Kay Kuzumi(ケイ クズミ)

レコードプロデューサー、ギタリスト。音楽院にて演奏と音楽理論を学び、ギター講師→サポー…

Kay Kuzumi(ケイ クズミ)

レコードプロデューサー、ギタリスト。音楽院にて演奏と音楽理論を学び、ギター講師→サポートギタリスト→大阪の音楽プロダクションにて実演家契約しTV、ツアーなどを経験→SOUND SWIFTを立ち上げ、録音、整音、ミキシング、マスタリング、MA等に携わる。

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記事一覧

録音用のプリアンプでマスタリングするとどうなるのかテスト

過去にもWarm Audioのwa76でマスタリングするとどうなるのか、という記事を書きましたが今回は真空管マイクプリアンプ Universal Audio LA-610でマスタリングしたらどうな…

音楽ミックス、マスタリングのウソ、ホント

こう感じたことはないだろうか 本やネットに書かれているミックスの仕方を真似しても同じ様な結果にならない、、、、 もしくは納得のいく結果にならない、、、、 と。 こ…

ゲインステージングがなぜ大切なのかの真理を言ってくれる人が居ないから書く

そろそろ本当に有料レベルの記事になってきたから同業者から怒られます。 でも最後にこれくらいは書いておこうと思う。(でも本当に同業者に迷惑かけてしまうので無料では…

ラップミュージックのミックスの結論

ラップミュージックのミックスは僕の中では結論が出ている。 そのイメージをお伝えしようと思う。 とその前にラップミュージック界隈では音圧が高いものを求める人が多い…

音楽ミックスの順番が違うからうまくいかない芸術家気質の人

今日(2024 年1月)の収録でとても芸術家気質なアーティストの曲を録音&ミックスさせてもらった。 というか録音しながらミックスの指示を出す方なので、録音終わりと同時…

試しに自分の持ってるアウトボードwarm76でマスタリングしたらどうなるのか(試聴音源あり)

常にミックスとマスタリングを研究し続けるレコードプロデューサーKayです。 今日は久々にテスト音源ありでアウトボード実験。 自分のスタジオにあるwarm audio 76でマスタ…

良い機材を買っても良い曲は書けない

高い高級機材を買っても良い曲は作れない。10年後、20年後、もしかしたら100年後に、自分の知らないどこかの誰かの心を揺さぶる事はできない。 誤解を招かないように付け…

謹賀新年2024〜音楽ブランディングについて

明けましておめでとうございます。今年もレコーディングスタジオSOUND SWIFT及びこのblogを宜しくお願い致します🎍😁 新しい一年が始まりました。 この時期は身体を休める…

うたってみたの録音、ミックス

割と頻繁にうたってみたの収録を行なっています。 本業がYoutuberさんとか、Vtuberさんが来ていただけることが多いですが趣味でやられてる方も少なくないです。 曲のジャ…

マスタリング時のOzoneを卒業したい

2023年末のブラックフライデーにて 全DTMer、iZotope化計画!! とかいう物騒な広告をちょいちょい見かけました。 僕はOzone7から使ってました。Nectorというボーカル用の…

クラブミュージックとポップスの波形の違い

20歳の頃からクラブ系の音は何か違う、と思っていた。最初はキックの音で悩んだ。何であんなに音が太くて前に出るんだろう、、と。 そこには製作過程における大きな違いが…

「耳は聴こえなくなる」を前提としたミックス&マスタリング

タイトルからして老化の話か?難聴の話か?なんだなんだ?と思われたかもしれませんがそうでは無いです。 一部の周波数は、耳を使いすぎると一定期間聴こえなくなっていく…

作業の違い。Repair, Edit, Mix, Mastering

ボーカルレコーディングスタジオ SOUND SWIFT オーナーのKayです。 今日は定期的に訊かれる、作業のやることの違いを書いて音楽制作をよりロジカルに構築できるように記事…

音楽ミックスのステップ1〜プロフェッショナルまでの道のり

もうかれこれ長いこと音楽を作り、パソコンを使い録音をし、ミックスをしたりしています。 しかし時代とともにすごい速度で音楽制作の環境は変わっていき、自分も常に勉強…

ここ最近のマスタリング プラグイン 2

ミックスに慣れてきた頃突如訪れるマスタリングの壁。 今日はそのマスタリングで僕がここ最近はどうしてるかプラグインの写真付きで公開していきます。 お客さんにもよく…

