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6月13日 今日のわたしの行動だけが、この先のわたしを救ってくれるだろう

本日退院。会社の産業医とオンライン面談をして、来週から復職できることになった。

大腸がんがわかってから、なんだかんだ1ヶ月以上も休職してしまっている。それでも、定職があるだけ本当にありがたい。休職前は1日8時間のフル出社だったのが、復職して抗がん剤治療が終わるまでは、1日6時間のフルリモートになる。診断書が効力を存分に発揮してくれている。

フルリモートにはなるものの、たまには会社に行けたらいいなとは思う。そもそもわたしは4月入社で働き始めたばかりで、各種ルールに照らし合わせれば、試用期間で雇用契約が終了していた可能性は十分すぎるほどにあった。成果を出すどころか、オンボーディングもろくに終えていないわたしが退職に至らなかったのは、ほうぼうに手を回してくれた上司や、わたしの仕事を手分けしてくれたみんなのおかげでしかない。早くありがとうを伝えたい。もちろん、契約の継続を決めてくれた社長へも。

入院する直前、ちょうどゴールデンウィーク中日の平日、特に急ぎの仕事がなかったので、会社の採用サイトに掲載する記事を1本書いた。入社に至った経緯や仕事への思い、どんな会社か、どんな人に向いているかなどについて触れた記事だった。その数日後にわたしは倒れて、3週間入院、1ヶ月以上休職することになる。

会社がわたしの雇用契約について判断を迷っていたときに、社長がわたしの書いた記事を読んで、契約の継続を決めたと聞いた。「ぶっちゃけわたしクビになるパターンありましたよね?」と直属の上司に尋ねたときに、実は、とそのことを教えてもらった。嬉しかった。こんなに嬉しいことはないと思った。わたしの書いたものが、わたしを救ってくれた。その事実だけで、なんだかこれからもやっていけるような気がした。

今回の入院代は8万円を超えた。これからの半年間は、抗がん剤治療費3万円超+診察費が3週間に1回ペースで飛んでいくし、内服薬やストーマ用品にかかるお金だってチリツモで馬鹿にならないだろう。稼ごう、そして自炊をしよう。近くの高級スーパーではなく、できれば西友まで行こう。ちゃんと友だちに弱音を吐こう。家でできることを趣味とし、気が向いたら何かを書こう。まずは半年、半年乗り越えたら大丈夫。もし再発や転移をしたとて、そのときはそのときだ。先のことを心配している暇はない。

今日は家の拭き掃除をして、洗濯をして、植物に水をやって、抗がん剤の副作用の予行演習で手袋をして皿を洗った。これからシャワーを浴びたら、夕食はスープで済ませて、退院の帰りしなに買ったTHE BIG ISSUEの坂本龍一の号を読もうと思う。1週間ぶりの家はそこそこ綺麗で、わたしは1週間前の自分に感謝した。今日のわたしの行動だけが、この先のわたしを救ってくれるだろう。


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