6月12日 謎の生き物がお腹から生えている
腸閉塞で入院した当日、痛み止めの点滴で落ち着いたときに、ふと金玉(わたしのストーマの名前)を見た。金玉はピクリとも動かず、真っ白になっていた。
「ストーマって色が変わるんですね」と看護師さんに尋ねると、「そうなんですよ〜、もっと青黒くなったらヤバいかな」と教えてくれた。そうなんだ。少し心配になった。
そこからは、注意して金玉を見るようにした。金玉は、日を追うごとにだんだんと動くようになり、そして彼ら(わたしのストーマは双孔式で、それぞれ独立して動くので2体いる感覚がある)の本来の色であるピンク色を取り戻していった。
ストーマ装具の交換ついでにシャワーを浴びたときは、うねうねと、とても気持ちよさそうに動いていた。うわぁ…と思いながらも、なんだか少し嬉しくて、彼らのダンスをしばらく眺めていた。
昨日の夜は、ケホッと咳のような音を立てていた。あれ、苦しい?と思って、もう寝ようと思っていたところを、しぶしぶお手洗いへ立ってやった。
わたしのコントロールが及ばない、謎の生き物がお腹から生えている感覚がある。見た目こそ褒められたものではないその生き物は、わたしの気も知れずに勝手にうねうねと動きながら、わたしの大腸を休ませ、排泄を担い、わたしを助けてくれている。
やがて閉鎖手術をされて、わたしのお腹に帰っていく金玉。わたしが彼らにできることはあまり多くはないけれど、せめてストーマ装具を交換するときは、シートで拭くだけで済ませずに、ちゃんとシャワーを当ててあげようと思った。
トップ画像は月曜の夜ごはん、美味しくてテンションが上がった具なし茶碗蒸し。厳密には豆腐だけが入っているそうで「空也(くうや)蒸し」というらしい。
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