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日本刀を購入するにあたって

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漫画「燃えよ剣」で歳三がノサダの刀を手に入れるシーンがはめ込まれているようにしか見えない件

漫画「燃えよ剣」で歳三がノサダの刀を手に入れるシーンがはめ込まれているようにしか見えない件

2021年に公開された映画「燃えよ剣」
なんとその漫画も出ていたようで。
個人的に好きな映画の一つなのでその漫画版という事でこれは全巻読もうと決めました。

その一部が今日公式アカウントからXで投稿されており、内容はなんと土方歳三が二代兼定(ノサダ)を手に入れるシーンでした。
(尚、現実では歳三の刀はノサダではなく十一代兼定の為、司馬遼太郎原作の「燃えよ剣」はフィクションと思われます)

このシー

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名刀を名刀と見極めるのは初心者の頃ほど難しい

名刀を名刀と見極めるのは初心者の頃ほど難しい

刀を見始めて日が浅い内は全ての刀が綺麗に美しく見えるものです。
はじめて刀を手に持って鑑賞した時などは興奮と緊張状態でまともに刀を見ることもままならなかった記憶があります。
そのような状態の中で、加えて「○○のような刀が名刀」という基準が自分自身の中にない状態で名刀を判断するというのはだいぶ美的センスに左右される話かと思います。

世の中には非常に美的センスに優れた方がいてそうした方は刀に詳しくな

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出物獲得は早さと運と縁の勝負

出物獲得は早さと運と縁の勝負

名刀。
名品。
出物。
掘り出し物。

実際に「出物」や「掘り出し物」と呼ばれる物は安く買えるものを見つける事ではなく、良い物、良品、つまり名品を見つけ買えるような段階、状況にある事を指すような気がしますが、そうした物は足が早いというか自分よりも目利き力のある方がさっそうと さらっていくのでとにかく足が早く、そう機会が何度も訪れるわけではない、という特徴があります。

重要刀剣指定展は前売情報的なものになりえるか

重要刀剣指定展は前売情報的なものになりえるか

2024/2/23~4/14まで両国の刀剣博物館にて「第69回重要刀剣等新指定展」が行われています。

出品目録は以下の通り。

個人的に気になるのは、元亨二年六月日の新藤五国光の短刀と、76.6㎝の助包(一文字)、75.6cmの長船住重真が生ぶ姿をしていそうで楽しみです。
行光は在銘の表記で刀で在銘?!と気になっていましたが、どうやら見に行かれた方の情報によると無銘だったとのことで表記ミスのよう

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日本刀の展示即売会情報(2024年2月~3月)

日本刀の展示即売会情報(2024年2月~3月)

2024年2月~3月に開催される展示即売会の情報をまとめました。
お近くの方、刀や刀装具を探されている方、是非行かれてみてはいかがでしょうか。

尚、個人的にネット等で調べたものですので漏れもあるかと思います。
ご容赦下さい。
また、急な中止、変更の可能性もありますので事前にお店のHPなどをよくご覧になってから行かれるようにしてください。

・2/9~2/18 平成名刀展(平成名刀会)

・2/1

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古刀が「複雑で玄人好み」と言われる理由

古刀が「複雑で玄人好み」と言われる理由

刀買い始めの時に「古刀は複雑で飽きが来づらいが玄人好み」と言われたのをふと思い出した。
当時はどういうことか直ぐには理解出来なかったものの、今回違いが良く分かるような写真が撮れた気がするのでまとめてみる。

以下は慶長新刀(1620年頃の作)。
新刀以降の刀は刃や地鉄が分かりやすく冴えているものも多く、初めて刀を見る人に対してもとても受けが良い印象がある。
個人的な印象では古刀よりも受けが良い印象

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「刀剣店=安心」とは限らない

「刀剣店=安心」とは限らない

皆さんは刀剣店と聞くとどこか安心したような信頼出来る印象を抱く事はないだろうか?
私も5年前は刀剣店というだけでどこか安心感があった。

時代拵が異様に安く買えるお店

時代拵が異様に安く買えるお店

模造刀に数万円出すのはちょっと待って…!
そのお金で質の良さそうな本物の時代拵が買えますよ、というお話です。

模造刀のどの部分に価値を見い出すかは人それぞれですが、大体3~5万円程というのがそこそこ良い模造刀を買う上では必要な金額ではないでしょうか。
中でも○○モデルなどのように有名な刀を模した高級模造刀になると10万円を越してくる場合も。
そんな中ではありますが、実は3~5万円出したら本物の拵

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一呼吸おいて手放す

一呼吸おいて手放す

刀や刀装具を買ってから何度も何度も見ているとその物の良さを充分に理解した気になってくる。
そして暫くすると新たに欲しい物が出てきて、それを手に入れる為に今あるものを手放す。
欲しい物がある度に追加で買えれば何の問題も無いが、資金やスペースの問題からどうしても物の「入替」を検討しなければならない時が来る。

その時にこれはもういいやと気兼ねなく出せる物ばかりであれば良いが、得てして高い授業料を払って

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「悪い」と言われる刀について

「悪い」と言われる刀について

美術刀剣を鑑賞する際に、こういう刀が良い刀である、とは実物を交えて説明される事はよくあるものの、こういう刀が悪い刀だ、と説明される事はほぼありません。
個人的にはそういう説明があっても良いと思うのですが、お店などでは当然売り物についてそのような言い方はしないでしょうし、不特定多数が参加する鑑賞会などでは、刀の悪い部分を説明しようものならその刀にも良いところがあるにも関わらず何事だ!と怒り出す人まで

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刀や刀装具を買う時の複雑な感情

刀や刀装具を買う時の複雑な感情

今回の大刀剣市でも感じた事だが、良いなと思って後回しにして悩んだ挙句購入しようと思った時に「売約済」という文字を見た時、「くぅ~!逃した…あの時買っておけば良かった」という後悔する感情と、「売れていて安心した…(買わなくて済んだ)」というなぜか安堵感のようなものが同時に訪れる時があり、自分でも不思議だなと感じる時がある。

こうした物は結果として買わなくて良かったのだろうか?
それとも買っておいた

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刀を買う前に

刀を買う前に

傲慢になってしまったらお終い。
人をけなすようになってしまったらお終い。

どんな社会でもそうだと思うのですが、刀を持つとなぜか偉くなったり強くなった気分になってしまい他者にマウントを取りたがってしまうのでしょうか。
先生の様に振る舞う事で気持ちよくなりたがるのでしょうか。
それとも元々そういう人が刀を持ってワイワイしているのが目立つだけでしょうか。

刀を買う事で周りに目を向ける前に自分の行動に

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購入時心理の変化、直感と即断

購入時心理の変化、直感と即断

刀や刀装具で欲しい物があった時に「よし買うぞ」と実際に行動に起こすまでは意外に時間が掛かるものな気がしますが(私の場合は)、回数を重ねていく内にその時間が減っていくようにも感じます。
購入の敷居が下がっている、つまり感覚が麻痺してきているだけかなとも最初は思っていたのですが、どうやらそれだけではなく自分の中で買う時の基準が明確になってきた事も購入の決断という飛び込む勇気に繋がっていそうにも感じます

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