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大奥 令和日本に男女逆転大奥ドラマを作った意味

あらすじ 江戸幕府3代将軍・徳川家光の時代、「赤面(あかづら)疱瘡(ほうそう)」と呼ばれる奇妙な病が日本中に広がっていった。 この病は“若い男子にのみ”感染し、感染すれば“数日で死に至る”恐ろしい病であった。対処法も治療法も発見されず、結果として男子の人口は女子の1/4にまで激減し、日本の社会構造は激変した。 男子は希少な種馬として育てられ、女子はかつての男子の代わりとして労働力の担い手となり、あらゆる家業が女から女へと受け継がれるようになる。 江戸城でも3代将軍家光以降、

ドラマ「大奥」〜それぞれの愛の道

「大奥」5話~7話、五代将軍・徳川綱吉と右衛門佐の物語も、とても心を揺さぶられた。 前回4話までの感想はこちら 色狂いなどと揶揄される反面、学問好きで本当は女だとか男だとかの区別なく生きたかった綱吉もまた、将軍という運命に翻弄された人生だった。 一人娘である松姫を幼くして失い、将軍と言えども女と生まれたからには早く次の世継ぎを産むのだ!それがお前の存在意義なのだ!と言わんばかりの父・桂昌院(竜雷太さん)からの猛烈なプレッシャーの日々。 父・桂昌院は、若い頃に猫の若紫を殺

大奥/よしなが ふみ

堺雅人さんのドラマ「大奥〜誕生[有功・家光編]」で、大奥に嵌りました。大河ドラマ「篤姫」の家定以来の堺雅人ファンです💕やっぱり大奥繋がりですね😅 二宮君の「大奥〈男女逆転〉」は、映画館で見たのか、ドラマの後にDVDで見たのか、あまり記憶にありません😅(見たことに間違いはないんですけどね💦💦💦) そして、映画「大奥〜永遠[右衛門佐・綱吉編]」最高でした。 [右衛門佐・綱吉編]は、その後もDVDやテレビでの放送で何回も楽しませていただきました。 そして・・・今回のNHKでのド

コミケの女帝、よしながふみ版「大奥」!

ご機嫌よう、雲洲はとむでございます。……やっと、録画溜めしていた「NHK版大奥・家光×有功編」を観られたので言葉遣いが……。 それにしても本当に寒い! 都内でさえこの底拾えと強い冷風なので、東北地方や盆地はさぞやと思いますが、そんな寒い夜にこの「男女逆転・大奥」はオススメ! NHKが社運を賭けて製作し、かつ原作に最大の敬意を払いつつ脚本家の森下佳子さんが書き綴っておられます!!   晴海コミケ時代の、超大手サークル! さて、私は原作コミックスを全巻揃えてきた割と古参フ

予告されたアイスダンスへの道4

髙橋大輔のファンになった時期は人によってバラバラらしい。一般的なのはトリノ・オリンピックかバンクーバー・オリンピックからだと思うけれど、わたしのように「剣の舞」からという人もいるし(かなり変わってる)、世界ジュニア優勝からという人もいるし(うらやましい)、引退後という人も、復帰後という人も、今年からファンになった人もいたりする。メダルを取った瞬間が最高の瞬間というわけでもないし、好きなプログラムも人によって違う。 ある日突然、なんと素晴らしい演技だ、と髙橋大輔を発見する。そ

元祖・戦うお姫様に女子の中二病をくすぐられて悶える|氷室冴子『なんて素敵にジャパネスク』|monokaki編集部

6月1日(土)今月の日記は、まず早稲田・龍善寺からお送りします。エブリスタでは昨年から「氷室冴子青春文学賞」に特別協力していますが、今日は氷室冴子さんを偲ぶ、年に一度の藤花忌。今年で11回目となる「氷室冴子を偲ぶ会」は、同賞の審査員でもある久美沙織さん・柚木麻子さんをはじめ錚々たる作家の皆さま、氷室さんの同級生の方々、そして氷室作品のファンが集まり、ひとつの和室で氷室さんにまつわる思い出を語り合う温かい会でした。 私と氷室冴子作品との出会いは、中学校の教室で回し読みされてい

リバイバル出版

4年前に作ったそのまま。「小説の作り方手帖」では肩書きが神戸新聞文化センター加古川校の文章教室講師になっていますが、コロナ禍で加古川校は無くなり、その後講座は姫路校へ移りましたが、今年の春に終了。 表紙はフォロワーさんに教えてもらったサイトので改めて作ろうとしたのですが、文字を入れてダウンロードしようとしたら、こちらはお金要りますみたいな表示が出てきたので、ひとまずフリー素材サイトから作った前回のものを引き続きそのまま使うことにしました。 あ、noteに上記の小説を載せて

