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許されようとは思いません/芦沢央(2016/06/22)【本要約】

あなたは絶対にこの「結末」を予測できない! 新時代到来を告げる、驚愕の暗黒ミステリ。
かつて祖母が暮らしていた村を訪ねた「私」。祖母は、同居していた曾祖父を惨殺して村から追放されたのだ。彼女は何故、余命わずかだったはずの曾祖父を、あえて手にかけたのか……日本推理作家協会賞短編部門ノミネートの表題作ほか、悲劇をひき起こさざるを得なかった女たちを端整な筆致と鮮やかなレトリックで描き出す全五篇。

「これでおまえも一人前だな」
入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。
上司にも褒められ、誇らしい気持ちに。だが売上伝票を見返して全身が強張る。本来の注文の11倍もの誤受注をしていた――。
躍進中の子役とその祖母、凄惨な運命を作品に刻む画家、姉の逮捕に混乱する主婦、祖母の納骨のため寒村を訪れた青年。人の心に潜む闇を巧緻なミステリーに昇華させた5編。
目次
目撃者はいなかった
ありがとう、ばあば
絵の中の男
姉のように
許されようとは思いません

この作品はホラー風のタイトルが付いていますが、実際にはどんでん返しを特徴とするミステリーです。芦沢央の5番目の作品として2016年に発表され、多くのミステリーランキングや賞にノミネートされています。この本は、短編集であり、全部で5つの話が収録されています。
本作を読み終えた後にチェックしてほしいのが、表紙の裏に隠された特別な短編「馴れ初め」です。この部分は本編を読み終えた後に楽しむことが推奨されています。
『許されようとは思いません』を含む各短編は約60ページとコンパクトながら、それぞれが強烈などんでん返しを含んでおり、読者を驚かせます。特に「姉のように」という短編は、虐待という重いテーマを扱いつつ、読み応えがあります。
『許されようとは思いません』は、ミステリー愛好家にはぜひ手に取ってもらいたい作品です。芦沢央の才能が光る短編集で、読む者を引き込む魅力が詰まっています。

ヨビノリたくみ先生絶賛オススメ

一読で心に残るダークミステリー集

  • 第1話「目撃者はいなかった」: 仕事でミスを犯した人物が嘘をついて事態を乗り切ろうとする話。

  • 第2話「冬のバルコニー」: 孫が冬のバルコニーに閉じ込められる状況を回想する物語。

  • 第3話「絵の中の男」: 鑑定士が古い絵について語り続ける、会話形式を取り入れた独特のストーリー。

  • 第4話「姉のように」: 完璧だと思われていた姉が事件を起こした後、狂気に陥る妹の物語。

  • 第5話「許されようとは思えません」: 新しい村に越してきた女性が村八分にあう、村の暗部に迫る話。

特に「姉のように」という作品は、人間が無意識のうちに持つ偏見に焦点を当て、読者に深い印象を残します。これを読むことで、自身の持つ先入観に気づかされるかもしれません。
これらの話は心理的に深く、寝る前に読むには少し重たすぎるかもしれません。そのため、精神的にリフレッシュできる時間、例えば通勤前やランチタイムがおすすめです。
この短編集は、ただ怖いだけでなく、読む者の心に深い洞察を与える作品です。興味が湧いた方はぜひ手に取ってみてください。そして感想もお聞かせください。

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