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自己実現を諦めて。息苦しいこの世の中

 社会に息苦しさを感じる時、私達が見ているのは社会の様相ではなく、自らの自己実現のスペースである。社会に生きづらさを覚える時、私達はその社会の闇に影響されているのではなく、自らが生きて良いと思えることに自信がなくなっているのだ。
 自己実現。これほどまでに大切なものはない。それは自分自身への肯定感を高め、行動力を増し、失敗への耐性を強め、心身ともに健康を維持させる。自己実現ができていればできているほど、私達は健康なのだ。そして健康な人が多いほど、社会に空気は充満する。いきいきとする。

 卵が先か鶏が先か。しかし、私達が自己実現をできなければそうであるほど、社会の生きづらさは増す。あるいは、息苦しい社会を感じることで、私達は自己実現欲求を減らしてしまう。どちらが先かははっきりとしない。でも、それには関連性があり、つまるところ「生きづらさ」とは「自己実現できなさ」ということだ。
 だから、実際の社会の様相、事件や事故、現象、歴史的な出来事などとは別にして、それを目の当たりにした私達自身に生じる「やりたいことができない」「なりたいものになれない」という残念な気持ちが、生きづらさへと繋がっていく。

 そう考えると、この社会の息苦しさは実際には社会そのものの問題というよりも、むしろ私達ひとりひとりが作り出しているものなのだ。そう思うからそうだ、とまではいかないかもしれないが、少なくとも自己実現への諦めの心が、生きにくいこの世の中をますます大きく、広範囲にしていくことになる。
 自己実現のためのスペースが縮小することを、私達は本当に、ネガティブに思っている。

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