2019-2022年のウェブ小説書籍化② 日本のウェブ小説における有料販売の歴史、中国・韓国式有料課金モデル導入の夢|飯田一史

日本のウェブ小説サービスにおける有料販売の歴史 2010年代後半に日本にやってきた「北米型チャット小説」は、書籍化も有料サービス(新しいビジネスモデル)も軌道に乗らなかった。  では「中国・韓国型有料ウェブ小説」はどうだったか。その話に入る前に、ふたつの流れを確認しておく必要がある。  ひとつは日本のウェブ小説サービスにおける有料販売の歴史と作家への利益還元の潮流。  もうひとつは中国と韓国におけるウェブ小説市場の隆盛だ。このふたつの流れが合流したところで、日本における「中国

文学ムック「ことばと」vol.6(第四回ことばと新人賞発表/特集=ことばと戦争)発売!

文学ムック「ことばと」vol.6(第四回ことばと新人賞発表/特集=ことばと戦争)が発売されました! 【編集長より】 『ことばと』vol.6をお届けします。 特集は「ことばと戦争」です。 とても大きな、そしてとても重いテーマであることは承知しています。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻のみならず、今もこの世では、数多くの「戦争」が起こっています。 そして「戦争」の予兆も、遠くに近くに、確かに幾つも存在しています。 「戦争文学」という言葉があります。歴史的な名作も沢山あり

詩「陽炎(かげろう)」

今日の世界はグラフの移ろい 白い壁の向こうに流れる 細胞の影を歩くひと ゼロの海を飛翔する 宇宙ステーションの軌道を放って 光の庭の陽炎(かげろう)は ゆらめき立つ草花の 蜃気楼も鮮やかで 散って蘇る花々は 海のありかを風に知る 満ち満ちて透明な はるか彼方のゆらぎから やって来るのは ゼロとイチのさざめき

2乳がん日記2022年6月24日2/2

治療が始まったら、薬の副作用や通院とかで、余裕がなくなる。 私に残された、治療前の自由に動ける時間は、そう長くないのです。だから、今のうちに頑張る。 写真は「ギルガメシュ王の物語」翻訳:月本明男(ぷねうま舎) 絵はクレパスとオイルパステルで描きました。 CDと合わせて持っています。この朗読CDを聞くと、何だか気持ちが落ち着きます。 ギルガメシュ王と、親友エンキドゥの話。 「人類最初のBL」と呼ばれてるやつです。 どちらかというと、二人の強い友情を描いているので人類最初のブ

エッセイ「また、会えるよ」

 死んだ父の夢を見ることがある。食道がんで五十一歳に亡くなった父は、夢の中では元気なときの姿で、川のほとりに立っている。  それは私が子供の頃に家族でよく通ったニューヨークのハドソン川であったり、湖のように大きな見知らぬ川だったりした。  川はゆったりと流れて、淡い青空の下、静かに水面が輝いている。少し霧がかかって、遠くの対岸には近代的なビルなどの現代の街並みが見える。他に人はおらず、私と父の二人きりだ。  父の出てくる夢はもう何度も見たので、夢の中に現れても、私はすぐ

あなたの作家としての「生存率」を上げてくれる本|冲方丁著『生き残る作家、生き残れない作家 冲方塾・創作講座』|monokaki編集部

こんにちは、「monokaki」編集部の碇本です。 「小説の書き方本を読む」の第七回です。前回の大沢在昌著『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』では、作家とは「持続」していくことという長期的な視野が必要であり、同時に毎年一定のレベルのもの出し続けていく大変な仕事であるということを取り上げました。シビアですがそれが現実である以上、作家志望者が目を背けられない問題です。 この連載は取り上げた書籍の一部を紹介する形になっています。そこでなにか引っかか

物書きのための校正教室|逢坂千紘

 はじめまして、翻訳者・校正者・小説家の逢坂千紘(あいさかちひろ)です。今回は、文字やことばをシビアに見直す「校正」という作業について、創作とからめて話したいと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。  私から伝えたいことはひとつです。原稿、キレイにしませんか?――たった、これだけです。  編集者に見せる企画書や原稿、そのままウェブなどを通じて読者に見せる作品、それをもっとキレイに仕上げることができたら、見るひとの反応も変わります。特にたくさんの原稿が送り込まれてくる「