かわむらまみ

がん治療とストーマの記録note。2024年5月6日、GW最終日に大腸がんが判明した3…

かわむらまみ

がん治療とストーマの記録note。2024年5月6日、GW最終日に大腸がんが判明した39歳。手術が終わって目が覚めたら、へその横にストーマ(人工肛門)がついていました。ステージはⅢ cですが、専門用語や難しい言葉はできるだけ使わずに書いていけたらいいなと思っています。

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目が覚めたらオストメイトになっていた。当事者になって気づいた大変なこと

ある日突然、起きたらお腹から腸が出ていた。 ……そんな事態が起こったら、あなたはどうしますか?わたしだったら、とりあえずすごく驚く。そして事実は小説よりも奇なり、つい先日、そんなことが実際に我が身に起こったのです。いや本当に。なんだったら今も出てるし、腸。 すごく雑な説明をすると、この「お腹から腸が出ている人」は、オストメイトと呼ばれています。つまりわたしは、目が覚めたらオストメイトになっていたのです。 せっかくオストメイトになったので、 えっ、オストメイトって何?突

    • 6月23日 CAPOX療法?XELOX療法?それともティファニーのネックレス?

      大腸がんの再発率を下げるためにわたしが受けている抗がん剤治療「CAPOX(カポックス)療法」は、どうやら2021年頃までは、主に「XELOX(ゼロックス)療法」と呼ばれていたらしい。 CAPOX療法というネーミングは、治療に使われる2種類の抗がん剤、 カペシタビン(CAPecitabine) オキサリプラチン(OXaliplatin) に由来してるんだけど、カペシタビンは「ゼローダ(XELoda)」という薬のジェネリック医薬品で、だからゼローダとオキサリプラチンで「X

      • 6月20日 病人と美容、あるいはただの雑談

        抗がん剤の内服を始めて3日が経つも、服用前と比べて、特にこれといった変化はない。点滴初日にあった手先のしびれも消えてきたし、冷蔵庫の物を素手で掴んだときに軽くピリッと感じて「あ、手袋するの忘れてた」なんてようやく思い出す程度には平常運転。 でも、薬の副作用は吐き気や倦怠感みたいなわかりやすいものだけじゃなくて、気づかないうちに皮膚……特に手や足先、足の裏が黒ずんでしまうこともあるらしい。そうならないためにも、体への負担は最小限に留めて、あとは保湿。とにかく保湿。病院から「週

        • 6月18日 抗がん剤点滴、打ってみた

          わたしの中に残っている"かもしれない"がん細胞の残党を一掃するための抗がん剤治療、CAPOX療法初日。まずはオキサリプラチンという点滴薬を打ちに、大雨の中、いつもの病院をせっせと目指す。 それにしても、薬の名前って、なんだか全然覚える気にならない。できることなら何も覚えないまま治療を終えたいとすら思っている。どうせ謎のカタカナを覚えるんだったら、わたしはコスメブランドTHREEのアホ長い商品名を淀みなく言えるようになってみたい。アドバンスドエシリアルスムースオペレーター ル

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        目が覚めたらオストメイトになっていた。当事者になって気づいた大変なこと

          6月17日 はじめての抗がん剤、前夜

          いよいよ明日から抗がん剤治療が始まる。 わたしが受ける治療は「CAPOX療法」と呼ばれる化学療法で、初日に点滴、2週間服薬、1週間休薬の3週間が1クールとなっている。再発や転移さえなければ、治療は8クールで終了予定。それから5年以内に再発が見られなければ「寛解」となるが、その可能性は五分五分だ。また、癌に「完治」は存在しない。 点滴直後〜1週間前後の副作用として、ほとんどの人に手足のしびれや痛みが見られるらしい。あとは服薬による副作用として、皮膚の腫れや変色、吐き気、下痢

          6月17日 はじめての抗がん剤、前夜

          6月13日 今日のわたしの行動だけが、この先のわたしを救ってくれるだろう

          本日退院。会社の産業医とオンライン面談をして、来週から復職できることになった。 大腸がんがわかってから、なんだかんだ1ヶ月以上も休職してしまっている。それでも、定職があるだけ本当にありがたい。休職前は1日8時間のフル出社だったのが、復職して抗がん剤治療が終わるまでは、1日6時間のフルリモートになる。診断書が効力を存分に発揮してくれている。 フルリモートにはなるものの、たまには会社に行けたらいいなとは思う。そもそもわたしは4月入社で働き始めたばかりで、各種ルールに照らし合わ

          6月13日 今日のわたしの行動だけが、この先のわたしを救ってくれるだろう

          6月12日 謎の生き物がお腹から生えている

          腸閉塞で入院した当日、痛み止めの点滴で落ち着いたときに、ふと金玉(わたしのストーマの名前)を見た。金玉はピクリとも動かず、真っ白になっていた。 「ストーマって色が変わるんですね」と看護師さんに尋ねると、「そうなんですよ〜、もっと青黒くなったらヤバいかな」と教えてくれた。そうなんだ。少し心配になった。 そこからは、注意して金玉を見るようにした。金玉は、日を追うごとにだんだんと動くようになり、そして彼ら(わたしのストーマは双孔式で、それぞれ独立して動くので2体いる感覚がある)

          6月12日 謎の生き物がお腹から生えている

          6月11日 病室のネームプレートはどのように色分けされているのか

          大腸がん、からの腸閉塞による入院4日目、早くも暇を持て余しているかわむらです。今日は入院病棟の「ある謎」について、推理ごっこをしましょう。暇なので。 ある謎……それは「病室の入り口にかけられているネームプレートは、どのような法則のもとで色分けがされているのか?」という謎です。 ちなみに、先にネタばらしをすると、解けなかったので最終的に看護師さんへ聞きました。真実をいつもひとつに絞れない。正解は記事の最後で。 病室のネームプレートは色分けされている多数の入院患者を抱えてい

