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古刀が「複雑で玄人好み」と言われる理由

刀買い始めの時に「古刀は複雑で飽きが来づらいが玄人好み」と言われたのをふと思い出した。
当時はどういうことか直ぐには理解出来なかったものの、今回違いが良く分かるような写真が撮れた気がするのでまとめてみる。

以下は慶長新刀(1620年頃の作)。
新刀以降の刀は刃や地鉄が分かりやすく冴えているものも多く、初めて刀を見る人に対してもとても受けが良い印象がある。
個人的な印象では古刀よりも受けが良い印象。

一方で以下は鎌倉初期~中期頃の太刀。

刀身の模様(地景)が刃に絡んでいるため、どこからが刃文でどこからが地鉄か、境が分かりづらい。これに加えて映りも出ています。

という事で改めて並べて比較してみるとこのような感じ。

勿論刀によって色々な刃文の形や地鉄の模様がありますので、古刀でも全て同じような見え方をするわけではありませんが、一般的に「刃文の中に働きが沢山あって、地景と絡み、映りなどが加わる」といった感じで目に入ってくる情報がとても多い点が古刀が「複雑」と言われる理由なのかなと感じています。
もうこれは好みの問題ですのでどちらが良いという話ではありません。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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