「悪い」と言われる刀について
美術刀剣を鑑賞する際に、こういう刀が良い刀である、とは実物を交えて説明される事はよくあるものの、こういう刀が悪い刀だ、と説明される事はほぼありません。
個人的にはそういう説明があっても良いと思うのですが、お店などでは当然売り物についてそのような言い方はしないでしょうし、不特定多数が参加する鑑賞会などでは、刀の悪い部分を説明しようものならその刀にも良いところがあるにも関わらず何事だ!と怒り出す人までいるので(勿論その場ではなく陰でブツブツ)、主催側として否定的な意見は言いづらい状況があるのでしょう。
ましてや人様から借りた借用刀などには礼儀として否定的な意見など言おうはずもないので、どうしてもその刀の良いところばかりを褒めるのみの説明になってしまうのでしょう。
つまるところ、良い刀を見て良いとされる特徴を覚えて、悪い刀は見て察しろ、という事なのでしょう。
故に初心者の人ほどそうした情報にアクセスしづらいのだと思われます。
という事で今回はあえて「悪い」と言われる刀がどのような物なのかについて書いてみようと思います。
因みにここでいう悪い刀というのは、美術的な評価が受けづらいという意味であり、また個人的な感覚や解釈も混じっているのでその点留意して見て頂ければと思います。
悪い刀なんて無い!刀は全部崇高な物なんだ!という意見もあるかもしれませんが、論点がずれているので一旦置いておいてください。
そもそも「悪い刀」があるからこそ、反対に良い刀には特別重要刀剣などといった指定書が付けられて高額で売買されるわけで、暗に良い刀と悪い刀を区別している現状があります。
今回はあくまで一般的な話を書いているつもりですが、「どんな日本刀にも悪口を言うやつは許さない」的なお気持ち系の方々から私もとやかく絡まれたくはないので、閉鎖的なブログの方でのみ書きます。
言わずもがな、最終的に大事なのは他者の評価よりも自分が気に入るかどうかです。
他者が何と言おうと自分が気に入っていればそれで良いではありませんか。他の人が悪いと感じる部分を長所に感じられるのであればそれは素晴らしい事と思います。
①悪いと判断される点は主にここ
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