(前回の続き)日本と、海外のミックスの違い - アレンジの段階での違い編

日本と海外でなぜ音が違うのか?という話 前回の続きです。前回の記事はコチラ↓ なぜ違うのか?という話をする前に大前提として、音楽制作は下流よりも上流にいくにつれ…

録音用のプリアンプでマスタリングするとどうなるのかテスト

過去にもWarm Audioのwa76でマスタリングするとどうなるのか、という記事を書きましたが今回は真空管マイクプリアンプ Universal Audio LA-610でマスタリングしたらどうなるのか という話題です。

まずはミックスした音源を書き出して、LRに分けます
プリアンプは1ライン分しかないので、LとRで二回書き出して最後にミックスするという方法で行いました。

音源はスタジオSOU

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音楽ミックス、マスタリングのウソ、ホント

音楽ミックス、マスタリングのウソ、ホント

こう感じたことはないだろうか
本やネットに書かれているミックスの仕方を真似しても同じ様な結果にならない、、、、
もしくは納得のいく結果にならない、、、、

と。
これにはとあるカラクリがあります。

それは

「上流」が全てプロフェッショナルに行われていることが大前提になる情報、と言うことだ。

例えば、
「ボーカルミックスがうまく行かない、、YouTubeで調べたのを真似してもうまく行ってる感じ

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ゲインステージングがなぜ大切なのかの真理を言ってくれる人が居ないから書く

そろそろ本当に有料レベルの記事になってきたから同業者から怒られます。
でも最後にこれくらいは書いておこうと思う。(でも本当に同業者に迷惑かけてしまうので無料では短めにします)

ミックスを勉強すると出てくる「ゲインステージング」という言葉

たぶん、本とかネットを読んでも、音量を下げる、くらいの情報しか得られない。
だが

それは真意ではない。

真の意味は

作業領域を作る。

だ。ご存知の通り

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ラップミュージックのミックスの結論

ラップミュージックのミックスの結論

ラップミュージックのミックスは僕の中では結論が出ている。
そのイメージをお伝えしようと思う。

とその前にラップミュージック界隈では音圧が高いものを求める人が多い。「音量上げて!」
「もっと音量上げて!」
「あと少し音量上がらない?」
という要望が多いのだが実は、エンジニアが使う共通言語と、ラッパーが使う言語は全然違うので要注意だ。

エンジニア的にはdBやラウドネス値を上げて、の意味で捉えてしま

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音楽ミックスの順番が違うからうまくいかない芸術家気質の人

今日(2024 年1月)の収録でとても芸術家気質なアーティストの曲を録音&ミックスさせてもらった。
というか録音しながらミックスの指示を出す方なので、録音終わりと同時くらいにミックスがほぼできている感じ。

でも本人なっとく行かないまま帰ることが多い。僕の耳で聞いても当然ものすごく悪いミックスである。(指示された通りに動いてるだけなので)

その理由は多岐にわたるのだが、

せっかくなのでここでA

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試しに自分の持ってるアウトボードwarm76でマスタリングしたらどうなるのか(試聴音源あり)

常にミックスとマスタリングを研究し続けるレコードプロデューサーKayです。
今日は久々にテスト音源ありでアウトボード実験。
自分のスタジオにあるwarm audio 76でマスタリングしたらどうなるのか??
というもの。
この機材は普段ギターなどの楽器のコンプレッサーとして使用しているもので入出力は一つしかありません、なのでミックスした音源をまず2mix(LR)に書き出して、モノラルトラックで二つ

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良い機材を買っても良い曲は書けない

高い高級機材を買っても良い曲は作れない。10年後、20年後、もしかしたら100年後に、自分の知らないどこかの誰かの心を揺さぶる事はできない。

誤解を招かないように付け加えると、ボーカルが居て、少なからず歌詞があって、そこには人の人生があるような音楽において

心に刺さるような良い曲は、100万円以上する高級機材を買って作っても絶対に作れない。

思い出してほしい

子供の頃聴いた音楽で、心締め付

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謹賀新年2024〜音楽ブランディングについて

謹賀新年2024〜音楽ブランディングについて

明けましておめでとうございます。今年もレコーディングスタジオSOUND SWIFT及びこのblogを宜しくお願い致します🎍😁

新しい一年が始まりました。
この時期は身体を休めると共に、今年の抱負を考え新しい事にチャレンジしたい!と考える人は少なくありません。

今日は新年らしく、その制作、ブランディングについて書こうと思います。

音楽に長く関わっていると共通点に気付きます

それは

個人

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うたってみたの録音、ミックス

うたってみたの録音、ミックス

割と頻繁にうたってみたの収録を行なっています。
本業がYoutuberさんとか、Vtuberさんが来ていただけることが多いですが趣味でやられてる方も少なくないです。

