録音用のプリアンプでマスタリングするとどうなるのかテスト

過去にもWarm Audioのwa76でマスタリングするとどうなるのか、という記事を書きましたが今回は真空管マイクプリアンプ Universal Audio LA-610でマスタリングしたらどうなるのか という話題です。

まずはミックスした音源を書き出して、LRに分けます
プリアンプは1ライン分しかないので、LとRで二回書き出して最後にミックスするという方法で行いました。

音源はスタジオSOUND SWIFTのお客さんでもあるシンガー「Una」さんにご協力頂きました。編曲も担当させて頂きました。


デジタルと、アナログという名前で二つ書き出してあります。

デジタルの方はプラグインのみ使用してマスタリングを行っています。

アナログの方は610を通してEQで7khlzを1.5db、LA2Aタイプのオプティコンプを最大-1GR、しています。プリアンプ部の方はそこまで強くかけておらず今回は「通すだけ」くらいの感じです。そして最後にプラグインで音量だけぐいーっと持ち上げています。

プラグインのみでのマスターも結構こだわって作ったのでなかなか僅差になりました。


大きく違うのはボーカルの音像ですかね。アナログの方は輪郭がしっかりしていてサビでも埋もれない印象です。
レンジはむしろ狭くなった方に感じますし、なにやらLOW MIDのあたりのサチュレーションも多めに感じます。
解像度はちょっと下がった雰囲気はありますね。


一方デジタルの方はクリアですっきりしている。Aメロ、Bメロなんかはこっちのほうが良いという人も多そうですね。サチュレーションも少なめなのでピアノも綺麗に聞こえます。サビでちょっとボーカルが埋もれ気味か???
アナログに比べるとそんな印象ですね。


今回は結構良い傾向でしたね。ボーカルの音像がでかくなって他の楽器に負けない埋もれない結果になりました。よしじゃあボーカルに通して使おう!(それ普通の使い方)

でも個人的には真空管のマスタリングボードがあってもいいなと思いました。

https://sonicwire.com/product/B8076?utm_source=google&utm_medium=pmax&utm_campaign=00_SW_PMax_%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%81%BF&gad_source=1&gclid=CjwKCAjwrIixBhBbEiwACEqDJc4Qv9rMWb2DwuZwF4nab-NX69JulVenCfZzGkt03xrOyaY3C4P9kRoCibkQAvD_BwE

すぐにこちら購入しました。
プラグインで真空管をエミュレートしたものです。
コレとっても良いです。

ちなみにこれ実機もあるそうです。


欲しい。。。。



今回の結論


音が良くなる部分もあった、がしかしサチュレーションが合わないトラックもあり、個々にかけた方が良い結果になりそうだ。(つまり普通の使い方)

ということで色々なアナログ機材を通すこと自体はやはり良い結果になるだろうけど、トラック別でかけたり、録音時にちゃんとアナログボードで音作りをしておいて、マスタリング時にデジタルだけで対応する、もしくはかかり具合がほんのりなアナログボードを使用する(つまりよくあるマスタリング手法)

が一番良いのでは?と思いました。

海外のミックススタジオではトラック一個一個をリアンプして加工するということもやっているようで、本当はそれができると一番良いのかもと思っています。


そしてそれができるようにするため、なんとSOUND SWIFT、AntelopeのOrion Studioを導入しました。入出力が多くリアンプがしやすいです。まだルーティンを組み切れてはいないのですが、マスタークロックを作っているメーカーなだけあってコイツのプリ部分を通すだけでも音が良くなりました。

リアンプのしがいがある。

今後は、各楽器に合うようなプリアンプを集めていき、ミックス時に主力トラックを全てリアンプして音像を上げてから、マスタリングに移行する、というように組もうと思います。


Sound Swift

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