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もう二度と来ないでくださいの、代わりに伝えたら伝わった話

インターホンを押して人を呼び出し、嫌な印象を与えることは、商売を行う際に必要なのでしょうか。

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私が高校生の頃のこと。時は平成、新興住宅地の一戸建て。たまたま私が一人で留守番をしていました。庭には犬、家の中には猫。そんな状況でした。長男としての責任感は意識していました。

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インターホンが鳴る。近所に占いの館ができたとのこと。「見てあげるから来てもいいのよ」というような、上から目線の態度40代の二人組。ゴテゴテした服装、片方が占い師で、もう片方が友達かスタッフと思える話ぶり。というのも、彼らの説明が聞きにくかったのです。

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小学6年で父が亡くなり、母子家庭で親子3人と動物で暮らしていました。正直、こういう人にまた来てほしくない。安心して暮らしたい。しかし、喧嘩腰に追い返すわけにもいかない。

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どうしたものかと考え、こう返してみました。彼らの肩のあたりを見ながら、つまり目を合わせず背後に何か見えているような視線で、「占いですか。僕、見えるタイプなんですよね」とニコッと笑ってみました。その人たち、二度と来ませんでした。

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近所に占いの館ができたと言われたけれど、どこからも噂話を聞きませんでした。あの占いの館が流行っているねという話も、潰れたという話も聞かないのです。どこからも噂話が入ってこない。あの占いの館は本当に存在したのか、そもそも、あの二人組は本当に占いの館の営業をしていたのか、思い出しては不思議な気持ちになります。30年近く前の、あれは何だったのでしょう。

ともあれ、二度と来なかったことは事実です。私のケースのように見えないのに見えると答えることを勧めはしないけれど、高校生は多感な時期ですよね。


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