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興味深いnoteの記事

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#読書の秋2021

宇野浩二は、やはり「小説の鬼」だった

『思い川・枯木のある風景・蔵の中』宇野浩二 (講談社文芸文庫) 芸妓村上八重と著者との30年にも及ぶ恋愛を題材に小説家牧と芸者三重次とが互いの人生の浮き沈みを越えて真摯な心を通わせ合った長い歳月の愛を独得の語りくちで描いた戦後の代表作・読売文学賞受賞「思い川」、なじみの質屋の蔵の中で質種の着物の虫干しをしながら着物に纏わる女たちの思い出に耽る男の話・出世作「蔵の中」、他に「枯木のある風景」の3篇を収録。 「思い川」最初に出ているから処女作だと思ったら晩年の作品だった。水上

隣の問題は、合わせ鏡で日本を照らす

チョン・スチャン『羞恥』チョン・スチャン (著), 斎藤 真理子 (翻訳)(単行本 – 2018) オリンピックにまつわる政治状況は、来年2月の冬季北京オリンピックがアメリカなどが「外交的ボイコット」で騒がれていますし、日本でもコロナ禍の状況で中止問題が騒がれていたにも関わらず開催されました。そんなオリンピック騒動を背景に描いたのがこの作品です。 冬季オリンピックの選手村建設予定地から大量の人骨が発見された。どうも戦争の傷跡、人民軍(北朝鮮)が一般住民を虐殺したという政府

【手帳好きに超おすすめ】これで目標は達成できる。計画を行動に変える1冊『手帳で夢をかなえる全技術』

手帳を上手く活用すれば目標も達成しやすくなるし、挫折しがちだった勉強や運動が習慣化できるようになります。 とはいえ、手帳を書き始めるにあたって「何から始めればいいかわからない」という人は多いと思います。 そんな人におすすめしたいのが、手帳術について網羅的に解説した『手帳で夢をかなえる全技術』という本です。 「これから手帳を始めたい人は、とりあえずコレを読んでおけばOK」という非常に有用な1冊です。くわしくレビューします。 今さら「紙の手帳」を使う理由手帳を持つというこ

佐藤究「QJKJQ」読書感想文

「テスカトリポカ」で直木賞受賞した 作者の長編ミステリー。 ミステリーとはいうものの、これ、ミステリーなのか、純文学なのか? 日本の小説? 舞台は西東京市で、生粋の日本人ばっかり出てくるけど、 なんだか、海外の小説みたいな、 いや、地球なのか、なんなのか、、 という、不思議な空気のある本でした。 江戸川乱歩賞受賞作というのは頷けます。 江戸川乱歩を初めて読んだ時の不思議な感覚を 思い出します。 主人公は高校生女子、猟奇殺人鬼の一家に生まれ、親も兄も人を殺していると

【都内】夜に訪れたい、文壇bar7選

こんばんはTAGABOOK編集部の令です。 本日は『夜に訪れたい、文壇bar7選』を紹介します! 1. Bar Rupin銀座の喧騒も裏路地に入り込めれば、文学界の方が密かに通い詰めるBarにたどり着くことができます。それもそう、文豪太宰治も通ったとされるお店です。カクテルが並ぶカウンターテーブルには、当時通い詰めた太宰治のDenaが付着しているかも。(隣席の医者がお話されたジョークから引用してます)深いお話に盛り上がっても、くれぐれも2人揃って入水自○だけはなされないよう

読書の秋2021【キャリコンサロン編集部】#30

週の真ん中のアウトプットであるnoteを、焼き芋片手に書いている奥山です。 今年入会したキャリコンサロンの中のひとつの活動であるキャリコンサロン編集部は、実は、キャリアに関する書籍を片っ端から読破していそうに見える集団です。 今週のテーマは“読書の秋2021”ということですが、最近全然本を読めていないことに気づき、あるまじき事態だと畏怖しております。とは言いつつも、ちょろっと本を中心にご紹介して参ります。 読書の秋に読んでいる本その1正確には本ではなく、スマホアプリの漫