          6月11日 病室のネームプレートはどのように色分けされているのか

          6月8日 2度目の救急車、2度目の入院

          またしても皆さまの血税を使わせていただきました!!すみません!!!(意訳:また救急車を呼びました) 6月7日の昼過ぎから、腹痛と吐き気の不穏なコラボ。寝たら治るかな〜と昼寝をするも、お腹が痛くて目が覚めてしまう始末。23時頃まで耐えたものの、痛すぎて3回吐いたあたりで、これは無理かも…とギブアップして救急車を呼んだ次第です。 ご存じですか?119に繋がると、まず「火事ですか?救急ですか?」と尋ねられるのですが、「救急です」と答えると、次に聞かれるのは「どうしましたか?」で

          6月8日 2度目の救急車、2度目の入院

          6月4日 癌のステージ告知、されてみた

          大腸がんの検査結果、聞きに行ってきた〜! ステージ3、厳密にはステージⅢ cとやらでした。ひとまず、ステージ4じゃなくてよかった🎉 癌はリンパに4個以上転移していて、腸に穴が開くくらいなので深さも一番終わっている状態だそうで、でも、手術中に確認できた癌は全部とってくださったとのことです。先生がご丁寧に「ここが癌で〜」と手術中の写真を見せてくださいましたが、いやこちらはグロ画像耐性ないんですけど……?と思いました。 ステージⅢ cだと、再発やほかの臓器へ転移する可能性、あ

          6月4日 癌のステージ告知、されてみた

          6月2日 「癌になって何か変わった?」

          久しぶりに渋谷まで出て、見るだけのお買い物(つまり何も買っていない)。香水やバックパックを見て、雨だったこともあって歩き疲れて早々に帰ってきた。 一緒にまわってくれた友だちから「癌になって考え方とか何か変わった?」と尋ねられた。うーん、と少し考えてはみたものの、取り立てて何も思い浮かばない。「強いて言うなら、欲しいものは買っておこうって思ったくらい…?クレドのパウダーとか……」などと、何の教訓にもならないような返事をして、友だちを大いに困らせた。 大腸がんになって、しかも

          6月2日 「癌になって何か変わった?」

          5月28日 お腹いっぱい食べられない

          5月24日に退院して以来、25日は天ぷら蕎麦と日本酒4分の1合、26日はあっさり系のラーメン、アフォガード、白ワイン1杯と、友人と会うのをいいことに、なかなかチャレンジングな食生活を送ってきた。ひと口は少なめにして10回は噛む、なんだったら20回しっかりと噛む。食べるスピードはおのずと遅くなるものの、背にも何にも腹は代えられない。地道な努力が功を奏して、わたしも腸も調子がよかった。昨日の夜までは。 昨日27日は終日家で過ごしつつ、冷凍うどんや無印のインスタントスープ、レタス

          5月28日 お腹いっぱい食べられない

          5月24日 退院✌いぇい

          おかげさまで、本日無事に退院できました😭💙 18泊19日、癌取り・腸縫い・金玉プレゼント込みで13万750円(※)でした!いや、13万という金額自体は高いんですけど、命の値段にしては安すぎでは?実質無料じゃんね!お得! ※高額療養費制度を利用したため、この金額で済みました 病理検査はひたすら長引いていますが、とりあえず、今のところは約18〜77%の確率で5年後も生きている予定です。会社はなんとかクビを免れ、当面はリモートかつ時短勤務となりました。正社員でよかった…。退院

          5月24日 退院✌いぇい

          5月18日 大腸がん入院13日目🏥

          入院して約2週間、お腹に刺さっていたチューブがすべて外れたので、やっとシャワーを浴びられることになった。今回はストーマ装具を交換する練習も兼ねているので、看護師さん付き添いのもと、入院着を脱いで浴室へ入る。 浴室には鏡があって、わたしは本当に久しぶりに、自分の体をまじまじと見た。随分と痩せこけていた。あばらは胸の上下に浮き出て、傷だらけのお腹は筋肉を使っていないせいか締まりがないうえに、へその横には金玉のような訳のわからないピンク色した内蔵が飛び出ている。脚の筋肉は、数日で

          5月18日 大腸がん入院13日目🏥

          5月17日 ひとまず元気

          おかげさまで術後の経過は順調です🙌 早くて週明け前半には退院できそうで、退院に向けて、お腹にぶっ刺さったチューブを1日1本ずつひっこ抜かれています。やめて?? ありがたいことによくお尋ねいただくのですが、かわむら、退院したらごはんとかお茶とか全然行けます!退院 → 病理検査の結果が出る(癌のステージが判明する)→ 抗がん剤治療スタートの流れなので、むしろ退院から治療開始までが一番元気な説すらある。脂ものがキツイのと、食べるのが遅い&少量しか食べられないのですが🙏 ただ、

          5月17日 ひとまず元気

          5月13日 大腸がん入院7日目🏥

          朝の5時に、汚物にまみれてベッドに放置されている。これは病院の対応が悪いのではなく、人手の足らない時間帯に、わたしが自分にぶっ刺さっている5本のチューブのうち1本を抜いてしまった自業自得の結果である。 「かわむらさんごめんね、あと30分待って」 「はい、本当にすみません……」 わたしは今、それなりに露出度の高い格好でベッドに横たわっているが、そこに色気やエロといった要素は微塵もない。もし鏡があれば、ボケーっと介護を待つ情けない中年の姿が映るだけだろう。 病人は、往々にし

          5月13日 大腸がん入院7日目🏥