習・本番・身体の戦略的ガイド』(ジェラルド・クリックスタイン:著)から始まりました。前回、私がチェロの演奏曲で”牧歌的”という表現につまずいている話をしたところ、この本を紹介してくれました。本の中には、具体的な練習の方法だけでなく、日常生活の過ごし方や、発表会当日までの準備の仕方、休息の取り方など、事細かに書いてあります。紹介して下さった方は、実際にピアノの発表会で、納得できる演奏がで

          読書会報告③~10月の読書会で、紹介された本~

          就労支援日記⑯~共感し過ぎて心が痛くなる「退職」の話~

          今回の就職対策講座のテーマは「退職」。 これから就職をしようとしているのに、いきなりテーマが退職?! ということで、意表をついたようなテーマ設定に見えるかもしれないが、もちろん意表をつくことが目的でも、ましてやウケねらいなどという目的でもない。 いまこの時期に実施する就職対策講座において、最も有意義性のあるテーマはいったい何かをトコトンかんがえ込んでのこと。 ぼくはこれまで支援者として、数多く転職を重ねてしまった方々のご相談にのってきた。 転職した数は覚えているだけ

          就労支援日記⑯~共感し過ぎて心が痛くなる「退職」の話~

          読書会報告②~9月の読書会に、紹介された本~

          このところ、読書会の更新が滞ってしまっていました💦 9月23日(土)にありました、読書会で紹介された本たちです。 ・今回は、『人類の星の時間』(シュテファン・ツヴァイク:著)から始まりました。人類の歴史の中には、ある時点を境にして、前後が全く変わってしまう出来事が起こっており、その出来事の前後を記録する形つくられている本だそうです。こういった内容の本は、大きな世界大戦の後に、多く出版されたようです。そこに合わせて、『健康な悟性と病的な悟性』(フランツ・ローゼン・ツヴァイク

          読書会報告②~9月の読書会に、紹介された本~

          就労支援日記⑮~「ひねくれる」を哲学する~

          毎月最終金曜日に開催される哲学カフェ。 9月のテーマは「ひねくれる」。 風の丘の哲学カフェは、ひとつのテーマを2回にわけてかんがえることになっている。 1回目は西洋哲学の本質論的な考え方。「〇〇とは何か?」、「○○とは△△である」という形式でかんがえる。 2回目は仏教論理学の因果論的な考え方。「△△があるから○○がある」、「△△がなければ○○がない」という形式、つまり原因を探りながらかんがえてみる。 今回は1回目。 「“ひねくれる”とは何か?」との問いに、それぞれ

          就労支援日記⑮~「ひねくれる」を哲学する~