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電楽の短編

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#恋愛

エンの眠るまえに

エンの眠るまえに

 涙が出ない乾季は遠くを見がちになる。青々とした山のふもとでエンが歩いていた。大きな体を揺らす姿がもの珍しいのは3日だけだった。
 ピロティに風が吹く。砂利のすきまで雑草がそよいでいる。午前中よりも涼しくなり、嫌でも文化祭の終わりを感じさせた。
 私たちダンス部のショーケースは無事に終わった。これで三年生は引退する。
 来週から有紗さんは部活に来なくなる。当たり前の事実に、胸の奥が重くなった。有紗

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ヘリオス・ティガ・ドラゴン、社交ダンスに行く

ヘリオス・ティガ・ドラゴン、社交ダンスに行く

 人にそれぞれ氏名があるように、私の名前はヘリオス・ティガ・ドラゴンだった。
 母はヘリオス・ティガ・満。父はヘリオス・ティガ・三郎。私は女の子でも独立独歩していけるよう「ドラゴン」と名付けられた。
 そんな私は引っ越しの準備のため、荷造りをはじめていた。はじめるまでは、億劫だった気持ちも段ボールに荷物を詰めこむ中で小さくなっていった。
 ベランダに西日が差し始めたころ、私の荷造りもいよいよ終わり

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あたしの家にスカルライダーが転がり込んできた

あたしの家にスカルライダーが転がり込んできた

「ねー、やめてくんない?学校まで迎えにくんの。」

コイツはスカルライダー。ウチの最悪の居候。
懲りずに校門前に停めてやがった。今日のあたしは目力強めで言ったけど、コイツは顔色一つ変えない。てか、顔色あんのか?
取り敢えず、あたしはコイツに聞こえるくらい舌打ちをかまして、別の帰り道を選んだ。

そもそも出会いが最悪だった。一年前の今日、つまりあたしの誕生日。
あたしは買ったピノ

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