曲のジャンルやカラオケの状態にもよって録音の仕方もミックスは違います。今回紹介するのはバックナンバーさんの「クリスマスソング」という曲です。
全体に音が多く詰まったカラオケのミックスになっていたためボーカルが埋もれないようにしっかり

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マスタリング時のOzoneを卒業したい

マスタリング時のOzoneを卒業したい

2023年末のブラックフライデーにて
全DTMer、iZotope化計画!!
とかいう物騒な広告をちょいちょい見かけました。
僕はOzone7から使ってました。Nectorというボーカル用のチャンネルストリップも重宝してました。ピッチ修正ソフトも付属だったし。
なんか良い感じに仕上がる良いマルチプラグインです。
しかし通すだけで音が変わっているのを皆さんご存知でしょうか?

いくら良くても通すだけ

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クラブミュージックとポップスの波形の違い

クラブミュージックとポップスの波形の違い

20歳の頃からクラブ系の音は何か違う、と思っていた。最初はキックの音で悩んだ。何であんなに音が太くて前に出るんだろう、、と。
そこには製作過程における大きな違いがあった。

売り文句ではなく正直、この情報は企業秘密にしたい。なんなら有料にしたい。と思っているのだが今は書いておこうと思う。いつか有料ワークショップにする時は削除する可能性もある。

まず、ポップスなどの歌メインのジャンルの製作過程から

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「耳は聴こえなくなる」を前提としたミックス&マスタリング

タイトルからして老化の話か?難聴の話か?なんだなんだ?と思われたかもしれませんがそうでは無いです。

一部の周波数は、耳を使いすぎると一定期間聴こえなくなっていく、というものです。
僕は東京高井戸にボーカルレコーディングスタジオを運営しておりますので一日1~3曲程度ミックス作業をしています。ですから一般の人よりも耳を酷使している状態です。するとどうでしょう、レコードプロデューサー、エンジニアなんて

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作業の違い。Repair, Edit, Mix, Mastering

ボーカルレコーディングスタジオ SOUND SWIFT オーナーのKayです。
今日は定期的に訊かれる、作業のやることの違いを書いて音楽制作をよりロジカルに構築できるように記事にしておきたいと思います。

普段はBtoBでの企業さん案件もやるし、BtoCの個人のボーカリストやボーカルユニットさんの案件も扱っています。
双方どちらからも訊かれる内容に、「今何をしてるんですか?」というものがあります。

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音楽ミックスのステップ1〜プロフェッショナルまでの道のり

音楽ミックスのステップ1〜プロフェッショナルまでの道のり

もうかれこれ長いこと音楽を作り、パソコンを使い録音をし、ミックスをしたりしています。
しかし時代とともにすごい速度で音楽制作の環境は変わっていき、自分も常に勉強し常に新しい技術ノウハウを身につけて行く日々です。
終わりは、、、あるのだろうか??と思うほどです。
よくミックスを覚えたい、とお客さんから言われたりもします。教えるのは好きな方なのでレッスンしてあげたいことろなのですが、この底無し沼の世界

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ここ最近のマスタリング プラグイン 2

ミックスに慣れてきた頃突如訪れるマスタリングの壁。
今日はそのマスタリングで僕がここ最近はどうしてるかプラグインの写真付きで公開していきます。

お客さんにもよく訊かれます。ミックスとマスタリングは何が違うんですか?わかりやすく伝えるのが難しいんですが。
ミックスはその名の通り「混ぜる」行為。
マスタリングというのは、最終的にどう聴こえるかの印象を司るイメージ作り、な行為。

きっと、まだハテナマ

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(前回の続き)日本と、海外のミックスの違い - アレンジの段階での違い編

日本と海外でなぜ音が違うのか?という話
前回の続きです。前回の記事はコチラ↓

なぜ違うのか?という話をする前に大前提として、音楽制作は下流よりも上流にいくにつれて重要度が上がる、ということに理解を深めてもらいたい。
音楽における上流とは、演奏力とか、作曲の段階を指す。

--上流--
演奏力、作詞作曲

編曲

録音

ミックス

マスタリング
--下流--

山の上にある上流の川を汚せ

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