6月11日 病室のネームプレートはどのように色分けされているのか
大腸がん、からの腸閉塞による入院4日目、早くも暇を持て余しているかわむらです。今日は入院病棟の「ある謎」について、推理ごっこをしましょう。暇なので。
ある謎……それは「病室の入り口にかけられているネームプレートは、どのような法則のもとで色分けがされているのか?」という謎です。
ちなみに、先にネタばらしをすると、解けなかったので最終的に看護師さんへ聞きました。真実をいつもひとつに絞れない。正解は記事の最後で。
病室のネームプレートは色分けされている
多数の入院患者を抱えている病院では、どの部屋にどの患者が入院しているのかわかるよう、病室の入り口にネームプレートがかけられています。
ネームプレート?名札?表札?
とにかくこんなやつ。
わたしが入院している病院では、ネームプレートの横に、緑、黄、赤のいずれかの色がつけられています。ちょうど上の画像のようなイメージです。
色分けの概要は以下の通り。
「緑」「黄」「赤」の3色が存在する
色分けされている部分は可動式で、色はすぐに変更できる
ほかの病室も見たところ、ざっくりの割合で緑6割、黄2割、赤2割
わたしは10名で満床中の大部屋に入院しているのですが、病室のネームプレートはわたしを除く9名が緑で、わたしだけ赤。
……なんで?
色分けルールについての諸説
わからないことは、まずはインターネットの皆さんに聞いてみましょう。主にYah○o!知恵袋を巡回したところ、大きく分けて5つの判断軸が浮上してきました。
緊急避難時の移送手段
病状
科や担当医
食事レベル
感染の可能性
いや、さすがに5はないんじゃない?何かのウイルスに感染している可能性が高い人とそうじゃない人を同じ病室には入れないでしょう。というか、わたしが赤なのを考えると、わたしが何かに感染していることになっちゃうんだよね。それはない……えっ、ないですよね…?
情報の整理
これを読んでいる方にも色分けの謎を一緒に考えてもらうべく、判断に必要となりそうなこちらの情報をお伝えします。
※多少のフェイクを入れています
入院中の病室について
外科病棟にある10名の大部屋で、現在は満床
回診で訪れる医師1名につき、同室の患者2〜4名を担当している(ような気がする)
一人で歩くのを禁止されている、80歳以上と思しきご高齢の方がいる
一人で歩ける、同年代と思しき方もいる
外科病棟の病室であるため、手術を控えている方、または手術後の方が大半
癌患者は2名ほどいる気がする
オストメイトはいない気がする
ちなみに、この部屋ではわたしが3番目に新しい入院患者です。
わたしについて
ステージ3の大腸がん患者、かつオストメイト(人工肛門保有者)である
前回の入院時は搬送同日に手術をしたのち、癌とストーマ造設の経過観察により3週間入院している
今回は腸閉塞による緊急入院
今回の入院で手術はしていない
現在は回復期にあり、食事は流動食
一人で問題なく歩ける
もしわたしのことを気にしてくれる方がいれば、このへんの記事でもよかったらどうぞ。
色分けルールの考察
インターネットの先人たちによって浮上した5つの判断軸のうち、可能性が低いと判断した「感染の可能性による色分け」を除外して、4つの説の考察をしていきます。
可能性1:緊急時の移送手段によって色分けされている
災害や事件などの緊急時、車いすなのか歩きなのか、それとも担架が必要なのか、どのような方法で避難できる患者であるかを表しているという説。
かなり納得感のある色分けルールなのですが、だとしたら、わたしは赤にならないと思うんですよね。普通に歩けるし、なんだったらこの病室で一番元気なの、たぶんわたしだし。
もしかして、緑はやばい、赤は大丈夫!という、色から受ける印象の摂理に反したトリッキーな色分けをしているのでしょうか?さすがに考えにくいので、この可能性は低いと判断。
可能性2:病状によって色分けされている
病状、つまり病気の容態によって色分けされているという説。トリアージ(患者の緊急度によって診察や救命の優先順位をつける、主に災害現場で使われる用語)の識別色が、ネームプレートでも採用されているのでは?という説もあり。
いざというときのために病状を可視化しておくのは有効だと思うし、ルールに対する納得感は高め。ただし、
今回の入院は腸閉塞によるものであること
すでに回復期であること
大腸がんをベースとした色分けだとしても、現時点で容体が急変する可能性は低いこと
などを考えると、わたしだけを赤にするのは、正直あまりしっくりこない。それとも何?みんな擦り傷とかで入院してるの?
また、色分けという一見して判断できない方法であっても、患者の目につくところに「病状」「優先度」という超センシティブな個人情報を掲示するのはかなり問題があるはず。そのため、この可能性も低いと判断。
可能性3:科や担当医によって色分けされている
この科ならこの色、この先生ならこの色などと、科や担当医をベースに色分けされているという説。しかし、この病院に混合病棟はなく、わたしは外科病棟の病室に入院しているため、内科・外科で色分けされている可能性はない……
って思ったけれど、よくよく考えたら、今回の入院でわたし外科手術してないな?この人だけ実は内科の患者なので色が違いま〜す、ってこと…?
でも、緑が内科・赤が外科だとすると、ほかの病室も含めた緑と赤の比率を鑑みるに、外科病棟に入院している内科の患者がどう考えても多すぎる。あと黄色、お前はなんだ。
呼吸器科、消化器科、脳神経科、産婦人科など、詳細な診療科目で色分けされている可能性もよぎったものの、どう考えても3色じゃ足りないため、こちらも却下。
先生の受け持ちによる色分けの説についても、わたしを担当してくださっている先生は同室のほかの患者さんも診ているため、考えにくいところです。というか、もしそうだとしたら、同室の残り9名を診ている先生との業務バランスが悪すぎる。
可能性4:食事によって色分けされている
たとえば絶食は赤、流動食は黄、普通食は緑などと、病院食の段階によって色分けされているという説。
これは大いにあり得る気がする。でも、だとしたら、わたしは黄なんだよな〜。もうわかんない!お手上げ!
病室のネームプレートにおける色分けの真実
調べてもわからないことは看護師さんへ聞いてみよう。いつもしょうもないことで話しかけてばかりですみません。
「病室の入り口にかけられてる名前の横に、赤とか緑とか、色がついてるじゃないですか?あれって何なんですか?」
「ああ、あれは、火事とか地震とかが起きたときに、どうやって避難できる患者さんなのかわかるようにしてるんですよ〜」
なんということでしょう。この病院での色分けのルールは、サクッと見逃していた「可能性1:緊急避難時の移送手段によって色分けされている」だったのです。
看護師さんによると、色分けは以下に則っているとのこと。
緑=自力歩行(独歩)
黄=車いす、付き添いでの歩行(護送)
赤=ストレッチャーやベッドでの移動(担送)
「なるほど〜!でも、そしたらわたしが赤って変じゃないですか?わたし全然歩けますよ🤔」
「え、赤になってました?……あっ、ほんとだ、緑に直しておきますね〜」
……ということで、正解は「緊急避難時の移送手段によって色分けがされているが、わたしは間違えられていた」でした。
そんなことあるんだ。
〜完〜
色分けのルールは法で定められているわけではないため、病院によって運用が異なるようです。今度入院する機会があれば、ぜひ病室のネームプレートを見てみてください。
ちなみに、この病院での患者の移送手段は、PC上では正しく管理されているとのことでした。本当〜????(気さくな看護師さんが多くていい病院です)
トップ画像は昨日の昼食。虚無ごはん。ディストピア飯。概念。
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