天皇直属の「聖なるもの」から非人へ

『中世の非人と遊女 』網野善彦(講談社学術文庫) 非人や芸能民、商工民など多くの職能民が神人(じにん)、寄人(よりうど)等の称号を与えられ、天皇や神仏の直属民として特権を保証された中世。彼らの多くは関所料を免除されて遍歴し、生業を営んだ。各地を遊行し活動した遊女、白拍子の生命力あふれる実態も明らかにし、南北朝の動乱を境に非人や遊女がなぜ賤視されるに至ったかを解明する。網野史学「職人論」の代表作。 非人は清めを、遊女は「好色」を芸能に 網野史学が説く職能民の多様な姿と生命力

【読書欲】本が点から、面や立体に見えたら、もう後戻りはできません(笑)。

本を普段は読まない人から、 よくオススメ本を聞かれる。 何かをお勧めして、 良かったと言われると嬉しいですね。 それからしばらくして、同じ人から 「またオススメはない?」と聞かれる。 え?この前の作家を もっと掘り下げたらいいのに… 気にならないのかな?と感じつつ、 「この前の作家の作品の 前作とか?新作とか? 読むときっとハマりますよ」 と返すと、 「いや、もっと色々な人を読みたくて」 はああん!! そうか。本好きではない人には 本は「単品」「単体」として 存在してる

静寂読書にオススメな、高円寺のブックカフェ。

こんばんは、TAGABOOK編集部の令です。 本日は、高円寺にあるブックカフェ『アール座読書館』の魅力3つについて綴らせていただきます。 1.感動するほどの、静寂空間 読書好きのための、読書のための空間と言わんばかりの『静寂』に包まれています。※お店の中は私語厳禁です。 薄暗い店内に響くのは水音のみ。長時間の読書・難しい文学に耽りたい時に、オススメのブックカフェです。 2.こだわり尽くされた、珈琲メニュー この日メニューに載っていた、キリマンジャロを頼みましたが、

幻冬舎は万城目学/尾形真理子/橘玲/上野千鶴子・鈴木涼美/古谷経衡の5冊の感想文を募集します!#読書の秋2021

昨年に続き、#読書の秋2021 に幻冬舎も参加することになりました。課題図書は、今年発売された本のなかから幅広いジャンルで選びました。気になる作品を見つけて、ぜひ感想文をご投稿ください。みなさんの文章を楽しみにしています! ■実施期間投稿期間:2021年10月17日(日)〜11月30日(火)まで 結果発表:12月下旬予定 ■課題図書万城目学『ヒトコブラクダ層ぜっと』(上)(下) 万城目ワールド、ついに海を越えて世界へ! 梵天、梵地、梵人(三つ子)。その特技は泥棒、恐竜化

銀座の文壇Barが最高すぎた。

こんばんは、TAGABOOK編集部の令です。 本日は読書好きで話題の「bar十戒」(銀座)の魅力3つについて綴らせていただきます。 1 文豪好きにはたまらない、小説をモデルにしたカクテルメニュー オススメは、なんといっても「銀座鉄道の夜」です。 また、太宰治の「桜桃」もありました。 味の感想(ボンさん): 甘めの飲み口にシナモンの香りがアクセントでとても美味しかったです。 2.洗練された文壇空間。 カウンター席・テーブル席の双方があり、一人で訪れても読書をしな

わたしの本棚125夜~「それいけズッコケ三人組」

 10月16日、noteフェスで「岸田奈美さん×高林淳一氏」の対談がありました。お二人の対談が実現した理由、岸田さんの児童書発売への道などが、MCの志村優衣さんの軽妙な進行で、テンポよく語られていきました。岸田さんは今、ポプラ社からだす児童書を執筆しているそうです。その担当編集者が高林氏で、岸田さんにオファーをしたそうです。どんな児童書を書いてくれているのか、わくわく楽しみです。  対談の最初に、岸田さんが、今日の対談にあたって、話すネタがなくなったときを想定して、3本ほど

【関東近郊】温泉読書スポット厳選7選

こんばんはtagd.book編集部の令和寛です。 本日は、関東近郊の日帰り温泉読書スポット7選を温泉を熟知した方々とのコラボ企画ということで記事にしてみました!ぜひ最後までご視聴してください。 1 瀬音の湯 山に囲まれた、秘境の地。 見渡す限りの山景色を満喫しながら、露天風呂を楽しめる知る人ぞ知る幻の秘境温泉です。 ひぐらしの鳴き声と沈みゆく夕日を眺めながらの 露天風呂+露天サウナの黄金タッグは無敵です。 温泉後は、変わらぬ山景色で、コーヒー牛乳を片手にテラス席で身