【第49話】肩車…そして、サザンクロス 『彼方なる南十字星』
日本の高度成長期。自作ヨットを操り、命がけで太平洋を渡り、南十字星を見に行った3人の若者の実話にもとづく冒険物語。***
この頃には、僕たちの天測の腕も上がってきた。かなり正確に、ホライズン号の位置を割り出すことができる。
通常は正午と午後2時に天則し、現在地を割り出す。
目的地が近くなると夕方だ。まだ水平線が見える頃、星を3点計り、海図上に三角形を描く。その中心点が船位置なのだ。
南半球に入ってから、曇り空が続いていた。時折遭遇するスコールはありがたかったが、カラッと